「日本は謝罪と賠償だけしていろ」北朝鮮、首脳会談当日に主張
ベトナム・ハノイでの米朝首脳会談が初日を迎えた27日、北朝鮮が日本に対し、過去清算を迫る非難をぶつけた。北朝鮮のこのような主張は今に始まったものではなく、最近でもよく出されていたものだ。
しかし、米朝首脳会談のタイミングにストレートにぶつてけてくるとは、今後の日朝関係を占う材料になりそうだ。
朝鮮労働党機関紙・労働新聞は同日、日本が国連安全保障理事会の常任理事国を目指すのは「せん越で無分別」であるとする論評を掲載した。
論評は、日本は第2次世界大戦の「戦犯国の中で唯一に過去清算を正しくしなかった国だ」としながら、「日本が図々しくも世界の平和と安全保障を使命とする国連安保理常任理事国のポストを欲しがること自体が国連憲章に対する露骨な無視であり、人類の良心に対する愚弄、挑戦である」と主張。
そのうえで、「日本がやるべきことは、特大型反人倫犯罪に対する国家的・法的責任を認め、徹底した謝罪と賠償をすることだけ」だと強調した。
最近の北朝鮮の対日非難には、大きく2つの流れがある。ひとつは今回のように歴史問題に言及し、日本に朝鮮半島支配の過去清算を迫る論調だ。そしてもうひとつの流れが、日本の軍備増強に対する非難だ。
いずれも、その目的のひとつは、米国に対して「わが国にとって、日本は問題である」ということを強調することにあるのではないか。
最も射程の長い大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、米国との非核化対話の中で、当然に廃棄の対象になる。しかし日本にとっての脅威は短・中距離弾道ミサイルであり、日本政府はそれらの全廃を主張している。
だが北朝鮮としても、装備のほとんどが老朽化し、また軍紀のびん乱で軍が弱体化している現状では、「虎の子」の弾道ミサイル戦力をそう簡単に手放せない事情もある。
金正恩党委員長は、日朝の関係改善が進まない状況をトランプ米大統領に強調し、それを交渉のカードの1枚にしようとしているのかもしれない。
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