松坂桃李、俳優人生10年間を振り返る「受けた恩を一つずつ丁寧に返していきたい」|第10回TAMA映画賞
2018年11月17日(土)21時22分 映画ランドNEWS
国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第10回TAMA映画賞」授賞式が17日、都内・パルテノン多摩にて行われ、最優秀男優賞を受賞した松坂桃李が出席した。
同賞の10周年、自身のこれまでの俳優人生10年を振り返る松坂。「初めてドラマが決まった時はチーフマネージャーに『バーターだから』と言われて…バーターというのは…」と説明を踏まえながら、自身の俳優人生のスタートを語る。
続けて、「2年目になり『今年が勝負だ!』『結果を出さなければ終わりです』と。3年目も『結果を出さなければ…本当にお終いです』と。二人三脚でやってきたチーフマネージャーに言われて、おかげさまでメンタルが強くなりました(笑)」と笑みをこぼす。
これまでの活躍はチーフマネージャーのおかげだと感謝し、「数々の作品に出させていただき、素敵な共演者や監督スタッフと出会い、本当に素敵な時間を過ごさせていただきました。感謝してもしきれないです。色々な人に支えられて、今の自分がいる。30歳以降からは、受けた恩を一つずつ丁寧に返していきたいと思います」と真摯に語った。
スピーチでは他にも、『孤狼の血』で共演した役所広司から継いだ、劇中に登場するライターを披露してくれた。
第10回TAMA映画賞・各賞受賞理由
【最優秀作品賞】
『万引き家族』:人は寄り添わなければ生きていけない。この作品は家族という集合体がどのような結びつきなのか、観客に問いかけ、胸に迫る。
『寝ても覚めても』:「人は人のどこに惹かれ、愛する気持ちが生まれるのか」。理性の影に潜む愛の奥深さを炙り出し、観客に味わわせた。
【特別賞】
沖田修一監督及び山﨑努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同(『モリのいる場所』):熊谷守一夫妻の労わりあう姿や多様な生き物たちが生息するモリの佇まいが、ほっこりとした感動をもたらしてくれた。
上田慎一郎監督及びスタッフ・キャスト一同(『カメラを止めるな!』):めくるめく仕掛けによる映画の楽しさと手作り感溢れる疾走感が観客に感染し、多くの人を巻き込むムーヴメントを起こしている。
【最優秀男優賞】
東出昌大:二役を演じた『寝ても覚めても』をはじめ、静から動まで役柄を幅広く演じ、躍動的でありながら温もりをも感じさせた。
松坂桃李:作品ごとにまったく異なる境遇に生きる若者の姿をほとばしる情熱で息衝かせた迫真の演技は、観客を魅了した。
【最優秀女優賞】
安藤サクラ:これまで生きてきた時間が体温ごと伝わってくるような迫真の演技は、観終わった後の観客の心に確かな実在感を残した。(『万引き家族』)
松岡茉優:こじらせ型のヒロインに血を通わせ、強いシンパシーと共に観客の心をふるわせるバイタリティに圧倒させられた。(『勝手にふるえてろ』)
【最優秀新進監督賞】
今泉力哉監督:ままならない人生を自分の足で歩いていく人たちの姿が清々しく、平凡な日常にも存在する美しさや尊さに気付かせてくれる。(『パンとバスと2度目のハツコイ』)
三宅唱監督:いつか終わってしまう青春を抱きしめるような3人のやりとりは愛おしく、音楽に身をまかせ夜を越えていく様は幸福感に溢れている。(『きみの鳥はうたえる』)
【最優秀新進男優賞】
吉村界人:『モリのいる場所』では小さくも豊かな出来事に好奇心を募らせていく様を表現し、その世界に心惹かれる体験を観客と共有した。
吉沢亮:多彩な表情で心の奥に闇を抱えた役から相手を包み込む優しさをもつ役まで幅広く演じ、その奥深い眼差しは観る者を虜にした。
【最優秀新進女優賞】
深川麻衣:淡々とした日々の生活のなか、孤独に包まれ佇んでいる様に表情・しぐさ・声色で繊細な表現を加え、作品に温もりを与えた。
伊藤沙莉:周りの俳優と化学反応を起こしながら自在に作品に溶け込み、「伊藤沙莉」ならではのキャラクター造形で作品に奥行きを与えた。
第28回TAMA CINEMA FORUMは11月17日(土)〜11月25日(日)にわたって開催(19日(月)は休映)
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