イ・チャンドン監督、韓国映画界の“今”と目指す先を語る『ペパーミント・キャンディー』4K配信記念
シネマカフェ2022年7月19日(火)19時30分
映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」にて『ペパーミント・キャンディー』(1999)の4Kレストア・デジタルリマスター版の配信を記念して、本作で監督を務めた韓国映画界の巨匠イ・チャンドン監督の特別インタビューが解禁。特別コメント映像も到着した。
本作の公開から約20年以上の時を経て、現在の配信サービスの映画製作への参入などで変わりゆく映画業界に対する考えや、『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』に関する裏話や次回作についてなど、貴重なインタビューとなっている。
本作は韓国で封切られるや大絶賛の嵐を巻き起こし、動員50万人突破の大ヒットを記録。韓国のアカデミー賞である大鐘賞で主要5部門を独占し、全世界の映画祭で高い評価を受け日本にも多くのファンを持つ伝説的傑作。1999年、韓国の文化開放後、初となる日本・韓国合作映画でもある本作が、製作から20年の時を経て4Kレストア・デジタルリマスター版で蘇った。
配信サービスの参入で変わりゆく映画業界 イ・チャンドン監督が目指す先とは?
Q.撮影から約23年の月日が経ちますが、当時と比較して撮りたい作品に対する変化などはありますか?
『ペパーミント・キャンディー』を撮っていた時も、そして今でも、常に映画を通じて私が生きている世界そして私たちの人生について問いかける映画をずっと撮り続けたいと思っています。それは今でも変わりません。そしてそうした問いかけと共に観客と一緒に答えを探していくような、そんな映画を作っていきたいです。人生についての問いかけを今でもしています。
Q.近年、配信サービスが映画を製作することが増え、日本でもNetflix製作の韓国映画やドラマ、その他の配信サービスだけでしか観られないオリジナル作品が話題となることが多いです。監督ご自身は、配信サービスオリジナルの映画を撮ることに興味はありますか?
そうですね。プラットフォームが多様になり、観客が映画を見る環境や習慣がとても変わったと思います。もしもそうした配信サービスで観客に出会える機会があれば私もやってみたいとも思いますが、まだ私がやってみたいと思える物語に出会えていません。いつかそうした機会もあるのではないかと思っています。
Q.「JAIHO」では7月にイ・チャンドン監督が製作総指揮を務めた『私の少女』、8月には製作プロデューサーを務めた『ファイ 悪魔に育てられた少年』が配信予定です。今後一緒に映画を作り上げたい監督もしくは俳優の方がいましたら、国内外問わずで教えてください。
将来の可能性にあふれる若手の監督たちに映画を作る機会をもっと与えてほしいと思いますし、私が力になれる部分があれば力になろうとしています。私が演出をしなくても製作者という立場で参加しながら、一緒に映画を作りたい若い俳優さん、個性あふれる俳優さんたちと一緒に仕事をしたいと思っています。今は『バーニング 劇場版』で一緒にシナリオ作業をしたオ・ジョンミさんと準備している作品を書いているところで、私は製作者として皆さんのお目にかかる予定です。
Q.次回作に関して制作の予定や何か構想などがあれば可能な範囲で教えてください。
今はコロナの影響で映画製作に様々な影響がでています。しかし私も次回作を準備していますし、早く皆さんにお目にかかれたらと思っています。
コロナによる苦境で、韓国映画界に訪れた変化とは?
Q.イ・チャンドン監督の作品の多くが4Kリマスター化されています。リマスター化には監督自身がどの程度関与されているのか、国からの支援などがあるのか教えてください。
そうですね。国の支援でリマスター作業を行うこともあります。政府の機関である映像資料院でそうした支援をしています。私の映画でいうと『ペパーミント・キャンディー』は映像資料院の支援を受けてリマスター作業をしました。
そして私の作品のリマスター作業に関しては、最初から最後まで私自身も参加をして細かく作業を行います。最大限に原本の通りにするリマスター作業です。
Q.『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』について思い出すエピソードなどありましたら教えてください。
この作品は最初のチャプターと最後のチャプターで同じ鉄橋が登場しますが、最後のチャプターの時に再びその場を訪れて撮影をしようとしたところ、鉄橋で工事がはじまっていたんです。私はパニックに陥ったのですが、なんとか工事をストップしてもらって撮影をした覚えがあります。このエピソードを知って映画をご覧になると、最初に出てくる鉄橋と最後に出てくる鉄橋の微妙な違いを感じて頂けると思います(笑)。
Q.韓国映画界の変化、現在の韓国映画についての監督のお考えなどもお伺いしたいです。
映画製作はコロナの影響で厳しい部分も多いです。なぜなら今、制作された韓国映画の100本以上が劇場公開できぬまま待機しています。その反面で配信サービスコンテンツ、ドラマはとても人気です。韓国では今、ドラマ制作はとても活発です。また、映画のスタッフや俳優も今はドラマを撮っていることが多いです。映画産業は、今後観客が劇場に戻ってきてくれるかどうかの分岐点に立たされていると思います。その中でも私は私のできることをしているし、韓国映画が再び活力を取り戻すであろうと信じています。
『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』は7月20日(水)~9月17日(土)まで「JAIHO」にて配信。
本作の公開から約20年以上の時を経て、現在の配信サービスの映画製作への参入などで変わりゆく映画業界に対する考えや、『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』に関する裏話や次回作についてなど、貴重なインタビューとなっている。
本作は韓国で封切られるや大絶賛の嵐を巻き起こし、動員50万人突破の大ヒットを記録。韓国のアカデミー賞である大鐘賞で主要5部門を独占し、全世界の映画祭で高い評価を受け日本にも多くのファンを持つ伝説的傑作。1999年、韓国の文化開放後、初となる日本・韓国合作映画でもある本作が、製作から20年の時を経て4Kレストア・デジタルリマスター版で蘇った。
配信サービスの参入で変わりゆく映画業界 イ・チャンドン監督が目指す先とは?
