1分で分かる『関心領域』特別動画 アカデミー賞音響賞の“音”にも注目

シネマカフェ2024年5月13日(月)15時10分

『関心領域』 

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A24製作、ジョナサン・グレイザー監督がアウシュビッツ収容所の隣で“幸せに暮らす”家族を描いた映画『関心領域』から、その見どころを解説した1分の特別映像が解禁された。

第96回アカデミー賞では国際長編映画賞、音響賞の2部門受賞に輝いた本作。昨年のカンヌ映画祭でプレミア上映されてから1年の時を経て、いよいよ来週末に日本公開を迎える。

日本公開が発表されてから常に注目を集めてきた本作だが、「怖い」「傑作」「難しい」「観なくてはならない映画」など、アカデミー賞発表前の特別上映などの機会ですでに映画を鑑賞した人があげる感想は様々。改めて、この話題作はどんな映画なのか、本作の見どころが1分で分かる特別映像が公開。

鑑賞するうえで本作について知っておきたいポイントは2つ。1つ目は、物語の舞台がアウシュビッツ収容所の隣であること。2つ目は、そこで幸せに暮らす家族の姿を描いた物語であること。

グレイザー監督は「観客には、彼らに自分の姿を重ねて見てもらいたい。彼らが望むものは私たちと変わらない」と語っている。

さらに本作は“音”も抑えておきたいポイントのひとつ。今回の映像でも、壁の向こう側から聞こえてくるのは何者かの叫び声や地響きのような機械音で、壁のこちら側に響くのは赤ちゃんの泣き声という両極端な音の違いが明確になる。音は、壁の向こうの様子を観客に想像させる大事な要素となっている。

さらに、各界の著名人からコメントも到着。宇垣美里(フリーアナウンサー・俳優)も音に注目しつつ、「生活の合間に漏れ聞こえる不穏な音の数々は、やがて私たちの耳を支配し、その平和の歪さを突きつける。楽園に漂う腐臭から目を背け淡々と暮らす家族に、今の自分たちを重ね、上映後なかなか立ち上がれなかった」とコメントを寄せる。

「すぐ傍には高い塀と焼却炉の煙突。煙はここまで漂ってきたはずだ。その衝撃が映画になった。しかも時空を超えた。すごい映画だ。それしか言葉がない」と評するのは森達也(映画監督・作家)。

小島秀夫(ゲームクリエイター)も「ジョナサン・グレイザーはまたトンデモない映画を時代に放った」と言い、「あなたの“関心領域”を試し、逆説的に“ホロコースト”の風化をいまに問う」と絶賛を寄せる。

山崎まどか(コラムニスト)は「描かれていないものに観客が想像力の触手を伸ばそうとするとき、感傷も冷笑もしりぞけた先にある人間性が見えてくる。残酷さが人に与えるダメージも見えてくる」とコメントしている。

『関心領域』は5月24日(金)より新宿ピカデリー、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。

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