ジェームズ・ワンのネタバレ厳禁・新次元ホラー『マリグナント』「今年NO.1かも」「最高峰」SNS絶賛
シネマカフェ2021年11月21日(日)17時0分
『死霊館』ユニバース、『ソウ』シリーズの生みの親で、『インシディアス』シリーズなど傑作ホラーを手掛けてきたジェームズ・ワン監督が自ら書き下ろした完全オリジナルストーリー『マリグナント 狂暴な悪夢』が、先週11月12日(金)全国70スクリーンにて封切られ、SNS上には本作が描く異常なまでにテンションの高いスピード感と、予想できない展開に熱狂コメントが相次いでいる。
「ジェームズ・ワン監督究極の到達点」「まさにジャンル映画の最高峰とも言える一作」「マリグナントを舐めてました。これは今年No.1かも知れん」と、劇場公開されるやいなや、SNSを中心に絶賛が寄せられている本作。限定された上映回数ながらも公開を待ちわびていたホラー映画ファン中心に劇場へ足を運び、上々の滑り出しとなっている。
だが、監督からもネタバレ厳禁の箝口令が敷かれており、この映画の“恐怖の正体”については口をつぐむしかない。だが、なぜ観た者がみな狂気と熱狂の渦に陥っているのか、その正体に迫ってみた。
“恐怖の正体”:古典と最先端、映像演出の融合
まず1つ目は、懐古的なルックからは想像もつかない「映像に起因する新感覚ホラー」であること。ジェームズ・ワン監督も明言する通り、この映画はダリオ・アルジェント監督やマリオ・バーヴァ監督らを代表格にもつ“ジャーロ”と呼ばれる古典的なイタリアン・ホラーに影響を受けて作られている。加えてブライアン・デ・パルマ監督、デヴィッド・クローネンバーグ監督や、代表作がいきなりネタバレに抵触するため名前を上げられない監督などにも多大な影響を受けている。
それゆえ、ポスターにも現れている通り、ホラーファンたちはレトロな印象を持って劇場に足を運んだかもしれない。しかし、本編が始まるとそれが気持ちよく裏切られる。ワン監督は古典と最先端の技術を織り交ぜたオリジナリティ溢れる映像表現で観客をこの世界に誘うのだ。現実と夢が溶け出しながら移り変わるシーンや、主人公が“何か”から逃げ惑い1階のリビングから2階の寝室に駆け上がるのを頭上から追うシーンなどは見事としか言いようがない。観客は、まず最初に映像演出から視覚的な高揚感が得られるのだ。
“恐怖の正体”:ホラー、ミステリー、アクションのジャンルレス
そして2つ目は、ジャンルを縦横無尽に行き来する強烈なストーリー展開だ。全編を通して『インシディアス』や『死霊館』といった監督の“ホーム”であるホラーに軸足を置きながらも殺人鬼は一体誰なのか? といった『ソウ』で培ったサスペンス&ミステリー要素へと徐々にシフト。手がかりをヒントに主人公の過去にフォーカスしながら物語は進んでいくのだが、後半、突如として怒涛のアクションへと転じる。
ここで『ワイルド・スピードSKY MISSION』や『アクアマン』で会得したアクロバティックなカメラワークが冴え渡る。『ワイルド・スピードSKY MISSION』でドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムが出会い頭で激突したローリングカメラアクションに匹敵するアクションシークエンスを、観客は突如として強烈にかまされるのだ。そして極めつけはスーパーヒーロー映画に出てきそうなアイコニックなスーパーヴィランの圧倒的存在感とその正体。ホラーに留まらないこの壮絶なジャンルのギアチェンジが観客を熱狂の渦に陥れるポイントになっている。
“恐怖の正体”:ホラーに帰還したからこそ、斬新なアイディアで
3つ目はワン監督のホラー映画への飽くなき探究心とその作家性にある。『インシディアス』『死霊館』と大ヒットホラーを生み出し、様々なホラー演出を手がけてきたワン監督が『死霊館 エンフィールド事件』を監督してから約5年後、この『マリグナント 狂暴な悪夢』で満を侍してホラー映画に帰還した。
ワン監督の“ホーム”であるホラージャンルで、これまでやってきたことをトレースするだけではつまらない。これは観客が思っている以上に監督がその気持ちを強く持っていたに違いない。新しいものを見せようとする監督の気概こそが観客にしっかり伝わっているのだとも捉えられるだろう。いまやビッグタイトルを任せられるようになり大出世したワン監督だが、それにあぐらをかくことのない狂暴な作家性がこの映画には充満している。
ホラー映画とは大いにして低予算であり、無名な役者を使うことになる。それゆえにビッグバジェットの大作や名の知れたスターが出ている映画とは肩を並べにくい。ましてやオスカーの賞レースにもノミネートされることなどほぼなく、日の目を見ないこともしばしばある。
