【虎に翼】虚構の贈収賄事件はなぜ起きた?主犯とされた大物の“リアル手記”

2024年5月3日(金)8時0分 ダイヤモンドオンライン

【虎に翼】虚構の贈収賄事件はなぜ起きた?主犯とされた大物の“リアル手記”

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寅子の父が逮捕されたモデルは実際にあった「帝人事件」

Photo:Diamond

 大人気のNHK連続テレビ小説「虎に翼」は、日本初の女性弁護士・三淵嘉子の半生を描いたオリジナルストーリーだが、登場人物やドラマ中で起こる出来事は史実に基づいているものが多い。

 第5週「朝雨は女の腕まくり?」では、ヒロインである猪爪寅子の父、猪爪直言が贈収賄容疑で逮捕され、「共亜事件」という政財界を揺るがす大汚職事件に巻き込まれる展開となっている。

 この「共亜事件」のモデルは、1934年に実際にあった「帝人事件」と考えられる。台湾銀行が保有する帝国人造絹糸(現帝人)の株式が不正取引され、その売却益が政財界にばらまかれたとする贈収賄事件である。

 1934年1月、戦前の五大新聞の一つである「時事新報」がこのスキャンダルを報じると、帝人や台湾銀行の経営者だけでなく、大蔵省の次官や銀行局長らが逮捕され、さらに当時の斎藤実内閣が総辞職に追いやられ、現職の商工大臣や鉄道大臣まで逮捕されるという大事件に発展した。

 寅子のモデルである三淵の父に当たる武藤貞雄は事件の舞台となった台湾銀行に勤めていた。武藤が実際に逮捕・起訴されたという記録はないが、この事件では政財界から200人以上が警察の事情聴取を受けたという。「帝人事件で引っ張られなければ一流ではない」とまでいわれていたようだ。


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