のん&滝藤賢一『私にふさわしいホテル』は文豪に愛された「山の上ホテル」で撮影

シネマカフェ2024年12月1日(日)16時0分

『私にふさわしいホテル』(C)2012柚木麻子/新潮社 (C)2024「私にふさわしいホテル」製作委員会

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のん主演『私にふさわしいホテル』の舞台となったのは、川端康成三島由紀夫ら文豪たちに愛された「山の上ホテル」。この度、同ホテルで撮影されたキャラクターたちの場面写真がシネマカフェに到着した。

新人賞を受賞したにもかかわらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評だった――。

本作は、のん演じる加代子が文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、文豪気分を味わいにくるところから始まる。

そこに大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)がやってきて、上階に文芸誌の締切のため東十条がカンヅメ中だと聞かされる。



そこで加代子は不遇の元凶である東十条への恨みを晴らすべく、「騒音作戦」「三島の亡霊作戦」を考え、部屋に乗り込んでひと芝居打つ、といった奇想天外な作戦で東十条の執筆の邪魔をするのだったが…。

そんな本作の舞台になった山の上ホテルは1954(昭和29)年に開業、70年の歴史を持つホテル。

川端康成や池波正太郎ら、多くの著名な作家たちが利用し、「金閣寺」や「仮面の告白」の三島由紀夫も「東京の真中にかういう静かな宿があるとは思わなかった。設備も清潔を極め、サービスもまだ少し素人っぽい処が実にいい。ねがはくは、ここが有名になりすぎたり、はやりすぎたりしませんやうに」と手紙に書き残すほどホテルを気に入っていたという。「ムーミン」の原作者トーベ・ヤンソンも宿泊したことがある。

その魅力は、単なる宿泊施設としてだけでなく、作家たちにとっての特別な創作の空間としての価値があったのだろう。

周辺は多くの出版社が建つ神田・神保町に近い立地ということもあり、創業当時より様々な作家たちが「カンヅメ」で執筆活動することに利用していた。そして、かつて芥川賞を受賞した作家たちはほとんどここで受賞後第1作を執筆するという「文化人のホテル」としても知られている。

今年の2月に建物の老朽化への対応を検討するため休館していたが、明治大学が2031年の創立150周年記念事業の一環として「山の上ホテル」の土地と建物を取得し、再整備することが11月15日に発表された。

今回、そんな山の上ホテルで実際に撮影された場面写真が解禁。のん演じる加代子が自分の執筆に集中する姿と80年代らしいスタイリングが、山の上ホテルの持つレトロで温かみのある空間と絶妙にマッチ。

東十条の浴衣姿は、歴史あるホテルの中ではまさに大御所作家の雰囲気を纏って印象的に映し出されており、また遠藤も昭和の雰囲気が漂い、作品の世界観をホテルがより一層引き立てている。

本作の撮影にあたり、堤幸彦監督は「部屋自体はそんなに広くはないのですが、1つとして同じ部屋がないんじゃないかというぐらい、レイアウトが面白い。全てにおいて1番よく見える角度とポイントと高さがあるんです。計算された調度品、絵画が飾ってある廊下の照明の明るさをも『ちゃんと撮ろう』とすごく苦労しました」と明かしている。

『私にふさわしいホテル』は12月27日(金)より全国にて公開。

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