北朝鮮で富裕層女性殺害事件、残忍な手口に恐怖広がる
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、北朝鮮は国境を閉鎖し、事実上の鎖国状態となっている。未確認ながら、各地で感染者が発生しているとの情報が広がり、社会全体がざわついている中で、残忍な犯罪が発生した。
両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、先週起きた殺人事件の詳細を語った。
事件の犠牲となったのは、恵山(ヘサン)市の恵江洞(ヘガンドン)に住んでいた40代女性のチェさん。脱北して韓国に暮らす人からの仕送りを、北朝鮮に残された家族に手渡す送金ブローカーの仕事をしていた。手数料は、送金額の20〜30%(韓国の北韓人権情報センター調べ)と非常に高額なこともあり、チェさんはかなり裕福な暮らしをしていた。
事件が起きたのは今月5日のことだ。チェさんの親戚が家を訪ね、外から呼びかけたが返事がなかった。ドアが開いており、家に入ってみたところ、居間でチェさんが死んでいた。その日の夜中に自宅に侵入した何者かに鈍器で殴られ、死亡したものと思われる。通報を受けた保安署(警察署)は捜査に乗り出した。
現場検証の結果、チェさんの頭部、頸部に傷があったことから、保安署は犯人がまずチェさんの頭部を鈍器で殴ったあとで、首を絞めたものと見ている。
北朝鮮では、金持ちであっても見せびらかすことはせず、静かに暮らしている人が多い。金持ちであることが知れ渡ると、犯罪者に狙われるだけでなく、保安署や保衛部(秘密警察)などのタカリのターゲットになりかねないからだ。警戒心の強かったチェさんは、近所付き合いもあまりしていなかったという。
新型コロナウイルスへの警戒から、北朝鮮でも騒がしい状況が続いていることもあり、今回の捜査には保衛部(秘密警察)も参加している。しかし、事件発生から数日が経っても、犯人につつながる遺留品、殺害動機となりうる人間関係など、何も明らかにできていないという。
北朝鮮では、国際社会の制裁による経済難で犯罪が増加傾向にあると伝えられているが、治安機関は国民の安全を守ることよりも、体制の維持を最優先に考えるため、犯罪捜査においては役に立たないこともしばしばある。
また、残忍な事件の発生も伝えられてはいるものの、北朝鮮メディアは原則として事件報道を行わないため、実際にどれくらい発生しているのかはわかっていない。
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