海外モバイルトピックス 第405回 ポルシェデザインのカッコいいスマホが復活! 高級スマホが海外で話題に

2024年3月25日(月)16時59分 マイナビニュース

ブランドやデザイナーとコラボしたスマートフォンが海外ではよく販売されています。その中でもポルシェデザインとコラボしたモデルはこの2年間出ていませんでしたが、HONOR(オナー)から2つのモデルが登場しました。ポルシェデザインはポルシェグループのデザイン企業で、アパレルなどライフスタイル製品を数多く出しています。そんなポルシェデザインとコラボしたスマートフォンは、一般的なモデルと異なりスタイリッシュなデザインが特徴。もちろんコラボするモデルはフラッグシップクラスのハイエンド製品で、外見も中身も優れた製品なのです。
HONORから登場したポルシェデザインのスマートフォンは2機種あります。1つは折りたたみモデルの「Magic V2 RSR Porsche Design」。まず価格は2699ユーロ、約44万円です。折りたたみスマートフォンの価格が高いとはいえ、一般的なモデルは20-25万円程度。Magic V2 RSR Porsche Designはその約倍の価格ですが、唯一無二のデザインを採用したことと、メモリ構成を高めることでプレミアム価格に仕上げています。
もう1つのモデルは「Magic6 RSR Porsche Design」。5,000万画素カメラ2つと1億8,000万画素の望遠カメラを搭載したカメラ強化モデル。ベースとなる「Magic6 Pro」はカメラの指標を行うDXOMARKで世界1位、つまりiPhone 15 Pro(DXOMARK 5位)よりも高性能なカメラを搭載しています。その基本性能そのままに本体デザインをスポーティーかつスタイリッシュに仕上げたのがMagic6 RSR Porsche Designというわけです。現在は中国で販売中で価格は9,999元、約21万円とこちらも高価です。
なお、Magic6シリーズは視線だけでスマートフォンを操作できるAIアイトラッキング機能も搭載しています。フロントカメラが常に目の動きを追いかけており、画面に表示された選択ボタンなどに目を向けると自動的にタップしてくれるのです。手の離せない作業中や、スマートフォンをポケットから出してすぐに操作したいときなど便利でしょう。中国では自動車メーカーと車のアプリを共同開発しており、画面に触れずにエンジンをかけることもできるそうです。
ポルシェデザインとスマートフォン、さらに古くは携帯電話との関わりは、かなり昔に始まっていました。2008年にフランスのSagemがリリースした「P’9521」「P’9522」というフィーチャーフォンが最初に登場。続いてブラックベリーと提携し、2011年に「BlackBerry Porsche Design P'9981」が登場しました。その後は2013年に「P'9982」、2014年に「P'9983」が登場しています。Sagemとブラックベリーのポルシェデザインモデルはメタリックシルバーとブラックの組み合わせで「高級なメカ」を思わせるようなデザインでした。
2016年になると今度はファーウェイが「Huawei Mate 9 Porsche Design」を発表。それ以降ファーウェイから毎年ポルシェデザインモデルが出てくることとなります。ファーウェイの勢いもありポルシェデザインのスマホはハイデザインかつ高性能、というイメージを海外の消費者に知らしめていきます。なお日本には残念ながらポルシェデザインモデルは投入されませんでした。
ファーウェイからの最後のポルシェデザインモデルは2022年の「Huawei Mate 50 RS Porsche Design」。カメラ周りを八角形のバンプで囲うという重厚感あふれるデザインになりました。
ところで、この年にちょっと面白いモデルが出てきます。アメリカ政府の制裁問題を受け2021年にファーウェイから独立したHONORが、2022年にカメラ強化モデル「Magic4」の高デザインモデルとして「Honor Magic4 Ultimate」を発表しました。カメラ部分のデザインはファーウェイのポルシェデザインモデルを彷彿とさせます。
2023年はファーウェイとポルシェデザインの契約が切れたようで、ファーウェイから出てきたモデルは「Huawei Mate 60 RS Ultimate」。ポルシェデザインの名前が無くなりましたが、デザインテイストは引き継いでいます。
HONORも2023年にUltimateモデル「Magic5 Ultimate」を投入。ファーウェイはメタリックな外装、HONORはヴィーガンレザーによる高級感と、デザインテイストを変えてきました。このように両者はポルシェデザインのテイストをベースに毎年高級モデルを出してきたわけです。実際に両者の高級モデルは売れ行きも良く、性能に加えデザインで差別化を図ることに成功しました。
2024年、HONORは今回紹介したポルシェデザインモデルだけではなく、「Magic6 Ultimate」も同時にリリースしています。こちらは前モデル同様にヴィーガンレザー仕上げ。つまりHONORはついに2機種も高級モデルを発売しはじめたのです。現時点ではグローバル展開は未定ですが、高級モデルはHONORのブランド力を高める製品になることは間違いないでしょう。
山根康宏 やまね やすひろ 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1,800台に達する。公式サイト:http://www.hkyamane.com/ この著者の記事一覧はこちら

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