小売チェーン経営者「従業員全員に海外旅行プレゼント」で称賛と羨望の嵐―中国

2024年4月9日(火)19時0分 Record China

小売店チェーンを運営する胖東来商貿集団の于東来会長が、会社が費用を負担して従業員全員を年内に海外旅行に行かせると発表したことで、中国のネットでは同氏を称賛し、同社の従業員を羨望する書き込みが相次いだ。

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河南省で百貨店や家電量販店、スーパーを展開する胖東来商貿集団の創業者である于東来董事長(会長)がこのほど、会社が費用を負担して従業員全員を年内に海外旅行に行かせると発表したことで、中国のネットでは同氏を称賛し、同社の従業員を羨望(せんぼう)する書き込みが相次いだ。毎日経済新聞などの中国メディアが伝えた。



胖東来商貿集団は1995年の創業で、本社は河南省許昌市にある。于董事長は従業員を優遇する経営で知られ、例えば2000年には従業員持株制度を導入し、自らの保留分はわずか10%とされる。また、最近では3月26日に年間10日間の「不機嫌休暇」の導入を発表したことも話題になった。



「不機嫌休暇」とは、「働きたい気にならなければ休暇を取ってよい」という制度で、于董事長は、関連する上司が休暇を認めなければ上司側を規則違反として扱うと明言した。于氏は同制度について「嫌なことは誰にでもある。それが人情だ。しかし面白いことに、わが社にこの『不機嫌休暇』があれば、逆にうれしいと感じる人が多くなる。というのは、会社が仕事と生活のバランスを取ることを理解し支持していると感じられるからだ」と説明した。



「年内海外旅行」については、4月5日の経営陣会議で発表し、さらにその動画を公開した。まず経営陣には欧州旅行をさせ、従業員には日本とシンガポールへの旅行をさせるという。于氏は経営陣の欧州旅行の費用については明言しなかったが、従業員の日本とシンガポールの旅行については会社側が費用を負担すると表明した。



于董事長は従業員に海外旅行を「プレゼント」する理由についいて「この世界がどのようなものか、自分の(日常的な)範囲を超えて見てもらいたい。『井の中の蛙』のような状態で人生を展開するのではなく、世界の屋根の上に立って世界を見て、自分を見てほしい」と説明した。インターネットでは胖東来商貿集団の従業員をうらやみ、于氏を称賛する書き込みが相次いだ。[]



胖東来商貿集団は従業員重視だけでなく、顧客に対するきめ細かいサービスでも評価されている。例えばスーパーの店内には、さまざまな状況の人に対応できるように、7種類のショッピングカートを置いている。店員は高齢者や妊娠した女性を見かけると自発的に、カートを押すことを引き受けるという。また、商品棚には高齢者など視力が弱い人が細かい文字の商品表示を読みやすいように、虫眼鏡や老眼鏡が設置されている。そのため胖東来商貿集団は他社では再現できない経営をしているとして、于董事長を「小売業の神」と称える声も出ている。(翻訳・編集/如月隼人)

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