「チームラボボーダレス」いよいよ復活、見どころを一挙紹介!

2024年2月5日(月)16時0分 マイナビニュース

東京・港区にオープンしたばかりの複合施設「麻布台ヒルズ」に、あの森ビル デジタルアート ミュージアム「エプソン チームラボボーダレス」が2月9日にオープンします。前回に続き、プロジェクター機器を手がけるエプソン販売がプロジェクションパートナーとして協賛。メディア内覧会にて、同社の鈴村文徳社長は「たくさんの人々に感動をもたらす、規模の大きなデジタルアートミュージアムがついにオープンします」と笑顔を見せました。
黒の表現力が評価され、540台ものエプソン製プロジェクターを採用
『チームラボボーダレス』は、アート集団・チームラボが手がける、幻想的なアート作品群が楽しめる常設のミュージアムです。東京・お台場で2018年6月から2022年8月まで開館して大好評を博しましたが、今回、麻布台ヒルズに移転となりました。
営業時間は10時から21時まで(最終入館は閉館の1時間前)。チケット料金は「大人」(18歳以上)は3,800円ですが、現地で購入の場合は+200円の追加料金がかかります。館内は写真・動画も撮影でき、SNSにも投稿可能ですが、三脚を使った撮影やフラッシュ撮影などは禁止されています。
内覧会の関係者挨拶で、チームラボ 代表取締役の猪子寿之氏は「世界は境界がなく連続しているにもかかわらず、人の認知上は分断しています。たとえば、レンズを通して見ると、自分の身体が存在している世界、そして目で見て認識している世界は分断されているんですね。その“境界線”に昔から興味がありました」と語り始めます。チームラボを設立した2001年ごろから「人間はこの世界をどう認識しているか」「認識と身体がどのように関わるのか」について考えるようになった、と猪子氏。
館内では、約560台のエプソン製プロジェクターと約540台のエプソン製パソコンを使って、幻想的な世界を演出しています。これについては「世界的にも類を見ない、新しい空間を実現できました。エプソンさんには大変感謝しています」としつつ、その導入背景については「実は、さまざまなメーカーのプロジェクターを使って比較検討をしました。通常、大量のプロジェクターを使うと、どうしても空間が明るく白っちゃけてしまいます。でもエプソン製のプロジェクターは繊細な色彩表現ができるだけでなく、特に暗いところの“黒”の表現で圧倒的な表現力がありました」と説明。最後は「このミュージアムが世界を隔てている境界線や枠組みをなくし、人が日々感じている価値観の溝を埋めることに少しでも貢献できたらと思います」と話しました。
エプソン販売の鈴村文徳社長は「私たちのグループでは、パーパスとして『省・小・精』から生み出す価値で人と地球を豊かに彩る、を掲げています。今回も、チームラボのみなさんと素晴らしいパートナーシップを結び、人々の暮らしを豊かに彩ることができるような、そんな取り組みができたのではないかと自負しています」と挨拶。そして「本来、地球には境界線など存在しません。いま、この時代に『ボーダーレス』というテーマはきわめて重要で、そんなことにも考えが及ぶようなミュージアムになったら嬉しいです」と話しました。
趣向が凝らされた美しい表現にうっとり、気づきにくい抜け道も!
筆者も、わずかな時間ながら作品を鑑賞してきたので、その様子をここで紹介しましょう。
いくつもの部屋に枝分かれしている館内において、最初に訪れる大きな空間にあるのが『人々のための岩に憑依する滝:Universe of Water Particles on a Rock where People Gather』です。写真では分かりづらいのですが、瀑布が岩に当たり、水が勢いよくこちら側に流れています。
鮮やかな滝の流れは見ているだけで心が洗われるようですが、驚くのは、足元に迫った川の流れが人を避けていくこと。ミュージアムでは、このように人の存在が絵に影響するところも大きなポイントになっています。また、壁と床の境目はとても曖昧(ボーダレス)で、来館者が絵の中をさまよい歩く、そんなシーンがあちこちで見られます。
通路に出ると、鳥獣戯画に出てきそうなカエルとウサギが牛車をひいて歩く場面に出くわしました。別の場所では、祭り囃子で陽気に踊る村人たち。その空を白いカラスの大群が気持ちよさそうに飛んでいきます。館内は時々刻々と変化するアニメーションにあふれており「同じ場面には二度と遭遇しない」(関係者)とのこと。この動き回るアニメは、ほかの展示作品のなかにも遠慮なく紛れ込んでいきます。
境界のないアートによる「地図のないミュージアム」ということで、館内マップは用意していません。照明が暗いこともあり、どこを歩いているか分からなくなることでしょう。そして、あちらこちらに「あれ、もしかしてココから入れるかも?」という抜け道があり、その先にスペシャルな小部屋が用意されています。
そんなスペシャルな小部屋の1つ『Bubble Universe:実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光』は、今回の麻布台ヒルズにおけるミュージアム開館に合わせて披露される新作とのこと。天井から吊るされた無数の光のシャボン玉が輝く仕掛けで、その美しさにはウットリします。歩いていると平衡感覚が失われるような感覚もあり、夢うつつの世界を漂う気分が味わえました。遊びに来たら、ぜひこの部屋を探してみてください。
あちらこちらに箱が浮かんでいるような、神秘的な空間の『Black Waves - 闇から生まれ闇に帰る / Black Waves - Born in the Darkness, Return to the Darkness』。筆者がこの部屋を訪れたとき、ディスプレイには滝のアニメーションとそこに流れる真っ赤な花びらが映し出され、とても印象的でした。ほかの展示と同様、この部屋も時々刻々と表情が変化していきます。
さらに別の小部屋を見つけ、少し丘を上ると、そこには『地形の記憶 / Memory of Topography』が広がっていました。悠久の里山の景色を描いたものだそう。季節が移ろいゆくにしたがって棚田、ホタル、サルスベリ、綿毛と鮮やかな表現で目を楽しませてくれます。
子どもが描いた絵が海のなかを泳ぎ回る、ちょっとほっこりする展示もありました。『世界とつながったお絵かき水族館 / Sketch Aquarium: Connected World』では、クレヨンで色を塗った魚に命が吹き込まれ、巨大な水族館を泳ぎだします。泳いでいる魚は、手で触れることもできる仕掛けです。
美しい演出が施された飲み物も楽しめる!
少し歩き疲れたなと思っていたところ、偶然にも「EN TEA HOUSE 幻花亭」を見つけました。カウンターでメニューを選ぶと、薄暗いカウンターに通されます。給仕のスタッフが透明のボウルにお茶を注ぐと、そこにも可愛らしい花が咲きました。
小さな蕾がやがて大きく成長し、色とりどりの花をつけ、という様子をひとしきり楽しんだのちにボウルの緑茶をいただくと、なんと、花びらが散っていくアニメーションが。残りのお茶の量にしたがって、花びらも少なくなっていく心憎い演出でした。
このほかにも、まだ紹介しきれないほどの展示があります。そして、たとえ同じ展示でも、時間が経つとアニメーションや色合いなどの魅せ方が変わります。したがって、できれば1時間半〜2時間くらいの余裕をもって入館して、時間をたっぷり使って館内を周るとよいでしょう。
本展にはミュージアムショップはないものの、『お絵かき水族館』で描いた魚をあしらったオリジナル缶バッジ、タオル、Tシャツを購入することができます。同じガーデンプラザBのB1階にあるスケッチファクトリーにて、エプソンのプリンターで出力してもらえる趣向です。当館を訪れた良い思い出になりそうですね。
近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら

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