山崎元から息子への最期の手紙「28歳くらいで適応能力が衰えて35歳で評価が定まる。だから45歳で…」誰にもやってくる<キャリアプランニングの節目>の乗り越え方
2024年2月21日(水)12時30分 婦人公論.jp
山崎さん「かつてと今とで働き方は変わったが、人間は大きく変わっていない」(写真提供:Photo AC)
今年1月1日、経済評論家の山崎元さんが、食道がんで亡くなりました。楽天証券経済研究所客員研究員として、経済に関する情報発信に尽力されていた山崎さん。闘病中に息子さんを含めた若者へ向けて、「お金と人生、幸せについて大事なこと」を書き下ろしました。そのなかで山崎さんは、「かつてと今とで働き方は変わったが、人間は大きく変わっていない」と言っていて——。
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キャリアプランニングで意識する「28歳」、「35歳」、「45歳」
かつてと今とで、働き方は変わったが、人間の方は大きくは変わってはいない。
組織人を前提としたキャリアプランニングで意識すべき3つの年齢は今も案外変わっていない。
命令形で箇条書きにすると以下の通りだ。
・28歳までに、自分の「職」を決めよ
・35歳までに、自分の人材価値を確立せよ
・45歳から、セカンドキャリアについて準備せよ
28歳は、30代前半を活かすためのタイムリミット
ビジネスパーソンの能力上の全盛期はズバリ30代の前半だ。仕事を覚えていて、体力もあり、まだフレッシュな感覚が残っている。
組織人でもフリーランスでも、この時期には仕事のチャンスが多く、仕事の実績を作るのに適した時期だ。この時期を仕事を覚えてから迎えたい。
新しい仕事を覚えるには「集中的な努力で2年」と考えると、自分の「職」となる専門分野を決めるタイムリミットは30歳-2年=28歳だ。
また、28歳くらいから全く新しいことへの適応能力が目立って衰えることが多い。
就職後にも「職」選びに試行錯誤をしていいが、28歳くらいまでを目処と考えておきたい。
35歳で人材としての評価が定まる
30代になると、能力上も実績上も個人差が大きく開く。
そして、組織内でも、業界内でも、「この人物はできる(できない)」、「大物である(小物である)」といった個人の人材価値に対する評価が定まるのは、ほぼ35歳だ。
35歳までに人材としての価値を完成させることを意識したい(写真提供:Photo AC)
大組織の場合、出世などで目に見える差が付くのはもう少し後だが、人材評価は35歳くらいの時点でほぼ固まっている。
35歳までに人材としての価値を完成させることを意識したい。
45歳がキャリアの曲がり角
人生は、一つの組織や仕事に頼るにはいささか長い。会社や役所の「定年」は60歳、65歳かも知れないが、その先が長い。
そして、組織が用意してくれる機会は先細りでつまらないものが多い。
45歳くらいから、高齢期の働き方を見据えた「セカンドキャリア」の準備が必要だ。準備が遅れると、できることの範囲やスケールが小さくなる。
準備として必要なのは、仕事に必要な「能力」と、自分の仕事を買ってくれる「顧客」の2つだ。
いずれも獲得には時間が必要だ。準備は早くから始める方がいい。
※本稿は、『経済評論家の父から息子への手紙:お金と人生と幸せについて』(Gakken)の一部を再編集したものです。
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