北朝鮮に逃げ込む「外国人犯罪者」…外貨提供でぜいたく三昧
北朝鮮においても諸外国と同様、覚せい剤の密売・乱用や詐欺行為は犯罪であり、取り締まりの対象となる。覚せい剤汚染が深刻化の一途を辿っているのは、司法機関の腐敗のためであり、これら不法行為がまったく放置されているわけではない。
しかし、北朝鮮が取り締まるのは国内で発生した犯罪行為だけだ。中国やロシアとの間で犯罪人引渡協定は結ばれているが、他国との「捜査協力」なるものが存在するのか疑わしい。
そこに目を付け、北朝鮮に逃げ込んだ犯罪者たちが、同国秘密警察の庇護を受けていると韓国のリバティ・コリア・ポスト(LKP)が伝えている。
LKPによれば、中国の情報機関である国家安全部が最近、北朝鮮の秘密警察である国家保衛省に対し、自国民の犯罪者を引き渡すよう強く要請しているという。
北朝鮮の消息筋がLKPに語ったところによると、中国国家安全部は2016年、北朝鮮の経済特区である羅先(ラソン)のエンペラーホテルのカジノで借金を作り、同国内に足止めされている自国民の犯罪者40人のリストを国家保衛省に送り、彼らを送還させることを強く要求したという。
「しかし国家保衛省は、彼らは北朝鮮の銀行に多額の負債があると主張し、送還費用として1人当たり3億人民元(約48億円)を要求。中国国家安全部は即座にこの要求を拒絶した」という。
LKPは説明していないのだが、この話が事実であれば「カジノの借金」というのは北朝鮮が中国人犯罪者を保護するための口実だ。借金を返せないただの一文無しであれば、国家保衛省は彼らを直ちに追放するだろう。実際、LKPの消息筋は次のように続けている。
「その後、北朝鮮にはこの連中のほかに、麻薬中毒者やその他の国際犯罪に関わった約300人の中国人が滞在している。彼らは中国の家族からの送金を受け、豪華な生活を維持している」
拝金主義がまん延する現在の北朝鮮であれば、確かにその通りかもしれない。だがそれは、お金がなくなったら「一巻の終わり」であることを意味してもいる。中国からの送金が途絶えた瞬間、北朝鮮当局は彼らを中国に送還するどころか、自国内で闇から闇へ葬ってしまうかもしれない。
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