【シネマモード】ジム・ジャームッシュからの贈り物は“あたりまえを繰り返せる幸せ”
シネマカフェ2017年7月26日(水)16時30分
夏休みシーズンに入り、「日常から逃避したい」「ここではないどこかへ出かけたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
刺激的なバカンスもいいもの。でも、“平凡な毎日にこそ喜びがある”ということに気づかせてくれる素敵な映画『パターソン』が、ジム・ジャームッシュ監督から届きました。
ニュージャージー州パターソンに暮らす、バスの運転手パターソンの物語です。毎日、美しい妻ローラの隣で目覚め、たいてい一人で朝食をとり、車庫まで歩き、バスを運転し、街を眺め、乗客の会話に耳を傾けて微笑み、ランチタイムには一人静かに秘密のノートに詩を書きとめます。帰宅後は、ローラと夕食をとり、愛犬を散歩に連れ出し、その散歩道の途中のバーでビールを一杯。彼の日々は、ほぼこの繰り返しです。
それを刺激がない平凡な日々と考える人もいるでしょう。でも、単調な日々を繰り返しているからこそ、その中に生まれるちょっとした変化に気づき、そこに喜びを見出し、創作のインスピレーション源にできるのがパターソン。彼は、受動タイプのアーティストで、観たり、聞いたり、触れたりするすべてのものを豊かに吸収して、アウトプットする人。でも控えめなので作品を誰かに見せる覚悟ができず、素晴らしい才能を公に発表すべきだと常にローマから言われているのです。
そんなローラも個性的です。でもパターソンに比べると自信家で意欲的。自分の感性を外に放出しながら生きています。モノトーンが大好きで、自宅のインテリア、洋服、そしてカップケーキまで白と黒に塗ってしまうほど。そして、パターソンに持たせるランチにも、メッセージ代わりにコラージュした写真や、オレンジの皮やお弁当箱にモノトーンの柄を描くなど、参考にしたいアイディアがいっぱい。わかりやすいタイプの個性派で、頑張れば真似できそうなタイプでもあります。
でも、パターソンは違うタイプ。刺激がないと創作できないタイプのアーティストともひと味違います。バスの運転手として生計を立ててはいますが、心は真のクリエーターで、どんなものからも刺激を受けることができる豊かな感受性の持ち主。彼の生活は、つまらないものの代表格であるルーティーンワークや、誰の周りにもあるもので囲まれていて、彼は平凡の中に特別性を見出しているのです。だから、彼の詩のテーマは、お気に入りのマッチや誰も気に留めないような出来事など、身近なものばかり。同じものを観ているのに、違うものが見える。それこそ、特別な才能のであるように思えるのです。
パターソンの日々を描いた本作には、あたりまえを繰り返せる幸せに溢れています。それとちょっとした刺激。平凡な毎日を繰り返しているから、ちょっとした変化に気づけるし、それを喜ばしい、面白いと思える。彼を見ていると、毎日を面白くするのは自分次第だと感じられるのです。刺激がほしいなと愚痴ってしまったとき、それは刺激が足りないのではなくて、自分の感性が鈍くなっているだけなのかも。そんなことに気づかせてくれる作品です。
刺激的なバカンスもいいもの。でも、“平凡な毎日にこそ喜びがある”ということに気づかせてくれる素敵な映画『パターソン』が、ジム・ジャームッシュ監督から届きました。
ニュージャージー州パターソンに暮らす、バスの運転手パターソンの物語です。毎日、美しい妻ローラの隣で目覚め、たいてい一人で朝食をとり、車庫まで歩き、バスを運転し、街を眺め、乗客の会話に耳を傾けて微笑み、ランチタイムには一人静かに秘密のノートに詩を書きとめます。帰宅後は、ローラと夕食をとり、愛犬を散歩に連れ出し、その散歩道の途中のバーでビールを一杯。彼の日々は、ほぼこの繰り返しです。
それを刺激がない平凡な日々と考える人もいるでしょう。でも、単調な日々を繰り返しているからこそ、その中に生まれるちょっとした変化に気づき、そこに喜びを見出し、創作のインスピレーション源にできるのがパターソン。彼は、受動タイプのアーティストで、観たり、聞いたり、触れたりするすべてのものを豊かに吸収して、アウトプットする人。でも控えめなので作品を誰かに見せる覚悟ができず、素晴らしい才能を公に発表すべきだと常にローマから言われているのです。
そんなローラも個性的です。でもパターソンに比べると自信家で意欲的。自分の感性を外に放出しながら生きています。モノトーンが大好きで、自宅のインテリア、洋服、そしてカップケーキまで白と黒に塗ってしまうほど。そして、パターソンに持たせるランチにも、メッセージ代わりにコラージュした写真や、オレンジの皮やお弁当箱にモノトーンの柄を描くなど、参考にしたいアイディアがいっぱい。わかりやすいタイプの個性派で、頑張れば真似できそうなタイプでもあります。
でも、パターソンは違うタイプ。刺激がないと創作できないタイプのアーティストともひと味違います。バスの運転手として生計を立ててはいますが、心は真のクリエーターで、どんなものからも刺激を受けることができる豊かな感受性の持ち主。彼の生活は、つまらないものの代表格であるルーティーンワークや、誰の周りにもあるもので囲まれていて、彼は平凡の中に特別性を見出しているのです。だから、彼の詩のテーマは、お気に入りのマッチや誰も気に留めないような出来事など、身近なものばかり。同じものを観ているのに、違うものが見える。それこそ、特別な才能のであるように思えるのです。
パターソンの日々を描いた本作には、あたりまえを繰り返せる幸せに溢れています。それとちょっとした刺激。平凡な毎日を繰り返しているから、ちょっとした変化に気づけるし、それを喜ばしい、面白いと思える。彼を見ていると、毎日を面白くするのは自分次第だと感じられるのです。刺激がほしいなと愚痴ってしまったとき、それは刺激が足りないのではなくて、自分の感性が鈍くなっているだけなのかも。そんなことに気づかせてくれる作品です。
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