ソフトバンク、モバイル売上高が増収反転‐宮川社長「長いトンネルから抜け出せた」

2024年2月7日(水)18時40分 マイナビニュース

ソフトバンクが2月7日に発表した2023年4〜12月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比4%増の4兆5116億円だった。営業利益と純利益はそれぞれ7%増の7319億円、30%増の4097億円だったが、なお、2022年7月に子会社化したPayPayの再測定益を踏まえると、それぞれ25%減、20%減となる。
特に、エンタープライズ事業とメディア・EC事業が2桁増益と好調で、2023年度通期に対する純利益の進捗率は97%と順調だ。これを受け、同社は通期業績予想を上方修正し、純利益は期初予想の4200億円から10%増の4620億円になる見通しだと発表した。
モバイル事業、増収反転を実現
モバイル事業については、増収反転を実現。2021年春の携帯料金の値下げの影響で通信料収入は減少傾向だったが、2023年9〜12月期における同事業の売上高は前年同期比49億円増と増収に転じた。同12〜3月期も増収の見込みだといい、通期での反転を見込んでいる。
7日の決算会見でソフトバンク 代表取締役社長の宮川潤一氏は、「ついに長いトンネルから抜け出せた。純利益を5350億円に、営業利益を2021年度の水準に回復させるといった中期経営計画の達成に向けての自信を深めることができた」と語った。
主要回線の純増数は、23年4〜12月期で52万、スマートフォン純増数も94万としている。スマートフォンの累計契約数は3021万で前年同期比5%増と順調に推移している。
エンタープライズ事業の売上高は、ソリューション事業が好調で5764億円と5%増収した。営業利益は15%増の1248億円で、継続収入となるソリューションなどの売上高は18%増の2025億円だった。
また、ヤフーやLINEなどが入るメディア・EC事業の売上高は3%増収の1兆1995億円、営業利益は29%増益の1635億円となった。ファイナンス事業については、主に2022年7月にPayPayを子会社化したことにより、売上高は1709億円で95%増収、営業利益は35億円の減益としている。
1兆パラメータの国産LLM実現へ
宮川氏は決算会見で、次世代社会インフラの構築に向けた取り組みの進捗状況も説明した。
ソフトバンクでは、計算基盤を分散配置する分散型AI(人工知能)データセンターの構築を進めている。このデータセンターにおいて「ネットワーク部分に進捗がある」と宮川氏は説明。光技術を活用した「光電子結合ネットワーク」を全国への展開を富士通と共同で完了したことに触れた。
従来の基幹ネットワークでは、ネットワーク内で光を電気に変換する光電変換が複数回必要で、大きなエネルギーロスが発生していた。しかし、光電子結合ネットワークに置き換えることで、光電変換が不要になり消費電力を最大90%削減できるという。
また、国産の大規模言語モデル(LLM)の構築も進めている。現在、1300億パラメータを実現しており「目標の3900億パラメータの構築に向けて順調に進捗している」(宮川氏)という。
この3900億パラメータには、テキストデータだけでなく、図表や符号、画像、コーディングといった情報も含まれており、「2024年度中にLLMのマルチモーダル対応を実現させる」と宮川氏は明言した。「計算基盤をさらに拡張し、将来的には1兆パラメータを目指す」(宮川氏)

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