村上春樹「作家は日々、机に向かって正しい言葉を探し求めるのが仕事なんですが…」石川啄木の短歌に共感することとは?

2024年1月7日(日)20時0分 TOKYO FM+

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00〜19:55)。2023年12月31日(日)の放送は「村上RADIO〜いろんなお便りを読みながら大晦日〜」をオンエア。
今回は、リスナーの皆さんからいただいたメールを読んで、村上さんがお答えしていく特別回。仕事にまつわる質問から、プライベートにまつわるものまで幅広い質問に答え、大晦日にぴったりな楽曲とともに紹介しました。
この記事では、「今日の言葉」について語ったパートの内容を紹介します。

<クロージング曲>
Toots Thielemans「Adagio Assai From Concerto For Piano And Orchestra In G Major」
今日のクロージング音楽は、ジャズ・ハーモニカのトゥーツ・シールマンズが演奏する、モーリス・ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」の第二楽章、「アダージョ・アッサイ」です。あまり取り上げられることのない音楽ですが、ほっとする美しいメロディーです。村上RADIO、今年お届けする最後の曲になります。
今日の言葉は石川啄木さんの短歌です。歌集『一握の砂』に入っているものです。前にも一度『一握の砂』から歌を紹介したことがありますよね。うちの本棚にある、箱入りの古い本なんですが、ときどき引っ張り出してページを繰っています。
“人間のつかはぬ言葉
ひょっとして
われのみ知れるごとく思ふ日”
この気持ち僕にもわかります。作家は日々、机に向かって正しい言葉を探し求めるのが仕事なんですが、ひょっとして「人間のつかはぬ言葉」みたいなものが、ふと見つかるんじゃないかという幻想を抱いてしまうことが、ときとしてあります。誰も使わない言葉なんだけど、だからたぶん誰にも理解できないんだろうけど、僕の心の風景を完璧に表しているんだよな……というような言葉。見つかるといいですね。
それではまた来月、また来年。(ニャーオ)

番組では他にも、「作家さんとしてAIについてどう思いますか?」「どうやって的確で分かりやすい文章を書いていますか?」など仕事にまつわる質問から、「男女間のパートナーシップを良好に保つために、村上さんが心掛けていることは?」「村上さんは何もやる気が起きないときはどうしますか?」などプライベートにまつわる質問にも答えました。
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2023年12月31日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年1月8日(月・祝)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:村上RADIO〜いろんなお便りを読みながら大晦日〜
放送日時:12月31日(日)19:00〜19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

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