茂木健一郎氏、五輪エンブレムの選考過程を痛烈批判「専門家よりも人々の判断の方が信用できる」
画像は東京五輪公式サイトエンブレム紹介ページ
脳科学者の茂木健一郎氏は、自身のTwitter、Facebookに、東京五輪エンブレムのコンセプトや選考過程への見解を投稿した。
茂木氏は、東京五輪エンブレムのコンセプトについて、「エンブレムに求められるのは、一目見て鮮烈な印象を与え、強く記憶に残り、それが時間とともに『育つ』という性質であって、エンブレムを構成する幾何学的要素を順列組み合わせで返ると文字が表現できるなどというのはまさにコンセプト倒れで、視覚表現の根本を理解していないと断ぜざるを得ない。」とコンセプト自体が陳腐だと述べた。
また、選考過程については、そもそも「専門家」が信頼できないという根本的感情が、人々の間にあると思うとした上で、「『専門家』は、デザインならばデザインの身内の論理に縛られがちである。その人のすでに築き上げた実績、名声にも影響されやすい。さらに、エンブレムをどのように展開するなどの、『大人の論理』が、選考する目を曇らせる可能性もある。その結果が、今回の惨状であると思えてならない。」と分析。
加えて、ワグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を引合いに出し、「『専門家』や『有識者』が密室で会合を開いて決めるよりも、ネットなどですべての過程をオープンにして決めた方が、良質の判断ができる。ガバナンスを変えるべき。それにしても、エンブレムの順列組み合わせ発想の陳腐さを、公式サイトがあれほど見事に表現するとは思わなかった。オウンゴールだ。」と断じた。
公式サイトとは、東京五輪公式サイトで公開されているエンブレム紹介動画。「気持ち悪い」などとネットで話題になっている。