しかし、ホラー映画がそれらを超越する時がある。“アイディアが最高だったとき”だ。この『マリグナント 狂暴な悪夢』はその最高のアイディアが十二分に詰め込まれたホラー・エンターテインメントになっている。それゆえ、観客は劇場で熱狂し、絶賛の嵐となっているのだ。そのアイディアの正体は、劇場で目にしてみてほしい。
『マリグナント 狂暴な悪夢』は全国にて公開中。
「ジェームズ・ワン監督究極の到達点」「まさにジャンル映画の最高峰とも言える一作」「マリグナントを舐めてました。これは今年No.1かも知れん」と、劇場公開されるやいなや、SNSを中心に絶賛が寄せられている本作。限定された上映回数ながらも公開を待ちわびていたホラー映画ファン中心に劇場へ足を運び、上々の滑り出しとなっている。
だが、監督からもネタバレ厳禁の箝口令が敷かれており、この映画の“恐怖の正体”については口をつぐむしかない。だが、なぜ観た者がみな狂気と熱狂の渦に陥っているのか、その正体に迫ってみた。
“恐怖の正体”:古典と最先端、映像演出の融合
まず1つ目は、懐古的なルックからは想像もつかない「映像に起因する新感覚ホラー」であること。ジェームズ・ワン監督も明言する通り、この映画はダリオ・アルジェント監督やマリオ・バーヴァ監督らを代表格にもつ“ジャーロ”と呼ばれる古典的なイタリアン・ホラーに影響を受けて作られている。加えてブライアン・デ・パルマ監督、デヴィッド・クローネンバーグ監督や、代表作がいきなりネタバレに抵触するため名前を上げられない監督などにも多大な影響を受けている。
それゆえ、ポスターにも現れている通り、ホラーファンたちはレトロな印象を持って劇場に足を運んだかもしれない。しかし、本編が始まるとそれが気持ちよく裏切られる。ワン監督は古典と最先端の技術を織り交ぜたオリジナリティ溢れる映像表現で観客をこの世界に誘うのだ。現実と夢が溶け出しながら移り変わるシーンや、主人公が“何か”から逃げ惑い1階のリビングから2階の寝室に駆け上がるのを頭上から追うシーンなどは見事としか言いようがない。観客は、まず最初に映像演出から視覚的な高揚感が得られるのだ。
“恐怖の正体”:ホラー、ミステリー、アクションのジャンルレス
そして2つ目は、ジャンルを縦横無尽に行き来する強烈なストーリー展開だ。全編を通して『インシディアス』や『死霊館』といった監督の“ホーム”であるホラーに軸足を置きながらも殺人鬼は一体誰なのか? といった『ソウ』で培ったサスペンス&ミステリー要素へと徐々にシフト。手がかりをヒントに主人公の過去にフォーカスしながら物語は進んでいくのだが、後半、突如として怒涛のアクションへと転じる。
ここで『ワイルド・スピードSKY MISSION』や『アクアマン』で会得したアクロバティックなカメラワークが冴え渡る。『ワイルド・スピードSKY MISSION』でドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムが出会い頭で激突したローリングカメラアクションに匹敵するアクションシークエンスを、観客は突如として強烈にかまされるのだ。そして極めつけはスーパーヒーロー映画に出てきそうなアイコニックなスーパーヴィランの圧倒的存在感とその正体。ホラーに留まらないこの壮絶なジャンルのギアチェンジが観客を熱狂の渦に陥れるポイントになっている。
“恐怖の正体”:ホラーに帰還したからこそ、斬新なアイディアで
3つ目はワン監督のホラー映画への飽くなき探究心とその作家性にある。『インシディアス』『死霊館』と大ヒットホラーを生み出し、様々なホラー演出を手がけてきたワン監督が『死霊館 エンフィールド事件』を監督してから約5年後、この『マリグナント 狂暴な悪夢』で満を侍してホラー映画に帰還した。
ワン監督の“ホーム”であるホラージャンルで、これまでやってきたことをトレースするだけではつまらない。これは観客が思っている以上に監督がその気持ちを強く持っていたに違いない。新しいものを見せようとする監督の気概こそが観客にしっかり伝わっているのだとも捉えられるだろう。いまやビッグタイトルを任せられるようになり大出世したワン監督だが、それにあぐらをかくことのない狂暴な作家性がこの映画には充満している。
ホラー映画とは大いにして低予算であり、無名な役者を使うことになる。それゆえにビッグバジェットの大作や名の知れたスターが出ている映画とは肩を並べにくい。ましてやオスカーの賞レースにもノミネートされることなどほぼなく、日の目を見ないこともしばしばある。
しかし、ホラー映画がそれらを超越する時がある。“アイディアが最高だったとき”だ。この『マリグナント 狂暴な悪夢』はその最高のアイディアが十二分に詰め込まれたホラー・エンターテインメントになっている。それゆえ、観客は劇場で熱狂し、絶賛の嵐となっているのだ。そのアイディアの正体は、劇場で目にしてみてほしい。
『マリグナント 狂暴な悪夢』は全国にて公開中。
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