草なぎ剛×金澤翔子「翔子ちゃんの手紙を今でも大切に持ってるよ」「草なぎさんはお父さんに似てます。大好きです!」

2024年5月14日(火)12時0分 婦人公論.jp


映画『碁盤斬り』がきっかけで初対面した金澤翔子さん(左)と主演の草なぎ剛さん(右)(撮影◎本社 奥西義和)

草なぎ剛の主演による映画「碁盤斬り」がいよいよ上映間近となった。
草なぎが演じるのは、落ちぶれても武士の誇りを捨てず、実直に生きる柳田格之進。囲碁にもその人柄が表れており、常に正々堂々と嘘偽りない勝負を心がけている。実は格之進は、過去にいわれのない嫌疑をかけられて彦根藩を追われ、亡き妻の忘れ形見の娘とともに貧乏長屋暮らしを強いられていたのであった。娘のために、命をかけた仇討ちを誓う格之進。その復讐劇の顛末は…?
監督は、時代劇初挑戦となる気鋭の白石和彌。古典落語をベースにしたオリジナル脚本は加藤正人。そして、オープニングタイトルの「碁盤斬り」という文字を描いたのは、ダウン症というハンデをもちながらも数々の作品を生み出し、天才書家として知られる金澤翔子。金澤は、以前から草なぎ剛の大ファンだったという。
この日が初対面となった二人。先に待っていた金澤のもとに、草なぎが駆け寄ると———。
( 構成◎吉田明美 撮影◎本社 奥西義和 )

* * * * * * *

初めましてみたいな気がしないね


金澤 わーーーー。草なぎさんだーーー。(抱きつく)

草なぎ 翔子ちゃん! 翔子ちゃんだ!! 初めましてなんだよね。
今日はよく来てくれたね。来てくれて、ありがとうね。

金澤 会いたかったです。会いたかった!
とっても大好きだから。うれしい。

草なぎ 初めましてみたいな気がしないねー。
これまで中居くんの「金スマ」やドキュメンタリーを見て画面ごしに会ってたからかな。そして、なによりの思い出は、翔子ちゃんは、前にぼくに手紙をくれたんだよね。
ぼくがちょっと失敗をしちゃって落ち込んでいたときに、「元気出してがんばってね」って、あの翔子ちゃんの力強い文字で書いてくれたんだよ。
覚えてるかなあ?

金澤 はい! 覚えてます! あれは、草なぎさんに元気になってほしくて、一生懸命書いたから。

草なぎ うん、その気持ち、通じたよ。とっても励みになったもの。今でももちろん、大切に持ってるよ。
今日、持ってくればよかったなぁ。

金澤 うれしい! 今度持ってきてください。そしたらまた会える!(笑)


(撮影◎本社 奥西義和)

人の心を揺さぶるようなパワーがある文字


草なぎ 翔子ちゃんの文字って、本当に人の心を揺さぶるようなパワーがあるよね。
僕も真似して書いてみようと思ったんだけど、あのかすれみたいなのができないし、力強さも出なかったよ。

金澤 いつも一生懸命書いてるから。
書く前に、いつも手を合わせてお父様にお祈りするの。
お父様、翔子を守ってくださいって。そしたらお父様が降りてきて守ってくれます。

草なぎ だから翔子ちゃんの文字は、みんなを元気にできるんだね。
今回の映画のオープニング、僕はとっても気に入っているんだけど、
囲碁の碁盤をバックに、「碁盤斬り」っていう文字が真ん中に出てくる。
あれを翔子ちゃんが書いてくれたんだよね。

金澤 そう。心をこめて書きました。

草なぎ この映画の世界観を表してるよね。翔子ちゃん! ぴったりだよ!
グー!

金澤 じゃあ、握手してください(笑)

草なぎ するする。何度でもしちゃうよ!(笑)
かわいい翔子ちゃん! 映画は見てくれたんだっけ?

かっこよかった!


金澤 試写でお母様と観ました。草なぎさん、かっこよかった!

草なぎ でしょ? 僕、まじでかっこよかったよね。(笑)
今回、自分でもかっこいいと思っちゃったんだよね。

けっこう唐笠も似合うな〜と。
これまでの映画の中で、現代劇も含めて一番かっこいいような気がする。

僕、もしかしたら、生まれる時代、間違っちゃったかも。(笑)
江戸時代だったらかなりもてたと思うんだよね。


格之進役の草なぎさん(右)と、半蔵松葉の大女将・お庚役の小泉今日子さん

金澤 今でもかっこいい。

草なぎ ありがとう!
今回、時代劇の新境地を開いちゃったというか、気持ちよかったんだよね。
もちろん、とっても大変だったよ。テレビドラマは、毎週、オンエアするから、ある時間まで撮っていたらそこで終わるけれど、映画は監督さんが納得するまで撮り続けるんだよね。だから終わりがない。朝まで撮ってたことも何度もあった。

金澤 大変だった?
疲れた?

草なぎ うん、そうだね。もう無我夢中だったね。

僕からしてみれば、同じシーンを何度も何度も撮り直ししているのが、なぜなのかわからなくて、もういいじゃんと思ったりしたこともあったんだけど、白石監督から話を聞いてみると、光のあたりかたとかゆらぎとか、風がふいた雰囲気とか、微妙な角度とか、彼なりの確固たる理由があるわけ。まさに職人なんだよね。もう毎回、勝負だよ。   

白石さんとは初めての仕事だったんだけど、同い年だということがわかって、とっても親しみがわいて、いい関係ができていたよ。彼が映画作りにとことんこだわる人だということもよくわかった。


(撮影◎本社 奥西義和)

最初のが一番いいときもある


金澤 白石監督が私に字を書いてくださいって言ってくれたんです。

草なぎ ああ、そうなんだ。
きっと翔子ちゃんの文字の世界観が、監督にぴったりきたんだろうね。
本当にぴったりだったよね。
タイトルの文字以外にも、劇中文字の「江戸吉原」の文字や映画の中に出てくる文字なんかも、書いてくれたんだよね。
※題字と劇中文字(場面転換の3つの文字)を制作

あれは、何度も練習して書いたの?


