山崎貴監督との出会い 【平井理央 コラムNEWS箸休め】

2024年3月30日(土)9時0分 OVO[オーヴォ]

 近年は映画館に行く機会が、かなり減ってしまっています。大学生の頃は、お金と時間があれば映画館に足を運んでいました。とにかく映画が大好き。年間50回以上は映画館に通ったり、就職活動の際には趣味の欄に必ず映画鑑賞と書いたりしました。大学4年の時は好きが高じて、自主制作映画の脚本・監督を担当し、ショートフィルムを完成させました。今でも手元にDVDがありますが、恥ずかし過ぎて見られません。ちなみに映画のタイトルは「In between」。幼なじみの女の子に、淡い恋心を抱く女の子の〝ひと夏の想い出〟を9分にまとめています(笑)。

 時は経ち、産後に自分の時間というものがごそっとなくなり、映画の優先順位は落ちてしまいました。映画を見るにしても、配信をテレビで見ることがほとんどとなりました。
 そんな私が今、映画館でとても見たい1本が、米アカデミー賞の視覚効果賞をアジア映画として初受賞した「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」です。昨年11月公開の映画なのですが、東京ではリバイバル上映されていて、急ぎたいと思います。

 ゴジラ自体をすごく好きというわけではなく、監督の山崎貴さんが、私が大学生の時にレギュラー出演したテレビドラマ「動物のお医者さん」の7話と9話の監督を務めていたからです。もう20年以上前の話です。その2年後の日本アカデミー賞で山崎さんの「ALWAYS 三丁目の夕日」は12部門も受賞しました。

 新人アナウンサー当時、番組でご一緒したこともあったのですが、あまりにおこがましくて「ドラマでご一緒させていただいた」とも言えなかったのを覚えています。栄えある受賞にあやかって、急に「昔、撮ってもらったんです」と言い出す人が増えて困るのではないか、本人は覚えていないのではないか・・・。そんなことをぐるぐる考えて、当時は口をつぐんでしまったのですが、年齢を重ねる良さでしょうか、「撮ってもらったんです」を言いたくなってしまい、こうして今、原稿にしたためています。

 願わくば、娘と一緒に映画館に行き、帰り道に「ママ、この監督さんに撮ってもらったことあるのよ」と言いたいところなのですが、ハリーポッターシリーズをも「怖いから見たくない」という娘なので、「ゴジラ-1.0」は絶対一緒に行ってくれないですね。

 改めまして山崎監督、このたびの受賞、本当におめでとうございます!!

【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 13からの転載】



平井理央(ひらい・りお)/1982年東京生まれ。2005年、慶應義塾大学法学部卒業後、フジテレビ入社。スポーツニュース番組「すぽると!」のキャスターを務め、オリンピックをはじめ国際大会の現地中継などに携わる。13年フリーに転身。ニュースキャスター、スポーツジャーナリスト、女優、ラジオパーソナリティー、司会者、エッセイスト、フォトグラファーとして活動中。

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