サーバも大人気だった「GIGABYTE(ギガバイト)」ブース AI時代に向けて全方位体制

2024年6月21日(金)18時5分 ITmedia PC USER

COMPUTEX TAIPEI 2024のメイン会場に設けられたGIGABYTEブース。こちらはB2B向けの製品やソリューションの展示がメインだった

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 台湾・台北市で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2024」の最終日(6月7日)は、久しぶりに一般公開された。この一般観覧日は、「久しぶりだから」という理由では説明が付かないほどに混雑していた。
 台湾発祥のPC/パーツメーカーのGIGABYTE(ギガバイト)は、「AI TOP」の発表会を行ったプライベート展示場とは別に、COMPUTEX TAIPEIのメイン会場にもブースを構えていた。こちらはサーバなどB2B製品/ソリューションの展示がメインで、昨今の産業界におけるAI(人工知能)への興味の高まりを感じることができた。
 この記事では、先日の記事で紹介しきれなかったプライベート展示場の注目展示と共に、メイン会場に展示されていたB2B製品を紹介する。
●DisplayPortの「デイジーチェーン」に対応するゲーミングモニター
 まず、発売済みではあるが、31.5型ゲーミング有機ELディスプレイ「AORUS FO32U2P」を紹介したい。日本ではシー・エフ・デー販売を通して販売されており、税込みの実売価格は26万円弱となっている。
 このディスプレイは、有機ELパネルを採用していることや、ゲーミング有機ELディスプレイとしては世界で初めてDispalyPort 2.1のUHBR20伝送も注目点なのだが、DisplayPortの「デイジーチェーン(数珠つなぎ)」接続にも対応しているのもポイントだ。グラフィックスカードが対応していることが大前提となるが、PC本体に接続されるDisplayPortケーブルを1本にまとめ、残りはディスプレイ間をつなぐだけ、というスッキリとした接続を実現できる。
 このデイジーチェーン接続は最大4台まで対応しており、4K(3840×2160ピクセル)/120Hzの映像伝送も可能……なのだが、これを実現するにはDisplayPort 2.1の規格をフルに満たすグラフィックスカード(GPU)が必須となる。このディスプレイの“本領”は、次世代GPUの登場によって発揮できそうだ。
●小型PCにもピッタリ? AI TOP用グラボは「単体販売予定あり」
 先の記事で紹介したAI TOPのハードウェア製品群(AI TOP HARDWARE)のうち、「GeForce RTX 4070 Ti SUPER AI TOP 16G」は、GeForce RTX 4070 Ti SUPERを備えるグラフィックスカードとしてはサイズが少しコンパクトで、デザインも洗練されている。
 しかしAI TOP HARDWAREは、基本的にシリーズのハードウェアを“そろえて使う”ことが前提となっている。このカードを単体で購入できるのか聞いたところ「単体で販売する可能性もあります」とのことだった。
 名目上はAI特化型のPCを構築したい人向けの製品ではあるが、そこそこパワフルでコンパクトなPCを作りたい人にとって、本カードの単体販売は歓迎すべきことだろう。
 「コンパクトでパワフルなPC」といえば、同社が参考出展していたAORUSブランドの「次世代Intel CPU」用Mini-ITXマザーボードも注目だ。こちらはPCI Expressスロットにイジェクトボタンが付いており、グラフィックスカードを取り外しやすいことがポイントとなる。
 ただ、マザーボードのサイズを考えると「グラフィックスカード“から”マザーボードを外す」みたいな、主客転倒な格好になる可能性もある。
●B2B展示がメインの本会場ブース 目玉は「ジェンスンのサイン」?
 さて、COMPUTEX TAIPEI 2024のメイン会場にあるGIGABYTEブースなのだが、先述の通りB2B製品/ソリューションの展示が主だった。しかし、一般観覧日となった最終日に来たせいか、会場は動くのも困難なレベルの混雑ぶりで、学生と思われる若い人がスタッフから熱心に話を聞いていた。
 説明員によると、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOがデータセンター向けGPU「NVIDIA GB200」のコーナーの銘板に書いたサインを目当てにやってきた人も結構いたそうだ。
 GIGABYTEといえば、AI/HPCサーバ向けに独自の液浸冷却タンクと、それに対応する専用サーバを開発/製造していることも有名で、ブース展示でも注目を集めていた。
 冷却ユニットをを含むハードウェア製品に加えて、ソフトウェアベンダーと協業してサーバーの一括管理ソリューションや、サーバと機械学習用ソフトをセットにしたスターターキットを提供するなど、AIの導入ハードルを下げる取り組みを進めている。
 他のサーバベンダーとの差別化を、着実に進めている印象だ。
 今回のCOMPUTEX TAIPEIにおいて、GIGABYTEはコンシューマー向け製品からB2B向け製品まで、とにかく“AI推し”だった。程度の差こそあるが、主要なPCメーカーも同様にAIへの注力をアピールする展示が目立った。
 2025年のCOMPUTEX TAIPEIも、引き続き“AI推し”が続くのかどうか、注目したい。

ITmedia PC USER

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