坂口健太郎×渡辺謙『盤上の向日葵』主題歌はサザンオールスターズ! 楽曲入り特報解禁

2025年3月7日(金)16時10分 クランクイン!

坂口健太郎が主演、渡辺謙が共演する映画『盤上の向日葵』の主題歌が、サザンオールスターズの「暮れゆく街のふたり」に決定。同曲をフィーチャーした特報が解禁された。

 2018年本屋大賞第2位となった柚月裕子による同名小説を実写化する本作は、生きる意味を問いかけるヒューマンミステリー。

 とある山中で発見された身元不明の白骨死体。事件の唯一の手がかりは、死体とともに発見された高価な将棋の駒だ。その駒の謎を追う刑事たちは、とんでもない事実に突き当たる。この世に7組しか現存しないその貴重な駒の持ち主は、プロ将棋界に彗星(すいせい)のごとく現れ、一躍時の人として世間を騒がせている異色の若手棋士・上条桂介だったのだ。

 やがて上条をめぐる捜査線上には“賭け将棋”で圧倒的な実力を持ちながら裏社会に生きた男・東明重慶の存在が浮かび上がる。東明と上条のあいだにいったい何があったのか—。そして明らかになる上条桂介の壮絶な過去とは—?

 突如将棋界に現れた異色の天才棋士・上条桂介役には坂口健太郎。賭け将棋の世界で圧倒的な実力を持ち、上条桂介に大きな影響を与える男・東明重慶役を渡辺謙が務める。

 原作者の柚月は執筆にあたり「光と影」「人間の業」「人生を生き切る」という3つのテーマを根底に据えたという。2017年にこの小説に出会い、「人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマ」にほれ込み、原作者も絶賛する脚本を書き上げたのは熊澤尚人監督。

 本作の矢島孝プロデューサーは「切なさや哀しさ、愚かさも含め、必死に生きていく人間たちへの応援歌がほしい」とこの物語の主題歌をサザンオールスターズに依頼。3月19日にリリースされる最新アルバム『THANK YOU SO MUCH』に収録される楽曲の中で最も陰影が濃く、切なさに満ちた一曲「暮れゆく街のふたり」が主題歌に決定した。

 桑田佳祐がかつて読んだ小説にインスパイアされた、というドラマ性のある楽曲だ。主題歌を聴いた主演の坂口健太郎は、「将棋、家族との別れ、因縁、様々な物に翻弄され歩くしかなかった桂介の道を、切なく代弁してくれているような楽曲だと感じました。夏の暑い時期の撮影、夕暮れ時、向日葵畑の中で夕陽を見ている瞬間を思い出しました」とコメント。

 矢島プロデューサーは「切なさや哀しさ、愚かさも含め、必死に生きていく人間たちへの応援歌がほしい、とサザンオールスターズに依頼しました。この映画の風や空、季節など空気感も含めて、サザンがふさわしいと思いました。人間の情念を支える桑田さんの力強い声は、人間の生き様を描く映画の最後を締めくくり、違った形で映画を支えている楽曲だと思います」と言葉を寄せた。

 サザンの楽曲が映画の主題歌となるのはサザン47年の歴史の中で7作品目、2018年公開の『空飛ぶタイヤ』の主題歌「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」、同じく2018年公開の『ビブリア古書堂の事件手帖』の主題歌「北鎌倉の思い出」以来7年ぶりとなる。

 特報映像は、主人公、上条桂介と、彼に大きな影響を与える人物、東明重慶との出会いから始まる。町の将棋道場で出会った伝説の勝負師、東明は挑発するように「ぞくぞくするような真剣勝負だ」とささやく。か細く、頼りなさげな様子の桂介に、この後何が起きたのか—。雪の中を走る桂介の少年時代が印象的にインサートされ、やがてふたりは激高し、鬼気迫る表情でぶつかり合う。

 静かに語りかけるような桑田佳祐のボーカルが彼らの“出会ってしまった運命”の抗い難さ、切なさをうたいあげるなか、対峙するふたりの姿。射るような眼で静かに見つめる東明と「その真剣、乗ってやる」という熱く、まっすぐな眼差しで見つめ返す桂介。盤上の勝負を越えた先に見出す、光と闇の彼方にある真実とは—。深みのある桑田の歌と相まって、心震えるミステリーの展開に期待がふくらむ。

 「暮れゆく街のふたり」は離れがたい男と女の関係を歌っているが、師弟として、あるいは最大の敵になる「運命的に出会ってしまったふたり」にも通じる普遍的な想いにあふれている。桑田佳祐の音楽人生に大きな影響を与えたというエリック・クラプトンの名曲「愛しのレイラ」を彷彿とさせるバラードが、将棋の世界に生きる男たちの運命に寄り添っていく。

 映画『盤上の向日葵』は、10月31日より全国公開。

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