「金正恩氏は何かあると、すぐに妹を呼ぶ」韓国閣僚が証言
今月初めに芸術団を率いて北朝鮮を訪問し、金正恩党委員長といっしょに芸術公演を鑑賞した韓国の都鐘煥(ト・ジョンファン)文化体育観光相が、面白いことを言っている。
都氏はこのとき、2時間半にわたり金正恩氏と同席し、彼と側近らとのやり取りをつぶさに観察した。そしてそのときのことを、17日に行われた外信との懇談会で、次のように証言したのだ。
「公演を見ながら指示すべきことが生じると、随行員の中でも、金副部長を呼ぶことが多かった。そうやって指示を与えながら、話し合う姿を直接見ました」
ここで言われている金副部長とはほかでもない、妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長のことだ。
金正恩氏が、以前から妹を大事にしてきたことはかなり前から言われていた。大事にし過ぎて、彼女の友人を大量に失踪させる「事件」まで起こしたほどだ。
その後、金与正氏は金正恩氏の動線を管理するまでになる。近年、米韓が北朝鮮指導部に対する「斬首作戦」の導入を検討してきた状況がある上に、金正恩氏には一般人と同じトイレを使うこが出来ないという状況もある。そんな条件下で金正恩氏の動きを取り仕切る事ができるのは、やはり信頼できる身内しかいなかったのかもしれない。
また、金正恩氏には「パーティ狂い」の噂もある。ある脱北者の情報によれば、金与正氏は兄に対し、「お酒はほどほどになさい」と言って諫めることもあるという。たしかに、これまで数多くの幹部が些細なことで金正恩氏の逆鱗に触れ、無慈悲に処刑されてきたことを考えれば、実の妹でもなければ恐ろしくて何も言えないだろう。
それにしても、金王朝の一員の成長過程が、このように外部から観察された例は初めてかもしれない。そういった意味では、金与正氏には外部から見て謎めいた印象が薄い。そこから生まれる安心感が、彼女がいま、金正恩氏の主導する「微笑み外交」で前面に立っている理由のひとつかもしれない。
Copyright(C)DailyNKJapan 2014
「閣僚」をもっと詳しく
「閣僚」のニュース
-
14議員19団体の使途公開緩く 閣僚、党首の後援会など5月19日21時5分
-
中国閣僚が「電撃失脚」、かつては「習国家主席特使」を務めたこともある唐仁健農相5月19日14時30分
-
中国、農業農村相が規律違反疑い 現職の閣僚級調査は異例5月18日20時59分
-
OECD声明、「AI原則」改定 偽・誤情報への対応強化5月4日7時56分
-
GWに日本の大臣の3分の2が海外へ、その目的は—仏メディア5月2日17時0分
-
【最新】公表された育成就労制度の法案を徹底分析するセミナーを開催!3月22日15時46分
-
UAEにおける女性のエンパワーメント3月8日18時46分
-
シンガポールGP主催側との汚職事件で閣僚が起訴。今後のF1開催契約に政府は“疑問なし”1月21日21時5分
-
北朝鮮とロシア、経済協力で閣僚級会談12月14日13時5分
-
「徴用工判決は反日種族主義だ」韓国の“次期閣僚”が繰り出す次の一手7月1日6時23分