SK hynixが韓国清州に先端DRAMファブの建設を決定、総投資額は2兆円超を予定

2024年4月25日(木)18時49分 マイナビニュース

SK hynixは4月24日、AI半導体で活用されるHBMをはじめとする次世代DRAMへの需要に対応することを目的に、同社のNANDフラッシュメモリ量産拠点である韓国忠清北道清州市の清州工場に新たなDRAM生産拠点「M15X」(XはExtensionを意味)を建設することを発表した。
2024年4月末にも着工し、2025年11月に完成させ、早期の量産化を図るという。投資額はファブ建設に約5兆3000億ウォン(1ウォン=0.11円換算で約6000億円)、設備投資は段階的に増加する予定としており、長期的な総投資額は20兆ウォン(約2兆2600億円)を超す見通しだという。
SK hynixでは、AI時代の到来によりDRAM市場が中長期的な成長フェーズに入ったと考えており、年間60%以上の成長が見込まれるHBMに加え、サーバ向けの大容量DDR5モジュール製品を筆頭に一般向けDRAMの需要も着実に増加すると予測している。
特にHBMについては、一般的なDRAM製品と同等の生産量を確保するためには少なくとも、これまでの2倍の生産能力が必要となり、HBMを中心にDRAMの生産能力を高めることが将来の成長の前提条件であると判断したことから、今回の投資決定に至ったと説明している。
同社の新たな計画としては、2027年上半期に予定している龍仁半導体クラスターの最初のファブの完成前に、M15Xファブを完成させて、DRAMの生産を進める予定となる。このM15Xについては2022年に、NANDの主管工場であるM15の拡張ファブとしての計画が発表されていたが、半導体メモリ不況のあおりを受けて建設が延期となった経緯があり、今回、需要が今後も高まり続けるであろう先端DRAMへと生産品目を変更する形で建設の実施に至ったようである。
龍仁半導体クラスターの12兆円プロジェクトは計画通り
またSK hynixは、M15Xとは別に、120兆ウオン(約13兆6000億円)を投じてソウル近郊の京畿道龍仁市に龍仁半導体クラスターの建設に向けた準備を進めている最中だが、この計画に変更はないとしている。
現在、龍仁のプロジェクトの進捗は、基盤整備のための基礎工事が進捗率26%にまで到達しており、これは目標を3%上回る進捗率だという。すでに土地の補償手続きや文化財調査などといった主要な準備工事も完了済みで、電力、水道、道路に至るインフラの整備も進められており、同社では、計画されている4つのファブのうち、2025年3月に最初のファブの建設を開始し、2027年5月に完成させる計画としている。
なお、SKグループ全体にとって、SK hynixによる半導体投資は韓国国内への投資の重要な柱とされており、同社が2012年にSKグループに買収されて以来、グループの将来ビジョンに基づいて、2014年からこれまでに韓国内で累計46兆ウォンの投資が行われ、3つの新ファブ(利川本社工場M14、2018年に清州工場M15、2021年に利川工場M16)が建設されてきた。

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