インド株式市場の資金調達能力は中国の4倍以上―米メディア
香港メディアの香港01は16日、米ブルームバーグの報道を引用し、「インド株式市場の資金調達能力は中国の4倍以上」と伝えた。
香港メディアの香港01は16日、米ブルームバーグの報道を引用し、「インド株式市場の資金調達能力は中国の4倍以上」と伝えた。
記事によると、このほど行われたブルームバーグ「マーケッツ・ライブ・パルス」調査では、インドについて「景気拡大を企業の利益に変える能力があり、日本や中国よりも投資の見通しが良い」との結果が示され、「中国の株式市場の評価額が魅力的な低水準にあり、日本でもコーポレートガバナンス(企業統治)の改善が進んでいるものの、同調査に回答した390人の半数近くが、この3カ国の中でインドを最適な投資先に選んだ」という。
ブルームバーグは「中国の主要株価指数は3年前のピークから約4割も下落しており、デフレや持続的な住宅危機が経済を圧迫している」と指摘。調査回答者の半数以上が「今後12カ月間、中国株式市場のパフォーマンスはインドや日本に及ばない」との見通しを示したとした。
記事によると、今年3月までの1年間にインド株式市場には250億ドルの純資金が流入したが、中国市場には53億ドルにとどまった。インド株式市場の好材料には、人口の成長や、中流階級の拡大が企業利益を押し上げるとのポジティブな見通しがあるという。
インドが選ばれる理由
スイスの資産運用会社ユニオン・バンケール・プリべ(UBP)のアジア株式調査責任者キーラン・カルダー氏は「割安な中国株式市場ではなく、割高なインド株式市場を選択することには多くの理由がある」とし、国内総生産(GDP)の成長が利益成長により大きく波及すること、インド株がより高採算で成長を続けている実績があること、地政学的な環境も安定していることをポイントに挙げた。
ブルームバーグのデータによると、インド株は現在、来年の予想利益の約23倍で取引されており、日本の約17倍、中国の約9倍を上回り、さらには米国をも超えているという。
また、M&Gインベストメンツのポートフォリオマネジャー、ビカス・パーシャド氏は「現在、インド株はMSCI新興国市場指数の18%を占めている。中国は25%だが、この比重は数年前に40%を超えていたのに比べて著しく低下している」と指摘した。
記事はこのほか、「調査回答者の4割超がインドのインフラ整備に注目しており、インド政府は2025年度予算で5年前の3倍余りとなる11兆ルピーを計上しているほか、モディ首相も30年までの6年間にインフラ近代化のため143兆ルピーを投じる方針を示している」と指摘。また、「インドは世界の製造分野で中国の代替先として急速に台頭しており、米アップル社などが同国で生産施設を拡大している」とし、インドでは今年総選挙が控えており、与党が敗れればこうした計画がとん挫する可能性があるものの、ほとんどの回答者は市場に与える影響を懸念していないと伝えた。(翻訳・編集/北田)
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