AI PCが色とりどりの花畑に「インテル AI PC Garden」イベントレポート

2024年4月10日(水)9時0分 マイナビニュース

○花がいっぱいのステキ空間が原宿に登場。若い人にAI PCを知ってほしい
インテルは2024年3月30/31日に原宿にてインテル AI PC Garden Powered by インテル Core Ultra プロセッサーを開催しました。
このイベントは原宿に訪れる一般の若い世代や開発者に向けた花があふれる素敵な空間でしたが、ここでは開催前日に行われた招待者セッションの内容をお伝えします(プレス向けセッションに関しては別記事をご覧ください。午前中は世代・トレンド評論家の牛窪恵氏の講演と上野氏との対談が行われています)。
○本イベントに込められた思い
冒頭、インテル マーケティング本部長の上野晶子氏が挨拶を行いました(以下、抜粋)。
私は、Intel Core Ultraプロセッサーとこれを搭載していただいたPCメーカーの皆様によってAI PCの時代が開かれた、と歴史に残るといいなと思っています。
私は約20年前にCentorinoというプラットフォームのローンチ担当を務めており、当時のコンセプトは「ノートパソコンをケーブルから自由にする」というものでした。そして今回のAI PCのコンセプトは「AIの作業がすべてクラウドで行われていた時代から手元でもAIの処理ができて選択できる」です。
また私たちは、AI PCというハードウェアだけではなくAIアプリケーションがそろって新しい一歩が踏み出せると思っています。そこで「AI PC Garden」という開発者向けのディスコードのコミュニティを立ち上げました。
この「AI PC Garden」は、開発者の皆様が誰かから教わるのではなく自分から意思をもって情報交換を行い、新しいアプリケーションを作っていただける場所を提供したいという気持ちから作られており、このガーデンにみんなで育ち合っていろんな花を咲かせていこうという気持ちを込めています。
本日ご来場いただいた方々は、AI PCのハードウェアとソフトウェアを一緒に開発してAI PCの世界をさらに広げていく仲間だと考えています。皆さんと私たち、エコシステムパートナーをつなぐ、そんな役割をしていただきたいなと考えています。
また、私はここを未来カフェと名付けたのですが、その理由として2年くらい前からインテルBlue Carpet Projectというクリエイターの支援のプロジェクトを始めました。現在は40名ほどのTOPクリエイターの方々に最新の高性能PCを提供させていただており、最新PCを使うことで本当にクリエイティブな作業に時間を使えるようになればと思っております。
今日のイラストを描いていただいた方と、それからビデオを作っていただいた方、今日のDJをやっていただいた方、皆さんがBlue Carpet Projectメンバーです。創造性やこれからの若い人たちがどんどん新しいものを作っていく力、そんなものを表現できたらと思って、この未来カフェのイラスト、そして映像をお願いしました。このAI PCでちょっと先の未来を一緒に作っていきたい、こんなことができたらいいなって思っていることが、このビデオの中に表現されています。
土曜日、日曜日はこの原宿に集まっていただいている特にZ世代の若い人たちにAIの持つポテンシャル、そしてAIを手元で作業できて、もしかしたら自分が何かアプリケーションを書いて新しいことができるかもしれない、あるいはAI PCを使って新しいクリエイティビティが発揮できるかもしれない。そんな可能性を考えて感じていただけるような場になるといいかな、というふうに思っています。
また、販売の現場にも少し新しい風が吹かせられないかと思って、新しいタイプの什器をご用意してみました。中が透明になってお花が見えたり、デジタルの表示をたくさん使うことによって什器を変えることなくコンテンツをアップグレードできたり、または少し遠くからでも目につく。そんなものをご用意してみました。
私たちはPCを売る現場も楽しくクリエイティビティにあふれた場所になって欲しいと考えております。
○AIを開発する方々からのスピーチも
その後、AIアプリを開発する方々からのスピーチがありました。Stability AI Japanの代表のJerry Chii氏はIntel Core Ultra搭載のAI PCでStableDiffusion XLTurboという画像生成AIをつかったライブデモを行ったほか、コード生成、ビデオ生成、3D生成と多くのモデルをオープンモデル、マルチモデルで提供しているとアピールしていました。
