「がん患者と共に生きる家族」を15年間支援し続ける団体『Mon ami』。がん家族の気持ちに寄り添い、問題解決をするための「3つの支え」について語る。

2023年12月28日(木)11時0分 PR TIMES STORY

#サスティナブル #創業ストーリー #開発秘話

一般社団法人Mon amiは、悩みや苦しみを抱えたがん患者の家族(以降がん家族と記します)を支援する法人団体です。大切な人ががんを患っても患者とその家族の暮らしや笑顔を守りたいという想いで、活動しています。

今は二人に一人が“がん”になる時代と言われています。でも実際には、もし自分の大切なひとががんになったら、なんて考えたことがある人なんて少ないのです。だから、いざ自分の大切な人ががんになると多くの問題にぶつかってしまい、あの時ああすればよかったと後悔することが多く、私たちはその後悔を少なくするために、

専門性をもった支援をすべく、がん家族に向けた3つの支えを行っております。弊社代表理事の酒井たえこが「なぜ家族の支援を行っているのか」、「がん家族が抱える問題」、「支援を得たがん家族はどうなったのか」をお伝えいたします。

Mon ami代表理事 酒井たえこ

がん家族に向けた3つの支えとは

一つ、広く伝える

二つ、育成する

三つ、支え合う

この3つが弊社の活動内容です。

“がん”という病名はだれでも知っているのに、がん患者の看病をしている家族のことは見えていないというか、概念にないから援助が行き届いていません。

それにがん家族の問題というのは、特徴的です。がん患者に関係する人の環境がめまぐるしく変化をすることが最大の特徴だと言えます。だから、がん家族を支えるのには機転を利かせたアプローチをしなければ追いつかないと考え、活動内容を三つに分けました。

■伝えるとは

がん家族の実態を多くの方に知っていただくことで、がん家族を手助けしてくれる人を増やす目的と、がん家族自身に看病で役に立つ情報を得てもらうという目的があります。

活動実績は、がん家族専門動画サイト『かなやTube』、ドキュメンタリー映画『がん家族。』の制作です。

■育成とは

がん家族を専門的に支援できるセラピストを一万人輩出することを目的にしています。

活動実績は、オンラインがん家族セラピスト育成講座です。

■支え合う(ボランティア活動)とは

同じ志をもつ人が集まってがん家族の気晴らしや無料相談をお受けしています。

活動実績は、がん家族の保健室(月一定期開催)、病院ボランティア、イベント開催です。


始まりは自身の原体験。がん家族の支援を行っている理由

はじめまして、一般社団法人Mon amiの代表理事 酒井たえこともうします。

私が小学生のころ母親が重い心の病になってしまい、それが原因で我が家は詐欺被害・宗教問題に巻き込まれる・近所からうとまれる・自殺未遂と家族のだんらんなんてありえなかった家庭でしたので、子供ながらに寂しい思いをしていましたから、家族の団らんというものに深い憧れを抱いていました。

しかし私も大人になり母の病気のことや大人の事情を理解できるようになったころには、少しずつ家族で食卓を囲めるようにもなってきました。なのに、突然、父の“がん”がみつかり全てを奪われたような気持になりました。

家庭を取り戻したい一心で父の看病をするのですが、約5年で父は亡くなってしまいました。

この5年間の看病では、治療のことを勉強しても全然理解できなかったり、仕事と看病を両立していくのがとてもしんどかったです。なかでも一番悔しかったのが、私の職場で昇進試験があった際、父の病気の事があるからと試験に受けさせてもらえなかったことです。生活費やこれからのことで不安だったので余計にこの上司の判断には悔しく思いました。このような無理解は私を社会から孤立させた要因の一つです。

父が亡くなったあと、私は心を病んでしまいました。

その時いろいろなことを考えたのです。なぜわたしは懸命に看病をしていただけなのに、こんなにも苦しまなくてはいけないんだろう、看病の苦しみの原因は、がんについての知識のなさと孤独に陥ってしまったからだと思いました。そして看病で苦しんでいるのは私だけじゃないということにも気づきました。かつて父が入院していた時に同室だった患者には、家族が付き添っていました。彼女・彼らも私と同じように苦しんでいたのを思い出しました。

そこで、私のように孤独を感じながら看病をしているご家族の背中をさする人になりたいと一念発起し、がん家族支援を行うようになりました。

がん家族が抱える問題を解決するため、活動に取り組む

昭和のころは、“がん”を患うと生存率が低く、イコール死を連想する病でした。しかしいまは“がん”は昔のように不治の病ではなく5年生存率も年々増えてきていて、共に生きる時代とさえ言われています。しかしそこで新たな問題が生まれています。それはがん患者を支える家族らの負担が長期化し更には複雑化するということです。

代表的な4つの問題があります。

社会からの孤立、鬱などの体調不良に陥りやすい、お金の問題、医師や患者との確執です。

私がお受けする、がん家族の相談の中でよくあるのが、友人・親族が看病の愚痴や辛さを聞いてくれないことで、だれも自分の苦しみを理解してくれないという孤立感を抱えるということです。

