東日本大震災で被災した小学1年生の話に、涙が止まらなかった―在日中国人

2024年3月12日(火)17時0分 Record China

華字メディアの日本華僑報は11日、東日本大震災から13年に際した在日中国人の手記を掲載した。

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華字メディアの日本華僑報は11日、東日本大震災から13年に際した在日中国人の手記を掲載した。



手記の筆者は東日本大震災で震度5弱を経験したという。5歳と1歳の子ども2人がいたため恐怖を感じたが、実際の被害は大きくなくかったそうだ。この筆者は「私も子どもたちも幸せだが、それは震災によって何も奪われなかったからだ」とする一方で、「深刻な被害のあった被災地で暮らす人たちはそうではないだろう」とし、津波で両親を亡くした及川晴翔さんに言及した。



及川さんは小学1年生の時に被災し、2歳年上の兄や祖父母と共に避難したものの、両親はその後遺体で発見された。手記の筆者は「東日本大震災は彼の両親を一瞬にして奪い、普通の生活も幸せも奪ってしまった」とおもんぱかった。



また、及川さんの祖父も避難所で亡くなったこと、及川さんが成長過程でたびたび両親がいなくなったことを実感したこと、祖母が及川さんと兄をわが子のように育ててくれたこと、大学生になった及川さんが手土産を持って祖母の家を尋ねた際、祖母が泣きながら両親の墓前に手土産を供えているのを見て祖母のつらさに気付いたことなどを説明した。



その上で、「私の息子も今年の冬に20歳を迎える。新聞で及川さんの体験談を読みながら、なぜか涙が止まらなかった。及川さんと兄、そして祖母の経験を知り、自然と自分の子どもや家族のことを考えた。もし自分だったら。そう考えると、身を切られるような痛みを感じた」とつづった。



手記の筆者は「人間性だけで流れる涙もある。同情するのも共感しているからだ。地球で暮らす一人として、命の素晴らしさを享受することができると同時に、時には自然災害や病気、戦争がもたらす不幸に直面することもある。そのさまざまな不幸を逃れられる特殊な理由はない。だから、人の痛みを見て涙が出るのは、私たちも痛みを感じたことがあるからなのだ」とし、「他人に同情するのは実は自分に同情すること。そして、他人を恨むのはある意味で自分に恨みを植え付けること。私たち普通の人は、自然災害や病気、戦争の前ではみんな無力だ。だから、せめて私たちは、人としての哀れみを互いに心に抱くべきだと思うのだ」と結んだ。(翻訳・編集/北田)

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