大火事の原因は「不純分子」のしわざ?北朝鮮当局の弁明に批判
北朝鮮の両江道(リャンガンド)の恵山(へサン)で火災が発生し、恵山駅舎とその周辺が全焼する被害が出た。当局は対応の遅れで被害を拡大させながら、責任逃れの弁明を繰り返し、市民の怒りを買っている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
現地の情報筋によると、出火元は駅舎だった。火は素早く燃え広がり、周囲の建物もすべて燃えてしまった。火災の原因は明らかになっていないが、被害が拡大したのは、保安署(警察署)消防隊の出動が遅れたことが原因だと情報筋は指摘する。
保安署は原因究明の調査に乗り出したものの、被害範囲があまりにも大きく、どこから調査を行えばいいのかわからず、あたふたするばかりだった。結局、架空の犯人に責任をなすりつけることで、ごまかそうとしているもようだ。
「当局は『経済的に苦しく国内的に複雑な情勢のスキを突き、社会不安を煽るため不純分子どもが行った策動』に仕立てようとしている」(情報筋)
以前なら「南朝鮮(韓国)の国家情報院の破壊工作だ」というのがよくある言い訳だったが、南北対話の流れを受けて使えなくなったのか、情報筋は「南」に言及していない。
当局は「こういう時こそ、警戒心を高めよ」などと言って、人民班(町内会)の会議を招集させている。
このような動きに対して市民は批判的だ。
別の情報筋は、事件や事故の多発で広がる不安、不満をそらせるために「不純分子の策動」にしようとしているとして、市民の間から批判の声が上がっていると伝えた。
市内では、駅前以外でも火災が発生しているが、そのほとんどが漏電によるものだったという。地域では、長期間にわたり電気がほとんど供給されない状態が続いていた。最近になって電気の供給が増えたため、市民が一斉に電化製品を使おうとし、老朽化した設備に負荷がかかったことが、火災の原因だと情報筋は説明した。
北朝鮮では設備の老朽化などによる事故が相次いでおり、今年の3月5日には、両江道の各地で交通事故が多発し、合わせて300人が死亡している。
Copyright(C)DailyNKJapan 2014
「北朝鮮」をもっと詳しく
「北朝鮮」のニュース
-
北朝鮮、軍事衛星打ち上げ準備の兆候 韓国が指摘5月24日19時40分
-
韓国拉致家族「再会願う」 現場にモニュメント設置5月24日18時32分
-
北朝鮮が軍事偵察衛星の発射準備か…韓国軍関係者「推定される状況確認」、米韓が動向監視5月24日18時27分
-
韓国軍関係者「北朝鮮が偵察衛星打ち上げ準備とみられる状況」5月24日16時26分
-
「お泊りして韓ドラ三昧」だった金正恩のボディガード5月24日13時43分
-
「昼飲みでグデングデン」酔っ払いが足を引っ張る北朝鮮の農業政策5月24日13時35分
-
ロシア・北朝鮮の軍事協力で11団体・1個人に資産凍結措置 政府が閣議了解5月24日11時26分
-
政府、ロシアへの軍事協力で制裁 北朝鮮11団体1個人の資産凍結5月24日10時49分
-
韓国政府、シリア拠点の北朝鮮企業代表ら7人やロシア船を独自制裁対象に5月24日10時41分
-
北朝鮮で「銃声のしない戦争」金正恩の過激な山火事対策5月24日6時4分