ロジクールの“ちょい上”パンタグラフ式キーボード「Signature Slim K950」を試す

2024年4月11日(木)11時5分 ITmedia PC USER

ロジクールの「Signature Slim K950」。日本語配列のみでテンキーレスモデルは用意されない。こちらはオフホワイト(K950OW)モデル

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 ロジクールが、ワイヤレスキーボードの新モデル「Signature Slim K950」を発表した。同社直販のロジクールオンラインストア価格は1万890円(税込み、以下同様)で、グラファイト(K950GR)とオフホワイト(K950OW)の2色で展開される。発売予定日は4月25日だ。
 Signatureシリーズのキーボードとしては、メンブレン方式の「K650」、メカニカルスイッチの「K855」「K835」が発売されているが、ここに新たに加わった「K950」は、ノートPCなどに多く見られるパンタグラフ方式を採用する。同一シリーズ内で方式の異なる3つのキーボードを選べるので、自分好みのキータッチを見つけられるという点では消費者にはうれしいところだ。
 今回、発売前のK950を試す機会があったので、どういったキーボードなのかを紹介したい。
●テンキー付きでスリムなフルサイズの無線キーボード
 Signature Slim K950は、テンキーも備えたフルサイズのキーボードだ。デザイン的には上位モデルとなる「MX KEYS S」の雰囲気に近い。
 MX KEYS Sはエッジ部などがシャープなのに対し、K950は丸みを帯びている、背面側の出っ張りがないなどの違いはあるが、パッと見では非常によく似ている。
 本機のキー配列は、一般的な日本語配列だ。フルサイズということもあり、窮屈な部分はない。ボディーサイズは約433.8(幅)×134.8(奥行き)× 23.1(厚さ)mmとテンキーがあるため横幅が広くなっており、マウスの位置がやや遠くなるという問題はあるが、数字入力が多い人なら便利に使えるだろう。ちなみに重量は約685gだ。
 スリムなキーボードではあるが、通常状態でもやや角度(4度前後)が付いている。また、底面にあるスタンドを起こせば、さらに角度(+4度)を付けることも可能だ。
 接続は、MX KEYSシリーズと同様にBluetoothと同社独自のLogi Bolt(USBアダプターが付属)に対応しており、計3台のデバイスとペアリングできる。機能キー上部にあるEasy-Switchキーにより、ワンタッチで切り替えが可能だ。
 対応OSは、Logi Bolt接続時がWindows 10以降/macOS 11以降/ChromeOS/Linux、Bluetooth接続時はWindows 10以降/macOS 11以降/ChromeOS/Linux/Android 9.0以降となる。
 デスクトップPCとノートPCを切り替えて使ったり、PCとタブレット、スマートフォンとペアリングしたり、適宜切り替えて使用するといったことができる。
 バッテリーは電池式で、単4型乾電池2本で最長36カ月利用可能だ。バックライトがないので、バッテリー持ちもかなり長めとなっている。
 それでは、実際に使ってみよう。
●ちょい上のスリムキーボードを探している人にピッタリ
 キートップはMX KEYSシリーズとは違い、表面はざらついた仕上がりだ。中央に向かって緩やかにカーブはしているが、MX KEYSシリーズのように中央に丸いくぼみがあるわけではない。この辺りは好みの問題ではあるが、個人的にはMX KEYSシリーズの形状の方が、指の収まりがよいように感じた。
 テンキー上部には「電卓」「スクリーンショット」「検索」「スクリーンロック」のショートカットを搭載する。あまり見慣れないキーとしては、「言語の切り替え」キーがある。PCの入力言語として日本語と英語以外の言語、例えば中国語やフランス語、スペイン語などを設定している場合、切り替えキーを押すことで入力言語を変更することができる。
 要するに、Windows+Spaceキーのショートカットと同じものだ。あまり利用する機会はないと思うが、外国語の勉強をしており、その言語で文章をよく書くといった場合には便利かもしれない。
 なお、普段使わないキーがあるのはもったいないと感じるかもしれないが、ファンクションキーと、カーソルキー上段にある一部の機能キーは、専用ユーティリティーの「Logi Options+」からカスタマイズできる。
 言語の切り替えキーなど普段使わないものは、よく使うキーボードショートカットなど他の機能に割り当てることが可能だ。アプリの起動に割り当てたり、WindowsであればWindows+CキーでCopilotの呼び出しに利用したりもできる。
 実際に使ってみると、筆者が普段利用している「MX KEYS MINI」と同等で、やや固めのしっかりとした打ち心地に仕上がっている。パンタグラフ特有の浅いストロークになっており、タイプは良好だ。
 また静穏性も高く、よく聞くとペチペチという音がするが、力いっぱい叩きつけでもしなければ、静かなオフィスなどでもほぼ無音と言って良いだろう。
 Signature Slimキーボード K950は、スリムでありながら快適なタイプ感を実現している。バッテリー持ちが長く、専用アプリでのカスタマイズもできるなど、さまざまなニーズに応えられる優れたキーボードだ。
 ただし、テンキーを搭載しているため横幅がある。マウスを利用することも考えると、ある程度広めの机が必要になるだろう。このデザインとタイプ感でテンキーレスが出ればと思うのだが、残念ながら販売の予定はないとのことだ(海外のLogitechでもテンキーレスは出ていない)。
 ともあれ、比較的安価でも打ち心地がいいキーボードを探しているのなら、お勧めできるキーボードと言えるだろう。

ITmedia PC USER

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