オープニングタイトルの「碁盤斬り」

金澤 あまり練習しない。
最初のが一番いいときもあるから。
5枚ぐらいかな。

草なぎ それはすごい!
今回の映画は、江戸時代のお話で、柳田格之進は囲碁の名手なんだけど、その碁石も江戸時代に実際使われていたもので、今の石と違って平べったいんだよ。そんなところにも監督は徹底してこだわってた。
で、僕はその石をかっこよく碁盤に置けるように、何度も何度も練習したんだよ。指先にまで神経を使って、あるときは淡々と、あるときは激しく…。碁石の置き方ひとつで、その場の気持ちを表すからとても気を遣った。
公開されたら、そんなところも見てもらえるとうれしいなあ。


金澤 私も京都、一緒に行きたかった。

草なぎ そうだね、一緒に行ければよかったね。
翔子ちゃんも、京都には年に何度もでかけてるんだもんね。

金澤 そう。お寺で書くの。

緊張しないの?


草なぎ 翔子ちゃんは、みんなの前で揮毫っていうの? あの大きな作品を書き上げる時、緊張しないの?

金澤 しない。お父様が守ってくれるから。

草なぎ そうか。じゃあ、僕と一緒だね。僕も緊張しないから。
お互いに好きなことをやってるのは、楽しいよね。
翔子ちゃんはいつから書道をやってるんだっけ?

金澤 5歳から。でも初めて個展をしたのは20歳。

草なぎ で、今、いくつなんだっけ?
えーと…え? もうすぐ39歳? 
書家としてすごいキャリアだね。
見えないなあ。若いよ、翔子ちゃん。
今日の赤いお洋服もとっても素敵。

金澤 お母様とお揃いのお洋服なの。

草なぎ いいね!とっても似合ってるよ。
いやあ、お互いに大きくなっちゃったねえ〜。(笑)

今回、僕は清原果耶ちゃん演じる「お絹」っていう娘がいる役だったんだけど、いつの間にか違和感がなくなってるもんね。
翔子ちゃんはずっとSMAPのファンでいてくれたんだよね。


娘のお絹を清原果耶さんが演じた

金澤 剛くんのファン。

草なぎ うれしいなあ。中居くんの番組でも、僕のファンだって言ってくれてたもんね。僕のどういうところが好きでファンになってくれたのかな?

金澤 お父様に似てるところ。

草なぎ え? ほんと?

金澤 ほんとです! お父様は剛くんと顔が似てる。
お父様もかっこいい。

僕の大好物、聞きたい?


草なぎ そうかあ。それは光栄だなあ。
翔子ちゃんが次京都に行くのはいつ?

金澤 来年の5月も大きな展覧会を開くから行く。

草なぎ ほんと? じゃあ、その展覧会、見に行くよ。

金澤 うれしい。約束してください。じゃあ、指切りげんまん! (笑)

草なぎ はい、指切りげんまん!

京都って本当にいいよね。落ち着くもん。
でも、去年の撮影のときもかなり人が多かった。今年はもっと観光客が増えてるんだろうね。
今回は、大好きな京都に1ヵ月以上いたのに、撮影後の食事はほとんどホテルのルームサービスですませちゃったんだけど…。
僕の大好物、聞きたい?

金澤 聞きたい聞きたい!

草なぎ ピザのクワトロフォルマッジ!
大好きなんだよ、これが! この撮影が終わったら、部屋に戻ってクワトロフォルマッジを食べるぞ!と思うと、元気が沸いてくる。

金澤 ピザ…! 作れると思う。作ってあげたい…。

草なぎ え? 翔子ちゃん、お料理するの?

金澤 お料理、大好きです! 書道がなかったら料理人になってた。

草なぎ そうなんだ〜〜。得意料理は?

金澤 タンドリーチキン!
剛くんに食べてもらいたい。ピザも食べてもらいたい。
フレンチトーストも作ってあげたい!

草なぎ いいねえ。作ってほしいよ。

囲碁を知らない人でも楽しめる映画


金澤 本当? また指切りげんまんしてください。(笑)

草なぎ はい。指切りげんまん!

今回の映画は武士の復讐劇がベースになっているんだけど、もともとは落語がもとになっている復讐劇なので、とってもわかりやすいんだ。
京都で毎日無心で演じてるうちにいつの間にか柳田格之進が僕の中に乗り移ってきたような気がしているんだけど、無心でやってたものが今回1本の映画になって、すごくほっとしている。

翔子ちゃんは囲碁、わかるかな?

金澤 わかんない…。

草なぎ じゃあ、僕と同じだ。僕もまったくわからないまま。(笑)

でも、この映画は、囲碁をまったく知らない人でもちゃんと楽しめるエンターテインメントになってるので、たくさんの人にぜひ見てほしい。

登場人物はみんな個性的。みどころも満載で、清原果耶さんの他に、 中川大志さん、奥野瑛太さん、音尾琢真さん、市村正親さん、斎藤工さん、小泉今日子さん、國村隼さんなどなど、ベテランと若手が一体となって闘って創り上げた自信作になっています。

僕は映画の中で闘っていたけれど、きっと翔子ちゃんも文字で一緒に戦ってくれたんだね。本当にありがとうね。


(撮影◎本社 奥西義和)

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