生成AIはAIへの投資に拍車をかけるも、通信業界はAI投資サイクルの初期段階

2024年2月20日(火)12時48分 マイナビニュース

米NVIDIAは現地時間の2月15日、生成AIに対する業界の熱意と導入の規模を示す調査結果を公表した。生成AIはAIへの投資に拍車をかけているが、通信業界はAI投資サイクルの初期段階にとどまっているという。
同レポートはモバイル通信会社、固定電話会社、ケーブルテレビ会社の経営幹部、管理職、開発者、ITアーキテクトを対象に、10月〜12月の8週間にわたって実施した調査結果に基づく。
○通信業界「生成AIを積極的に受け入れている」
調査によれば、43%の企業が生成AIに投資すると回答しており、通信業界が生成AIを積極的に受け入れていることが示された。特に、業界幹部の間でAI導入に対する関心が高まり、53%の回答者がAIの導入が競争優位の源泉になることに「同意する」または「強く同意する」と回答したという。経営層ではこの割合が56%であった。
その理由は、多くの人がAIが自社の成功に貢献すると期待しているためであり、調査では、全体の56%が「AIは自社の将来の成功にとって重要である」と同意または強く同意しており、意思決定を行う管理職の回答者では61%に上昇。全体の数値は2022年の調査結果の42%から14ポイント上昇しているという。
通信業界では、多様なビジネスニーズに対応するためにAIと生成AIを積極的に採用。回答者の31%が2023年に少なくとも6つのAIユースケースに投資したと明かしており、40%が2024年に6つ以上のユースケースに拡大する予定であると回答したという。
しかし、顧客体験の向上は依然として通信業界にとって最大のAIの機会であり、48%の回答者がこれを主な目標として選択している。また、約35%の回答者が、顧客体験をAIの主要な成功事例として挙げている。生成AIについては、57%が顧客サービスとサポートの改善、57%が従業員の生産性向上、48%がネットワーク運用と管理、40%がネットワーク計画と設計、32%がマーケテイングコンテンツ生成に利用しているという結果となった。
○AIへの投資は著しく成長
2023年においても、顧客体験の最適化への投資が注目されており、AIを活用したセキュリティやネットワーク保守などのユースケースにも通信業者から投資が行われている。また、取引や決済における不正検知へのAI利用は2022年から2023年にかけて急上昇している。
全体として、AIへの投資は著しく成長しているが、まだ投資サイクルの初期段階にある。調査によると、43%の回答者が前年度にAIに100万ドル以上の投資を行い、52%が今年度も同様で、66%が来年度はAIインフラへの予算が増加すると回答した。
すでにAIに投資している企業では、67%がAIの導入が収益の増加に役立っていると回答し、19%が特定の事業領域で10%以上の収益増加を示した。また、63%がAIの導入が特定の事業領域におけるコスト削減に役立っていると回答し、14%がこのコスト削減が10%を超えていると指摘している。
通信業界ではAI能力向上のために投資を増やしている一方で、業界におけるAIソリューションの採用にはパートナーシップが不可欠であり、これにはAIモデルとハードウェアの両方が含まれる。
同調査では、44%の回答者がパートナーシップを好むアプローチとして共同開発を挙げ、28%がオープンソースツールの使用を好み、25%がAs-a-serviceのアプローチを採用している。生成AIについては、29%がパートナーと協力してモデルの構築やカスタマイズを行っており、データ保護規則に厳しい通信業界にとっては保守的なアプローチである。
インフラについては、多くの通信事業者がクラウドホスティングを選択する傾向があるものの、ハイブリッドモデルがまだ主流となっている。調査では、31%の回答者がAIワークロードの大半をクラウドで実行しており、44%がハイブリッドモデルを採用していることが判明した。このことが、よりローカライズされたクラウドインフラストラクチャーへの需要の高まりを促していると同社は見ている。

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