村上春樹「小野リサさんが歌うと、人柄っていうか、湿っぽくならないところがいいですね」“ボサノヴァの女王”のカバー楽曲の魅力を語る
TOKYO FM+2024年2月25日(日)21時0分
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00〜19:55)。2月25日(日)の放送は「村上RADIO〜今日はすべて日本語の歌詞です〜」をオンエア。洋楽が流れることが多い「村上RADIO」では、全て日本語の曲でお送りするのは放送開始以来初の試み。日常的に洋楽を聴いているという村上さんが、ときどき無性に日本語の歌を聴きたくなるときがあるそうです。そんなときに聴いている音楽の中から、村上DJが厳選した曲をお届けしました。
この記事では中盤3曲、les 5-4-3-2-1「YESTERDAY」、ジミー入枝とザ・キングタウンズ「憧れのハワイ航路」、小野リサ「爪」について語った概要を紹介します。
◆les 5-4-3-2-1「YESTERDAY」
「レ・ファイブ・フォー・スリー・ツー・ワン」というちょっと変わった名前のグループが歌います。曲のタイトルは「イエスタデイ」、でもビートルズの曲とはぜんぜん無関係のオリジナル曲です。リード・シンガーは松野アリミ、プログラムはサリー久保田、ギターはここでもまたナポレオン山岸です。
このアルバム、1995年にリリースされていますけど、どこでどうしてこのCDを手に入れたのか、ぜんぜん記憶にありません。正直言ってこの手の音楽って僕はそんなに聴かないんだけど、でもこのアルバムは全体の雰囲気が気に入って、ずっと手もとに置いています。
◆ジミー入枝とザ・キングタウンズ「憧れのハワイ航路」
しつこいようですが、ここでまた雰囲気ががらっと変わります。ジミー入枝とザ・キングタウンズは以前にもこの番組で一度かけたことがあります。そのときは「君恋し」をかけたんですけど、そのときどっちにしようかとさんざん迷ったのが「憧れのハワイ航路」でした。今日はいい機会なので、こっちをかけます。
ジミー入枝とザ・キングタウンズは鹿児島のローカル・ドゥワップ・バンドですが、この「ドゥーワップde昭和歌謡」はなかなか素敵な出来のアルバムになっています。鹿児島のおっさん4人が楽しんで、肩寄せ合ってドゥワップをやっているっていう雰囲気が、ひしひしと伝わってきます。いいですよね。
オリジナルの「憧れのハワイ航路」は昭和23年に岡晴夫さんの歌でヒットしました。映画にもなりまして、主演は岡晴夫と美空ひばり。ひばりさんはまだ子役ですが、2人でがんがん歌いまくります。監督はコメディの巨匠・斎藤寅次郎、タイトルは「憧れのハワイ航路」なんだけど、ハワイのシーンは紹介フィルムみたいにちょっと出てくるだけで、東京の下町が舞台の母子ものです。当時の日本は貧乏だったから、ハワイ・ロケなんて夢の夢だったんですね。
◆小野リサ「爪」
次は小野リサさんが「爪」を歌います。爪を嚙(か)むのはよくないわ……。1958年にヴァイブラフォン奏者の平岡精二さんが作曲した曲です。ペギー葉山さんの歌でヒットしました。アレンジとピアノ演奏はビル・カントスです。2019年の録音です。
けっこうしんみりした歌詞なんだけど、小野リサさんが歌うと、人柄っていうか、湿っぽくならないところがいいですね。歌謡曲っぽくない、というか。
----------------------------------------------------
2月25日(日)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 3月4日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:村上RADIO〜今日はすべて日本語の歌詞です〜
放送日時:2月25日(日)19:00〜19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
この記事では中盤3曲、les 5-4-3-2-1「YESTERDAY」、ジミー入枝とザ・キングタウンズ「憧れのハワイ航路」、小野リサ「爪」について語った概要を紹介します。
◆les 5-4-3-2-1「YESTERDAY」
「レ・ファイブ・フォー・スリー・ツー・ワン」というちょっと変わった名前のグループが歌います。曲のタイトルは「イエスタデイ」、でもビートルズの曲とはぜんぜん無関係のオリジナル曲です。リード・シンガーは松野アリミ、プログラムはサリー久保田、ギターはここでもまたナポレオン山岸です。
