コロナ鎖国で部品不足…北朝鮮で農業機械の7割が稼働できず
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は12日、「田植えにすべての力量と手段を総動員して、今年の穀物高地占領の突破口の開こう」という社説を掲載した。都市住民を大量に動員して、一気に田植えを行う「田植え戦闘」の雰囲気を盛り上げるためのこの社説には、次のようなくだりがある。
「田植えを適期に質的に行うには、農業機械のフル稼働を保証しなければならない」
ところが、農業生産を高めるための決起集会で、とんでもない大失態が起きてしまった。
平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、平城(ピョンソン)競技場で先月末、農業機械出帆式が開かれた。そこに参加したトラクターは、エンジン音を響かせ雰囲気を盛り上げるはずだったが、うち数台がエンジントラブルを起こし、始動しない事態となった。
結局、トラクターは別の車に牽引されて撤去される憂き目にあい、雰囲気は台無しに。この件はその後、社会的な問題になっているという。
エンジンがかからなったことについて、情報筋は「修理に問題があった」と説明した。
「トラクターの付属品工場で生産されたピストンはそのまま使ってはならず、精密に研磨しなければならない。しかし、諸事情で研磨がなされなかったことで、起きた事故であることが判明した」
おそらく、今までは中国などから輸入したピストンを使っていたが、コロナ鎖国で輸入が困難となり国内生産に切り替えたものの、技術、装備の不足でまともな部品が作れなかったようだ。それをそのまま使ってしまったことで、問題が発生したものと考えられる。
韓国貿易投資振興公社(KOTRA)が4月に出した「対中貿易制限の余波で危機に瀕した北朝鮮の農家」という報告書によると、農業機械を補修するための部品は中国から輸入してきたが、コロナ対策として輸入を制限した結果、部品調達ができなくなり、農業機械の7割が使えなくなっているとのことだ。
田植え戦闘を巡っては、技術不足で苗を大量に枯らせた農場幹部が大量逮捕されるなど、様々なトラブルが続出している。
Copyright(C)DailyNKJapan 2014
「農業」をもっと詳しく
「農業」のニュース
-
今が旬の新たまねぎ、そしてたまねぎの価格はいずれも前年比10%以上アップ5月24日13時16分
-
<ホテルオリジナル「旬房米」10周年田植えイベント開催レポート>グランド ハイアット 東京が農業人口減少と自然環境課題への取り組みを支援5月24日10時16分
-
【東京農業大学第三高等学校附属中学校】「ウェビナー学校説明会」を5月30日(木)19時より開催(要予約)5月23日17時48分
-
アメリカン・エキスプレス、初めて農業特化型のビジネス・マッチング・イベントを、北海道で開催5月23日16時16分
-
食が未来を創る!農業から医療まで一体となって“食と健康”を討論5月23日13時0分
-
Green Carbon株式会社は、ASINCVとベトナムでのAWD導入によるカーボンクレジット創出への協力に関するMOUを締結5月23日11時16分
-
NEC X、農業自動化ソリューションを開発・提供するVerdi Expeditions Inc.に出資5月23日11時16分
-
出店数約200店!「フェルム・ド・フェスVol.18」開催のお知らせ5月23日10時46分
-
FAO 「国際お茶の日」を祝う、茶文化と業界の発展に焦点を5月22日20時50分
-
全農群馬県本部との業務提携に関するお知らせ5月22日16時46分