ウラジオストクの北朝鮮レストラン、コロナ不況で相次ぎ閉店
近年、ロシア沿海州のウラジオストクを訪れる外国人観光客が急増している。
沿海州政府の発表によると、2019年に同地域を訪れた外国人は94万1000人で、前年比で21%増加した。うち観光目的の訪問者は76万2819人で、前年比で17%増加。最も多かったのは中国人の45万6000人で8%増、次いで韓国人の30万4000人で、最も大きな伸びを見せたのは日本人の3万5000人で、前年比70%も増えている。
ロシアと韓国は2014年にビザ免除協定を結び、韓国人観光客主導でウラジオストクブームが広がり、それが一昨年ごろから日本にも飛び火。日本航空は今年2月、全日空はその翌月に成田とウラジオストクを結ぶ路線を開設した。(現在は新型コロナウイルスの感染拡大で運休中)また、e-ビザ(電子ビザ)導入も、観光客増加を後押しした。
韓国人、日本人観光客の間で人気を集めているのが、北朝鮮が運営する北朝鮮レストランだが、観光客が全く訪れなくなり、閉店に追い込まれている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
ウラジオストク在住の高麗人(朝鮮系ロシア人)情報筋によると、コロナの長期化で、海岸沿いの一等地にあった「豆満江」がオープンからわずか7ヶ月で閉店した。
今年3月にオープンしたこのレストランは、市当局のレストラン営業制限にもかかわらず、ヤミ営業を行うなど、なりふり構わぬ生き残り策を講じていたが、料理の味がロシア人受けせず、従業員のサービスも愛想がなく、あまり人気がなかったという。
情報筋によると、ウラジオストク市民はこれについて、いかに外貨難で苦しんでいても、コロナ感染拡大の真っ只中にレストランをオープンさせるのは無謀だと語っているという。
別の情報筋によると、「豆満江」に加え、平壌冷麺の有名店、玉流館から派遣された料理人が働いていた「金剛山」も閉店した。ウラジオストクの北朝鮮レストランは、町外れにあるコロナホテルの1階に併設され、日本や韓国のガイドブックにも多く取り上げられている「平壌館」と、カニ料理が人気を集めている「高麗館」の2軒を残すのみとなった。
かつては外貨稼ぎビジネスの花形だった北朝鮮レストランだが、国際社会の制裁に加え、コロナの長期化で、風前の灯火となっている。
だが、そんな暗闇に、わずかばかりではあるが希望の光が差しつつある。ロシアは先月27日から、韓国を含めた4カ国との航空便の運行の再開を認め、韓国国民の入国禁止措置も解除した。一方、日本との航空便は再開されておらず、入国も認められていない。
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