ソフトバンク、PayPayドームのスマートスタジアム化に向けた実証実験に成功

2024年4月8日(月)13時40分 マイナビニュース

ソフトバンクは4月8日、福岡PayPayドームにて4月3日・4日に開催された福岡ソフトバンクホークスのホーム開幕戦において、カメラからの画像情報を通して、デバイスの位置や向きを測定する技術であるVPSおよび低消費電力で通信可能なBluetoothの規格であるBLEによるマルチセンサーを活用したAR(拡張現実)ナビゲーションと、4G/5GネットワークおよびBLEによるマルチネットワークを活用したリアルタイムAR演出の実証実験を実施し、成功したことを発表した。
○AR技術でスマートスタジアム化へ
今回行われた実証実験は、「VPSとBLEによるマルチセンサーを活用したARナビゲーション」と「4G/5GネットワークとBLEによるマルチネットワークを活用したリアルタイムAR演出」の2つ。実験にあたり観客は、ARアプリをインストールしたスマホを有線で接続したXREAL社のARグラス「XREAL Light」を観客に装着した。
「VPSとBLEによるマルチセンサーを活用したARナビゲーションの実証」においては、スマートスタジアム化の促進にあたり、球場やアリーナなどの屋内施設では観客の位置情報を測定する技術について、GPSは屋内のため衛星測位が困難、VPSは通路やコンコースなど似たような景観が続く場所での測位精度が低い、BLEはBLEビーコンの数によっては大まかな位置測定しかできないといった課題があった。
今回の実証実験では、PayPayドームの通路に複数のパネルとBLEビーコンを設置した。実証実験参加者がパネルに近づくと、BLEビーコンが信号を送信して位置情報を測定。その後、ARグラスを通してVPSでパネルを認識することで、より精度の高い位置情報を測定する。
測定した位置情報を基に、パネルのホークファミリー(福岡ソフトバンクホークスの球団マスコット)がARで現れ、参加者がハイタッチすると観戦席までのナビゲーションがARグラスに表示される。通路に設置した複数のパネルで表示される道順に従って進むことで、参加者が目的地であるスーパーボックスまで到着できたという。これにより、VPSとBLEを組み合わることで、似たような景観が続く屋内であっても速やかに精度の高い位置情報を測定できることが示されたという。
○ネットワークの混雑をBLEビーコンで解消
また、「4G/5GネットワークとBLEによるマルチネットワークを活用したリアルタイムAR演出」に関して、来場者がリアルタイムにAR演出を体験するにあたり、デバイスへの演出開始信号の送信に、4G/5Gネットワークは同時に信号を送信すると、デバイスの数によってはネットワークコネクションの混雑が発生して信号を受信できるデバイスと受信できないデバイスが発生する、BLEについてはカバーできる範囲が限定的であるという課題があった。
そこで、BLEビーコンを設置するとともに、その信号が届かないデバイスには4G/5Gネットワークを利用することで、複数のデバイスが同時に演出開始信号を受信できるか実証実験を行った。
コンテンツをあらかじめスマホに保存しておき、試合の5回裏終了後に、4G/5GネットワークとBLEの双方から演出開始信号を送信。それに基づき、参加者はグラウンドでの演出時にARグラスを通してリアルタイムにAR演出を見ることができたという。これにより、4G/5GネットワークとBLEを組み合わせることで、複数のデバイスが同時に演出開始信号を受信できることを実証したとしている。
この実証実験の成功により、今後、大規模なスタジアムやアリーナにおいて、座席や部屋まで精度の高いARナビゲーション(マルチセンサーを活用)を行ったり、来場者のスマートフォン(スマホ)などに応援コンテンツを一斉に表示させることで盛り上げる演出(マルチネットワークを活用)をしたりするような、観戦体験の提供が可能になるとしている。

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