阿部寛×瀬々敬久監督の信頼関係や岡山ロケ…『とんび』の“3つの見どころ”
シネマカフェ2022年4月7日(木)13時15分
阿部寛と北村匠海が共演、薬師丸ひろ子、杏、安田顕、大島優子、麻生久美子らが集結した映画『とんび』。公開前に行われた試写会では「今年で一番泣いた」「会場が感動と共感に包まれていた」「不器用なお父さんの姿に涙が止まらなかった」といった声が相次ぎ、さらに監督を務めた瀬々敬久も「この映画は間違いなく面白い」と自信をみせている。その3つの理由に迫った。
阿部寛と瀬々監督の信頼関係
まず挙げられるのが、主人公・ヤス役の阿部寛と瀬々監督の信頼関係だ。この2人といえば、先日開催された第45回日本アカデミー賞で11部門を受賞した『護られなかった者たちへ』でのタッグの記憶も新しい。本作で主演を務めた阿部さんは、重松清・原作の「とんび」(角川文庫刊)の3度目の映像化という点に不安もあったそうだが、「瀬々さんだったら是非やらせて頂きたいと思いました。(これまでの作品と)違う切り口から描いてくださると思い、また久々にご一緒したいと思い、ラブコールさせて頂きました」と瀬々監督へオファーしたという。監督も「一も二もなく引き受けました」と、当時の思いをふり返る。2000年頃から一緒に作品を創り出しているという阿部さんと瀬々監督。2人の厚い信頼関係が、本作に深みをもたらしたようだ。
岡山県・瀬戸内のロケーション
また、本作において最も重要な要素でもあるのが、瀬戸内のロケーションと、人の温かさである。備後を舞台にした本作のロケは、岡山県で行われた。本当の生活感がある街並みでの撮影にこだわったという監督の考え通り、岡山での撮影は、その町に住む人々の温かさまでもがプラスに働いた。
本作で北村さん演じるアキラの婚約者・由美を演じた杏さんは「商店街がノスタルジックな街並みで、町の皆様もとても協力的でした。たえ子さん(薬師丸ひろ子)のお店のお向かいがちょうど魚屋さんで、『お弁当にちょっとこれ足してください』とお魚を分けてくださり、皆で食べました。ご厚意が染みて更においしかったです」と撮影時の街の人々との交流を明かした。
そして、その土地の愛情がキャスト同士の絆にも結び付いたようで、ヤスの姉のような存在で小料理屋の女将・たえ子を演じた薬師丸さんは、「出演している皆さんが本当に良い方で暖かくて、(撮影後に会ったときは)また一緒に住んでいた街の人に会うような気分になりました。本当に良いチームワークで、楽しい撮影でした」とキャストの関係性について言及。そんな町ぐるみの温かさがキャストにも伝わり、本作に素晴らしい影響を与えたようだ。
作品のテーマは「家族愛」
そして3つ目が、「家族愛」というテーマである。原作小説が出版されたのは14年前、描かれているのは昭和の終わりから現代までであるが、監督は「この作品は現代の多様な家族な在り方を描いている。だからこそこの物語は古びない」と、また阿部さんは「人々の間に距離が生じている、そんな時代だからこそ、人々が助け合って生きるこの物語が、皆様に届いてくれればいいなと思っています」と語る。本作に出てくるのは、父子家庭の家族やシングルマザー、そして町全体が家族のような存在である“備後の人々”。それぞれが描き出す“家族の形”と、それぞれの“家族愛”。この映画を通じて、いつの時代も変わらない普遍的なテーマが、家族を想い生きる全ての人々に贈られる。
さらに本作を鑑賞した原作者・重松氏は、「『荒ぶる愛って、こういうことなんだな』ーー映画館のスクリーンを蹴破ってしまいそうなヤスさんの存在感に、試写のときに圧倒されました。そして、そんなヤスさんがずっと片思いをしているアキラの凛々しさ! なにかと心ふさぐ日々だからこそ、誰よりもまず僕自身が、ヤスとアキラの物語に再びひたりたいのです」とコメントを寄せている。
『とんび』は4月8日(金)より全国にて公開。
阿部寛と瀬々監督の信頼関係
まず挙げられるのが、主人公・ヤス役の阿部寛と瀬々監督の信頼関係だ。この2人といえば、先日開催された第45回日本アカデミー賞で11部門を受賞した『護られなかった者たちへ』でのタッグの記憶も新しい。本作で主演を務めた阿部さんは、重松清・原作の「とんび」(角川文庫刊)の3度目の映像化という点に不安もあったそうだが、「瀬々さんだったら是非やらせて頂きたいと思いました。(これまでの作品と)違う切り口から描いてくださると思い、また久々にご一緒したいと思い、ラブコールさせて頂きました」と瀬々監督へオファーしたという。監督も「一も二もなく引き受けました」と、当時の思いをふり返る。2000年頃から一緒に作品を創り出しているという阿部さんと瀬々監督。2人の厚い信頼関係が、本作に深みをもたらしたようだ。
岡山県・瀬戸内のロケーション
また、本作において最も重要な要素でもあるのが、瀬戸内のロケーションと、人の温かさである。備後を舞台にした本作のロケは、岡山県で行われた。本当の生活感がある街並みでの撮影にこだわったという監督の考え通り、岡山での撮影は、その町に住む人々の温かさまでもがプラスに働いた。
本作で北村さん演じるアキラの婚約者・由美を演じた杏さんは「商店街がノスタルジックな街並みで、町の皆様もとても協力的でした。たえ子さん(薬師丸ひろ子)のお店のお向かいがちょうど魚屋さんで、『お弁当にちょっとこれ足してください』とお魚を分けてくださり、皆で食べました。ご厚意が染みて更においしかったです」と撮影時の街の人々との交流を明かした。
そして、その土地の愛情がキャスト同士の絆にも結び付いたようで、ヤスの姉のような存在で小料理屋の女将・たえ子を演じた薬師丸さんは、「出演している皆さんが本当に良い方で暖かくて、(撮影後に会ったときは)また一緒に住んでいた街の人に会うような気分になりました。本当に良いチームワークで、楽しい撮影でした」とキャストの関係性について言及。そんな町ぐるみの温かさがキャストにも伝わり、本作に素晴らしい影響を与えたようだ。
作品のテーマは「家族愛」
そして3つ目が、「家族愛」というテーマである。原作小説が出版されたのは14年前、描かれているのは昭和の終わりから現代までであるが、監督は「この作品は現代の多様な家族な在り方を描いている。だからこそこの物語は古びない」と、また阿部さんは「人々の間に距離が生じている、そんな時代だからこそ、人々が助け合って生きるこの物語が、皆様に届いてくれればいいなと思っています」と語る。本作に出てくるのは、父子家庭の家族やシングルマザー、そして町全体が家族のような存在である“備後の人々”。それぞれが描き出す“家族の形”と、それぞれの“家族愛”。この映画を通じて、いつの時代も変わらない普遍的なテーマが、家族を想い生きる全ての人々に贈られる。
さらに本作を鑑賞した原作者・重松氏は、「『荒ぶる愛って、こういうことなんだな』ーー映画館のスクリーンを蹴破ってしまいそうなヤスさんの存在感に、試写のときに圧倒されました。そして、そんなヤスさんがずっと片思いをしているアキラの凛々しさ! なにかと心ふさぐ日々だからこそ、誰よりもまず僕自身が、ヤスとアキラの物語に再びひたりたいのです」とコメントを寄せている。
『とんび』は4月8日(金)より全国にて公開。
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