中国高速鉄道の静音車両、ハイテクかと思いきや「超人工的」だった―香港メディア
29日、香港メディア・香港01は、中国国内の高速鉄道に導入した「静音車両」について、利用したネットユーザーの間で議論が起きていることを報じた。写真は中国高速鉄道の静音車両。
2024年2月29日、香港メディア・香港01は、中国国内の高速鉄道に導入した「静音車両」について、利用したネットユーザーの間で議論が起きていることを報じた。
記事は、公共交通機関を利用した際に大声で叫んだり、スマートフォンの大きな音が流れたりしない静かな環境を求める人は多いとした上で、中国の一部高速鉄道路線で「静音車両」が出現したと紹介。北京―広州、北京―ハルビン線など主要路線に設定された「静音車両」はアプリを通じて座席予約が可能で、追加料金なしで利用できる一方、7歳までの子連れは利用できないと説明した。
そして、「静音車両」に乗車するとまずスマホなどの電子機器をマナーモードに設定するよう注意喚起されると伝えるとともに、実際に体験したネットユーザーによる「特殊な吸音材を使うなどハイテクを駆使して静音環境を実現するのかと思っていたが、完全に人手による静音化だった。簡単に言えば、誰かが話せば乗務員がやって来て黙らせるってこと」という感想を紹介した。また、ほかの体験者からも「友人と小さな声で話しただけなのにすぐさま乗務員が来て止められた。結局5時間車内で黙って座る羽目になった」「ひそひそ話していたのに乗務員に注意された」との声が出ており、乗務員が「まるで試験監督のようだ」という冗談交じりのコメントも見られたと伝えている。
記事は「静音車両」の存在について「電話に出たい時はどうするのか。居眠りしていびきをかいてしまったらどうするのか」「子連れ専用車両をつくればいいだけの話」という否定的な意見が聞かれるとする一方で、「社会の発展に伴い、移動の質を求める声も強まっており、静音車両の登場は多くの利用客の期待に応えた」という報道も見られると紹介。今後、車両内の「静音」をどのように実現すべきなのか、どうして「静音車両」に期待を寄せる人がいるのか、その背後に存在する社会の意識変化といった点について、真剣に考える価値がありそうだと評した。(翻訳・編集/川尻)
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