フーシの弾道ミサイルがイスラエルに着弾、16人が負傷…システム欠陥で迎撃失敗か
2024年12月23日(月)10時17分 読売新聞
21日、イスラエルのテルアビブで、フーシが発射したとされるミサイルが着弾した現場で活動するイスラエルの救急隊員ら=ロイター
【エルサレム=福島利之】中東イエメンの反政府勢力フーシは21日、イスラエルに向けて弾道ミサイルを発射した。ミサイルはイスラエル中部テルアビブに着弾し、16人が負傷した。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は22日、フーシを「国際秩序への脅威」と非難する声明を出し、攻勢を強める方針を示した。
イスラエル軍によると、弾道ミサイル迎撃システム「アロー」の技術的な欠陥で迎撃に失敗したという。ネタニヤフ氏は、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する攻撃などを念頭に「イランの手先に対する攻撃と同様に、フーシに対して力強く攻撃するであろう」と予告した。ネタニヤフ氏は「我々は単独で行動しているわけでない」とも述べ、米国などとの連携を強調した。
イスラエル軍は19日、イエメンのフーシの拠点を空爆し、9人が死亡した。米中央軍によると、米軍も21日にイエメンの首都サヌアのフーシ司令部やミサイル貯蔵庫を空爆した。紅海などでの米軍艦や商用船に対するフーシの攻撃を止めるのが狙いとしている。
パレスチナ自治区ガザで昨年10月に戦闘が始まって以降、フーシは200発以上のミサイルをイスラエルに撃ち込んだ。フーシの報道官は22日、「ガザに対する攻撃が止まるまでパレスチナ人を支援し続ける」との声明を出した。