またオープンモデルのメリットとして、企業が保有するプライベートデータで追加学習を行うことで、特定の分野や企業ニーズに合致したカスタムモデルがローカルで作れることを挙げました。
一方、オープンAIモデルの課題として推論スピードが今一であることや、どのぐらいのハードウェアを用意すればいいかわからないなどの疑問点に対し、IntelのOpenVINOを使うことで色々なAIモデルをIntelのハードウェアで使えるようにしてくれて、さらに複数のツールをワンクリックでインストールできるようなツールがあると紹介しました。性能に関してもオープンモデルのAIがクローズドなAIの性能を追いかけていると語ります。
オープンなモデルの場合はどのように動いているかの確認も自由で、モデルの所有も可能。そしてオフライン動作なので通信コストや遅延の回避ができることをメリットとしてあげていました。また、インテルジャパンの協力があり、Japanese Stable LMという日本語特化のLLMもCore Ultra搭載PC上で動作することも紹介されています。ちなみに今回の登壇者のデモが会場で行われているのはJapanese Stable LMだけでした。
次に登壇したのはSOUNDRAW株式会社 代表取締役社長/CEOの楠太吾氏。同社は音楽生成AI「SOUNDRAW」の開発、運営を行っている会社です。
2020年に創業した当時はAIがまだ盛り上がっておらず苦労したそうですが、最近はChat GPTが盛り上がってきて「AIっていうだけで評価してもらえて時代の波を感じた」と楠氏は説明します。
SOUNDRAWは「誰でも簡単に音楽が作れる」というサービスで、ターゲットは映像クリエイターさんやポッドキャストを行う方など著作権フリーのBGMが必要な方々になります。また、アマチュアアーティストがメインではありますが「自分で歌う・ラップはできるが自分で音楽を作る、作曲をするのはハードルが高い」という人にも向いていると紹介されていました。
また、操作は曲のジャンルや長さを選択するだけで簡単に作成できるだけでなく、盛り上げ度を細かく設定可能であると、実演しながら説明してくれました。さらに、作成した楽曲に対しての追加ライセンスは不要という点と、AIの学習に使用したデータがすべて自社製となっており、生成AIで問題になりがちな第三者の著作権を侵害することがないという事を特徴として述べています。
同社は日本発のスタートアップでありながら、海外でもかなり評価されており、現在80%が海外での売り上げがあることに加え、エミネムのマネージャーとして知られるPaul Rosenberg氏に出資していただき海外の音楽業界から一定の評価を得ていると語ってくれました。
昨年設立した会社ながら「Technology×Entertainment」として現在までに4つの生成AIを活用したサービスをリリースしたと説明がありました。バーチャルYouTuber事業の立ち上げやライセンシー事業にかかわっていた経歴のあるメンバーがおり、この経験と知見が生かせたのがポイントのようです。
イベントの最後にはBlue Carpet ProjectのメンバーとなっているTJO氏が行っているPodCastの公開収録が行われました。
TJO氏いわく、AKLOさんが日本のヒップホップ業界において一番テクノロジーに精通しているアーティストだと思っているそうで、実際に音楽作成活動でもAIは活躍しており、例えば録音のEQにAIを使うことは当たり前になりつつありますし、ちょっとしたノイズ削除もAIを使うときれいに消えてくれることを紹介していました。
続けて、最近ハマっているのがVR空間上でのレコーディングで、宇宙船に入って地球を見下ろしながら曲を作ると、違った環境によるインスピレーションが得られるとコメント。面白いアプリとしてVR空間に実際のMIDIキーボードを持ち込める「Piano Vision」と少人数でサイファーみたいなことができる「Bigscreen」を取り上げていました。
最後に、来場者にはCore Ultraのロゴがラテアートで描かれたコーヒーを飲めた他、アンケートに回答すると楠木誠悟氏監修のミニブーケがもらえました。

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