Q.撮影から約23年の月日が経ちますが、当時と比較して撮りたい作品に対する変化などはありますか?
『ペパーミント・キャンディー』を撮っていた時も、そして今でも、常に映画を通じて私が生きている世界そして私たちの人生について問いかける映画をずっと撮り続けたいと思っています。それは今でも変わりません。そしてそうした問いかけと共に観客と一緒に答えを探していくような、そんな映画を作っていきたいです。人生についての問いかけを今でもしています。
Q.近年、配信サービスが映画を製作することが増え、日本でもNetflix製作の韓国映画やドラマ、その他の配信サービスだけでしか観られないオリジナル作品が話題となることが多いです。監督ご自身は、配信サービスオリジナルの映画を撮ることに興味はありますか?
そうですね。プラットフォームが多様になり、観客が映画を見る環境や習慣がとても変わったと思います。もしもそうした配信サービスで観客に出会える機会があれば私もやってみたいとも思いますが、まだ私がやってみたいと思える物語に出会えていません。いつかそうした機会もあるのではないかと思っています。
Q.「JAIHO」では7月にイ・チャンドン監督が製作総指揮を務めた『私の少女』、8月には製作プロデューサーを務めた『ファイ 悪魔に育てられた少年』が配信予定です。今後一緒に映画を作り上げたい監督もしくは俳優の方がいましたら、国内外問わずで教えてください。
将来の可能性にあふれる若手の監督たちに映画を作る機会をもっと与えてほしいと思いますし、私が力になれる部分があれば力になろうとしています。私が演出をしなくても製作者という立場で参加しながら、一緒に映画を作りたい若い俳優さん、個性あふれる俳優さんたちと一緒に仕事をしたいと思っています。今は『バーニング 劇場版』で一緒にシナリオ作業をしたオ・ジョンミさんと準備している作品を書いているところで、私は製作者として皆さんのお目にかかる予定です。
Q.次回作に関して制作の予定や何か構想などがあれば可能な範囲で教えてください。
今はコロナの影響で映画製作に様々な影響がでています。しかし私も次回作を準備していますし、早く皆さんにお目にかかれたらと思っています。
コロナによる苦境で、韓国映画界に訪れた変化とは?
Q.イ・チャンドン監督の作品の多くが4Kリマスター化されています。リマスター化には監督自身がどの程度関与されているのか、国からの支援などがあるのか教えてください。
そうですね。国の支援でリマスター作業を行うこともあります。政府の機関である映像資料院でそうした支援をしています。私の映画でいうと『ペパーミント・キャンディー』は映像資料院の支援を受けてリマスター作業をしました。
そして私の作品のリマスター作業に関しては、最初から最後まで私自身も参加をして細かく作業を行います。最大限に原本の通りにするリマスター作業です。
Q.『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』について思い出すエピソードなどありましたら教えてください。
この作品は最初のチャプターと最後のチャプターで同じ鉄橋が登場しますが、最後のチャプターの時に再びその場を訪れて撮影をしようとしたところ、鉄橋で工事がはじまっていたんです。私はパニックに陥ったのですが、なんとか工事をストップしてもらって撮影をした覚えがあります。このエピソードを知って映画をご覧になると、最初に出てくる鉄橋と最後に出てくる鉄橋の微妙な違いを感じて頂けると思います(笑)。
Q.韓国映画界の変化、現在の韓国映画についての監督のお考えなどもお伺いしたいです。
映画製作はコロナの影響で厳しい部分も多いです。なぜなら今、制作された韓国映画の100本以上が劇場公開できぬまま待機しています。その反面で配信サービスコンテンツ、ドラマはとても人気です。韓国では今、ドラマ制作はとても活発です。また、映画のスタッフや俳優も今はドラマを撮っていることが多いです。映画産業は、今後観客が劇場に戻ってきてくれるかどうかの分岐点に立たされていると思います。その中でも私は私のできることをしているし、韓国映画が再び活力を取り戻すであろうと信じています。
『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』は7月20日(水)~9月17日(土)まで「JAIHO」にて配信。
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