石川県代表の星稜・河合監督、多くの応援とサポートに感謝 「“星稜らしい”戦いが見せられた」
サッカーキング2024年1月2日(火)19時3分
星稜の河合監督(左)と市立船橋の波多監督(右)[写真]=野口岳彦
第102回全国高校サッカー選手権大会3回戦が2日に行われ、星稜(石川)は市立船橋(千葉)に1-4で敗れ、3回戦敗退となった。試合後、星稜の河合信幸監督がメディア取材に応じた。
能登半島地震の発生から一夜明け、県立柏の葉公園総合競技場で行われた選手権3回戦。星稜の河合監督は、試合に臨むまでの準備期間をこう振り返った。
「皆さんが思っているほど、選手たちに動揺はなかったと思います。夕食の段階では、家族の安否も取れていたので、選手に聞いても、それほど動揺はありませんでした。(石川に)帰って状況を見て、ショックを受ける選手も多いのかなとは思っていますが、現状、この試合に関しては、本当に落ち着いて、プレーできたかなと思います」
河合監督によれば、1日夜の時点で、今回の遠征に帯同していたメンバー全員の家族の無事を確認。現時点で石川県に残っていたサッカー部員全員の無事も確認できているという。
とはいえ、精神的に難しい状況で迎える試合であることに変わりはなかった。河合監督は、選手たちに「どうすれば勇気づけることになるか、勇気づけられるかはわからない。結果、そうなってもらうように頑張ろう。とにかく一生懸命やっている姿を見せよう」と伝え、試合だけにフォーカスして準備を進めた。
「石川県の状況は映像で送ってもらっていますけど、実際どうなっているのかわからないので、帰ってみてから、いろいろな感情が出てくるのかなと思います。選手たちには、『本来、ここにサッカーをしにきているので、その目的をもう一度振り返って、切り替えよう。サッカーに集中しよう』と声をかけて、試合に臨みました」
チームのもとには多方面から応援の声が届き、さまざまなサポートを受けたことで試合までこぎつけることができたと河合監督は感謝を語る。しかし、能登半島地震の影響により、現地まで駆け付ける予定だった星稜の応援団は来場できなかった。
それでも試合当日、柏の葉公園総合競技場では、キックオフの前から両校を後押しする力強い応援が鳴り響いていた。
星稜を応援していたのは、ベンチ外となったサッカー部員や保護者だけでなく、31日に選手権で敗退した日大藤沢(神奈川)、第2試合の名古屋(愛知)と岡山学芸館(岡山)など、他校の選手や保護者らが加わった即席の応援団だった。名古屋の山田武久監督によれば、「昨日の夜の段階から生徒から申し出があった」そうで、生徒主導で自発的に応援団が結成されていったとのこと。
両校の応援が響き渡る中、試合は予定通りの12時5分にキックオフした。星稜が3回戦で対戦したのは、河合監督が「格上」と語る市立船橋。
「今日の市立船橋さんは格上なので、『より寄せを早くしないといけない』と選手たちには念押しして、ピッチへ送り出しました--。(市立船橋への対策は)考えましたけど、今朝まで悩んだ結果、いろいろな方々も来てくれているし、小細工なしで行こうという決断を下しました。その代わり、選手たちには『1対1では負けるから、やることは増えるぞ。頑張らないとダメだぞ』と話しました」
小細工なしの真っ向勝負。河合監督の言葉通り、星稜は前半立ち上がりからアグレッシブに戦い、市立船橋と互角に渡り合った。河合監督も「前半はシュートが少なかったですけど、自分たちが勇気をもってボールを動かそうということをできたかなと思います」と胸を張る。
18分に先制点を許す展開にはなったものの、28分には、左サイドの天川達心のクロスから右サイドの山口晴が中央まで走り込み、同点ゴールを奪取。指揮官の狙いがズバリ当たったシーンだった。
「両サイドにスペースがあるので、そこに展開を持ち込んでいく形は、ミーティングでも話をしていました。イメージとしては『ウイングからウイングで得点を取ろう』と話していたところ、ちょうどその形で得点が取れました」
しかし、その後は市立船橋も素晴らしい戦いを見せたことで、力の差が現れてしまった。35分にセットプレーから勝ち越し点を許すと、後半はさらに2失点。トータルスコアは1-4での完敗だった。河合監督も「なんとかもう少し食らいつきたかったですけど、現状これだけの差はあるのかなと思います」と振り返る。
それでも、星稜は勇猛果敢に挑戦する姿勢を示し、最後まで諦めずに戦った。河合監督も市立船橋をリスペクトしつつ、選手たちの健闘を称えた。
「最後のフィニッシュの精度であったり、前にかける人数などは、やはり市立船橋さんは『一枚も、二枚も上手だな』という印象でした。ただ、前回の試合よりも、“自分たちらしい”戦いは通せたかなと思います。市立船橋さんをはじめ、いろいろな場を提供していただいたり、応援していただいた方のおかげで、“星稜らしい”戦いが見せられたと思います」
