「氷河期世代」はなぜ日本を長年悩ませてきたのか―中国メディア
14日、環球時報は、日本で「氷河期世代」と呼ばれる世代が日本を長きにわたり悩ませていると題した評論記事を掲載した。
2024年5月14日、環球時報は、日本で「氷河期世代」と呼ばれる世代が日本を長きにわたり悩ませていると題した評論記事を掲載した。
記事は、日本ではバブル崩壊後の就職氷河期(1993~2005年)を経験した1970~82年生まれの世代を「氷河期世代」と呼ぶと紹介。この世代は氷河期の激烈な競争の末に正規雇用を勝ち取ったエリート層と、安定した職に就けない非正規労働者との間に深刻な階級分化が発生し、「新卒」というステータスが重んじられる日本の雇用市場では非正規労働者の再就職が阻まれ、格差はさらに拡大することになったと伝えた。
また、日本では90年代後半に卒業後に進学も就職も求職もしない「すねかじり族」が急増、15〜24歳の「すねかじり族」の数は97年の8万人から2003年には40万人へと5倍に増えたほか、収入がないだけでなく、人付き合いを拒否し、親に頼って長期間家から出ない「引きこもり」が数十万人に上り、社会問題化したと伝えた。
さらに、現代日本の深刻な社会問題である低欲望と少子化も氷河期世代と密接に関係しており、就職難が氷河期世代を消極的・幻滅的にし、社会全体が「どんなに頑張っても希望が見えない」という現実の中で次第にやる気を失っていったとした。
そして、今や氷河期世代がすでに中年となり、70代、80代の親が、経済的な収入のない40代、50代の子を養わなければならないという「7040問題」「8050問題」が発生しているとも指摘。親が亡くなれば子の生存が危ぶまれることになるとし、日本の社会保障・福祉制度の負担も今後ますます増えていくことになると伝えた。
記事は、日本政府は21世紀初頭から氷河期世代への就労支援を強化してきたと紹介。特にここ数年は「中年の危機」に陥いる氷河期世代の支援に力を注ぎ、19年には内閣府が「氷河期世代就職支援推進室」を設置し、5年以内に氷河期世代から新たに30万人の正規労働者を創出することを目標に掲げ、一定の成果が出始めているとする一方、「問題解決は一朝一夕に達成できるものではなく、氷河期世代への対応は長い道のりが必要だ」と評した。(翻訳・編集/川尻)
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