さらに孤立したがん家族は、つらさや不安が溜まって、鬱や適応障害になり看病どころではなくなるケースもあります。

感情のようなメンタルと並行して、がん治療が長期化することで、治療費の負担が大きくなったり、働き手が働けなくなる場合も深刻な問題です。また、生活環境でいえば、5年の月日の流れの間に、例えば子供のいる家庭では、小学生の子供が中学に上がると教育費も倍増するように、家族全体のお金に関連する事柄が大きく変動するので、治療費と生活費が大きく負担になってしまいます。そこに追い打ちをかけてしまうのが、医師と家族の確執だったり、患者と家族の確執だったりします。最近ではSNSに「2時間も待って、診察はたったの5分で、しかも医師はコチラの顔も見ない!」と診察の際の医師の態度に信頼できないという内容の投稿が増えてきています。

この問題を解決するために、私がなにをしているかというと

・がん家族の気持ちに寄り添う

・状態がこれからどう変化するのか説明する

・お金の問題にたいし、相談できる機関を紹介する

・医師と家族の間の溝を橋渡しする

みなさんお気づきではないかと思いますけれど、実はがん患者の数だけ問題はあるんです。

これらを解決しサポートするために、3つの支えが必要なのです。

「3つの支え」は、失敗から始まり、がん家族の気持ちを理解することへたどりついた

わりと早い段階で、セラピストを育むことを考えていました。きっかけはSNSです。がん家族がどんなことに困っていて、どんな風に無理をしているのかなどを発信していたら、実は自分も家族の看病をしていて共感しているというコメントを頂くようになりました。

ある日、共感のコメントの中に「いま私は北海道で、がんになった親の付き添いで病院にいますが不安でたまりません。いま酒井さんが側にいてくれたらと思います」というのをもらい、一人で活動をやっている場合ではない、この北海道にいるがん家族に支援が届くくらいにしなきゃダメなんだと思い、仲間を増やそうとしたんですが、失敗ばかり続きました。

がん家族の支援をやりたい人はいるんですが、何の知識もなくアドバイスをしたがるのです。

そういう行為は、がん家族から信頼どころか嫌がられてしまいます。

支援を行うには、がん家族が何を求めているのかを知ってもらい、先ずは悩みや愚痴を聞ける人が必要だと思ったので、2015年から行っていた、病院ボランティアでの活動と、相談活動をデータとして集めるようになり、約7年間のデータを元にセラピストの育成カリキュラムを作成し、2023年オンライン「がん家族セラピスト育成講座」をスタートしました。

次に着手したのが、支え合うことです。活動当初はなんとなく病院へがん患者さんやご家族へのリフレクソロジーのボランティアとして行っていましたが、データを集めている間にがん家族の感情はいつも100%で困ったり悩んだりしていないことがわかったのです。例えば、最初の日に相談に来られた時は、患者が亡くなってしまうんじゃないか、医師と上手くいかないことなどで怒りにも近い感情だったのが、次の機会にお会いすると気晴らしにコンサートに行って発散してきたなど話されているのです。つまり、がん家族の感情には波があり、その波の変化が激しいのだとわかりました。

なので、イラストが描けたり、ハンドトリートメントができるような様々な得意分野をボランティアとして発揮してもらえる場所を作り、気晴らしと相談の2つのセクションでがん家族がその日の感情のままに何をしたいかを選んで、気持ちがラクになれる場所(大阪府八尾市)を作ったのが「がん家族の保健室」です。

そして、数年前から強くやらなくてはいけないと思うようになったのが、広めることでした。SNSを通して、悩みを抱えているがん家族は全国にいるのに、どうしても必要な支援にたどり着いていないことに気づきました。だから今はがん家族支援の輪が全国に広まるようにPRすることに力を注いでいます。

がん家族にとって真の支えとなった「3つの支え」

正直、支援を得られたがん家族の全員が満足できているかと言えばそうではなく、弊社の取り組みはまだまだ発展途上だと思います。でも「がん家族の保健室」に来て下さったがん家族さんたちは、この場所があって良かったと言ってくださいます。

医師のことを信頼できないと泣いていたがん家族さんもいましたが、毎月、電話相談で話せる相手がいることに自分は一人じゃないんだと思えるようになったと言ってくださり、患者さんの最後にも笑って見送れたとお聞きしました。

それにがん家族を支えたいと、「がん家族セラピスト」を目指してくれた人が、たった1年で13名になりました。その中には看護師さんもいるんですよ!

本当に嬉しいです。

少しづつ、がん家族を支援する輪が広がっています。

がん家族支援の一般社団法人Mon amiは、これからもがん家族さんが、当たり前に支援を受けられる世の中をめざします。

【ご報告】

2024年 2大学にて講師、講演「家族と看護」「がん家族を学ぶ」

2024年 布施医師会主催の300名市民向けの講演・映画上映会

2024年 2023年にクラウドファンディングを達成。「がん家族と医師とのコミュニケーション」100名アンケート調査を行います。

Mon amiホームページ:https://www.monami47.com/


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