このアルバム、1995年にリリースされていますけど、どこでどうしてこのCDを手に入れたのか、ぜんぜん記憶にありません。正直言ってこの手の音楽って僕はそんなに聴かないんだけど、でもこのアルバムは全体の雰囲気が気に入って、ずっと手もとに置いています。
◆ジミー入枝とザ・キングタウンズ「憧れのハワイ航路」
しつこいようですが、ここでまた雰囲気ががらっと変わります。ジミー入枝とザ・キングタウンズは以前にもこの番組で一度かけたことがあります。そのときは「君恋し」をかけたんですけど、そのときどっちにしようかとさんざん迷ったのが「憧れのハワイ航路」でした。今日はいい機会なので、こっちをかけます。
ジミー入枝とザ・キングタウンズは鹿児島のローカル・ドゥワップ・バンドですが、この「ドゥーワップde昭和歌謡」はなかなか素敵な出来のアルバムになっています。鹿児島のおっさん4人が楽しんで、肩寄せ合ってドゥワップをやっているっていう雰囲気が、ひしひしと伝わってきます。いいですよね。
オリジナルの「憧れのハワイ航路」は昭和23年に岡晴夫さんの歌でヒットしました。映画にもなりまして、主演は岡晴夫と美空ひばり。ひばりさんはまだ子役ですが、2人でがんがん歌いまくります。監督はコメディの巨匠・斎藤寅次郎、タイトルは「憧れのハワイ航路」なんだけど、ハワイのシーンは紹介フィルムみたいにちょっと出てくるだけで、東京の下町が舞台の母子ものです。当時の日本は貧乏だったから、ハワイ・ロケなんて夢の夢だったんですね。
◆小野リサ「爪」
次は小野リサさんが「爪」を歌います。爪を嚙(か)むのはよくないわ……。1958年にヴァイブラフォン奏者の平岡精二さんが作曲した曲です。ペギー葉山さんの歌でヒットしました。アレンジとピアノ演奏はビル・カントスです。2019年の録音です。
けっこうしんみりした歌詞なんだけど、小野リサさんが歌うと、人柄っていうか、湿っぽくならないところがいいですね。歌謡曲っぽくない、というか。
----------------------------------------------------
2月25日(日)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 3月4日(月)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------
<番組概要>
番組名:村上RADIO〜今日はすべて日本語の歌詞です〜
放送日時:2月25日(日)19:00〜19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
「村上春樹」をもっと詳しく
BIGLOBE旅行 都道府県民限定プランのご紹介♪
「村上春樹」のニュース
-
村上春樹「小澤征爾さんがオペラを指揮すると歌詞がとても聞きやすいんです」本人にその“コツ”を尋ねてみたら…5月5日11時0分
-
村上春樹、クラリネット奏者リチャード・ストルツマンと小澤征爾さんとの貴重なエピソードを披露5月5日6時0分
-
村上春樹、小澤征爾さんとアメフト観戦した思い出「ルールをよく知らなかった僕に、手取り足取り教えてくれました」5月4日11時0分
-
村上春樹・川上未映子両氏の最新短篇も掲載。 21世紀の日本文学を代表する作家たちが大集合した「新潮」創刊120周年記念号、5月7日(火)発売!5月2日17時46分
-
村上春樹、小澤征爾さんとの思い出を語る「“春樹さんが小説に書いてくれたおかげで、僕のレコードが売れてよかったよ。ありがとう”と礼を言われたことがあります」4月30日20時0分
-
村上春樹「自分のカヌーは自分で漕げ」学生時代にカート・ヴォネガットの小説で出会った言葉4月30日6時0分
-
村上春樹「地震で傷ついた地域が1日も早く立ち直って、元のようになることを祈っています」能登半島地震・被災地への思いを語る4月29日21時0分
-
村上春樹、小澤征爾さんは「音楽で物語を語ることに長けた人。そういうことができる人ってなかなかいません」4月29日20時0分
-
村上春樹「僕は蟹を食べるたびに、この小説のことを思い出します」もし“蟹の立場”から書いた『蟹工船』があったら4月29日20時0分
-
村上春樹さんが小澤征爾さん追悼 「紛れもない天才だった」4月29日18時44分