「安定を選んでいたら役者という道はない」毎熊克哉、視聴者を虜にする俳優としての“原点”

2024年4月10日(水)22時0分 週刊女性PRIME

毎熊克哉(撮影/吉岡竜紀)

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「帰るのかよ」

 大河ドラマ『光る君へ』で散楽の一員であり、義賊だった直秀を好演した毎熊克哉。まひろ(吉高由里子)を陰ながら支えるナイスガイによる先のセリフなどに、女性視聴者たちはときめきまくり!

女性のキュンキュンポイントはわからない



「主人公たちふたり(吉高由里子、藤原道長役・柄本佑)にすごく影響を与えるキャラクターだったので熟考して挑みましたが、それとはまた別のところで話題にしていただけるとは……正直、想定外でした。女性のキュンキュンポイントはわからないものだなという気がしましたし、もし狙ってやっていたらドン引きされていたと思います(笑)」

 切ない死によって物語を去ったことで“直秀ロス”に陥る人が続出。そんな中、スタートしたばかりの新ドラマ『好きなオトコと別れたい』で新たな“心ときめかせる男”に。

 演じているのは、アラサー会社員・郁子(堀田茜)が別れたいのに、どうしても別れられない“ダメ男”黒川浩次。定職につかず郁子の家に居候しているが、愛嬌があって、どんな人からも好かれる。何より郁子に抜群に優しい。

「自分自身とは似てないとは思うんですけど……。あんなにイイヤツじゃない、というか(笑)。言い方を変えるなら、浩次はめちゃくちゃ甘え上手。僕は甘えるのが苦手なほうなので」

仕事でイライラしたり、人生に焦ったりする郁子の心身を、浩次は温かな毛布のように包み込む。

「今作は役割として、キュンとさせることが絶対条件としてあって。“自分で大丈夫か?”と思いましたが、そこを意識しすぎると、ほかの大切なことが抜け落ちてしまうと思ったので、なるべく意識せずに。そして浩次は、いい人すぎてミステリアスという部分もあって」

 だらしないヤサ男かと思いきや、浩次には郁子にも明かしていない過去が。

「どんなに優しくていい人でも、愚痴のひとつやふたつ、言ってくれたほうがわかりやすいと思うんです。物語が進む中で、浩次の人物像や心につっかえているものが見えてきます。小さな愛情や幸せを大事にする、本当にハートフルな作品なので、ぜひ楽しんで見てもらえたらうれしいです」



仕事はないし家族には心配されるし



 優しくて、誰より自分をわかってくれている浩次。でも、世間体や将来を考えたら別の男性と付き合うべき?

 郁子のように、好きと安定のはざまで揺れた経験を尋ねると、

「やっぱり俳優活動ですね。安定を選んでいたら、役者という道はないので。安定って、作られたラインの上で生きることのような気がして。もちろん、お金がないと生きてはいけないけど、限りある人生。究極、お金をなんとなく稼いで年を取っていくか、やりたいことをやり続けるか。すごく迷って、選んだのが後者でした」

 小さいころから映画好き。高校卒業後は映画監督を目指して専門学校へ。しかし、意図がうまく伝わらないもどかしさから、自分で演じようと俳優に。

「ただ、いつまでたっても仕事はないし、家族にも心配されるし。“やっぱり安定した職業についたほうがいいのかな”とすごく考えたことはあります」

 '16年公開の『ケンとカズ』で賞に輝いたことが、躍進のきっかけ。専門学校の同期生による初メガホン作だった。

「ただ、そのときもまだバイトはしていました」

 '18年の朝ドラ『まんぷく』の塩軍団・森本役でお茶の間の知名度アップ。現在は言わずもがな、あちこちの作品で引っ張りだこだ。



残すところ3年40代への展望

 3月に37歳を迎えている。

「30代はあと3年しかない。思い返すと、20代は自主映画をやって。30代からはドラマなど、いろんなことをさせてもらって。無心でやってきた感じはありますね。もうすぐ迎える40代は、30代と同じことをやっていても仕方がないと思うし、年々、人生の短さも感じてきているので(笑)。年を取ったらできなくなる役もいっぱいあると思いますし。改めて、自分は何をしたいのか? いろんなことをもっと考えながら行動できる40代をと思っています」

直秀と浩次、どっち寄り?

『光る君へ』で演じた直秀と、今作の“ダメ男”浩次。どっちが素の自分に近い?

「うーん。どっちだろうな? 散楽の仲間といるときの直秀は意外と近いかもしれません。でもみなさんが抱く、屋根の上にいたりするような直秀は違うかな。それよりは、浩次のほうが近いかもしれません。こうやって、ヘラヘラしていますし(笑)」



ヘアメイク/anna(M-rep)スタイリング/カワサキタカフミ

週刊女性PRIME

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