能登半島地震の最初の発生から24時間も経たないうちに行われた3回戦だったが、試合を通して、クリーンで力強い球際の攻防が繰り広げられた。難しい状況の中で全力を尽くした両校の選手、そして、選手をサポートしたすべての人々に、感謝と敬意を表したい。
能登半島地震の発生から一夜明け、県立柏の葉公園総合競技場で行われた選手権3回戦。星稜の河合監督は、試合に臨むまでの準備期間をこう振り返った。
「皆さんが思っているほど、選手たちに動揺はなかったと思います。夕食の段階では、家族の安否も取れていたので、選手に聞いても、それほど動揺はありませんでした。(石川に)帰って状況を見て、ショックを受ける選手も多いのかなとは思っていますが、現状、この試合に関しては、本当に落ち着いて、プレーできたかなと思います」
河合監督によれば、1日夜の時点で、今回の遠征に帯同していたメンバー全員の家族の無事を確認。現時点で石川県に残っていたサッカー部員全員の無事も確認できているという。
とはいえ、精神的に難しい状況で迎える試合であることに変わりはなかった。河合監督は、選手たちに「どうすれば勇気づけることになるか、勇気づけられるかはわからない。結果、そうなってもらうように頑張ろう。とにかく一生懸命やっている姿を見せよう」と伝え、試合だけにフォーカスして準備を進めた。
「石川県の状況は映像で送ってもらっていますけど、実際どうなっているのかわからないので、帰ってみてから、いろいろな感情が出てくるのかなと思います。選手たちには、『本来、ここにサッカーをしにきているので、その目的をもう一度振り返って、切り替えよう。サッカーに集中しよう』と声をかけて、試合に臨みました」
チームのもとには多方面から応援の声が届き、さまざまなサポートを受けたことで試合までこぎつけることができたと河合監督は感謝を語る。しかし、能登半島地震の影響により、現地まで駆け付ける予定だった星稜の応援団は来場できなかった。
それでも試合当日、柏の葉公園総合競技場では、キックオフの前から両校を後押しする力強い応援が鳴り響いていた。
星稜を応援していたのは、ベンチ外となったサッカー部員や保護者だけでなく、31日に選手権で敗退した日大藤沢(神奈川)、第2試合の名古屋(愛知)と岡山学芸館(岡山)など、他校の選手や保護者らが加わった即席の応援団だった。名古屋の山田武久監督によれば、「昨日の夜の段階から生徒から申し出があった」そうで、生徒主導で自発的に応援団が結成されていったとのこと。
両校の応援が響き渡る中、試合は予定通りの12時5分にキックオフした。星稜が3回戦で対戦したのは、河合監督が「格上」と語る市立船橋。
「今日の市立船橋さんは格上なので、『より寄せを早くしないといけない』と選手たちには念押しして、ピッチへ送り出しました--。(市立船橋への対策は)考えましたけど、今朝まで悩んだ結果、いろいろな方々も来てくれているし、小細工なしで行こうという決断を下しました。その代わり、選手たちには『1対1では負けるから、やることは増えるぞ。頑張らないとダメだぞ』と話しました」
小細工なしの真っ向勝負。河合監督の言葉通り、星稜は前半立ち上がりからアグレッシブに戦い、市立船橋と互角に渡り合った。河合監督も「前半はシュートが少なかったですけど、自分たちが勇気をもってボールを動かそうということをできたかなと思います」と胸を張る。
18分に先制点を許す展開にはなったものの、28分には、左サイドの天川達心のクロスから右サイドの山口晴が中央まで走り込み、同点ゴールを奪取。指揮官の狙いがズバリ当たったシーンだった。
「両サイドにスペースがあるので、そこに展開を持ち込んでいく形は、ミーティングでも話をしていました。イメージとしては『ウイングからウイングで得点を取ろう』と話していたところ、ちょうどその形で得点が取れました」
しかし、その後は市立船橋も素晴らしい戦いを見せたことで、力の差が現れてしまった。35分にセットプレーから勝ち越し点を許すと、後半はさらに2失点。トータルスコアは1-4での完敗だった。河合監督も「なんとかもう少し食らいつきたかったですけど、現状これだけの差はあるのかなと思います」と振り返る。
それでも、星稜は勇猛果敢に挑戦する姿勢を示し、最後まで諦めずに戦った。河合監督も市立船橋をリスペクトしつつ、選手たちの健闘を称えた。
「最後のフィニッシュの精度であったり、前にかける人数などは、やはり市立船橋さんは『一枚も、二枚も上手だな』という印象でした。ただ、前回の試合よりも、“自分たちらしい”戦いは通せたかなと思います。市立船橋さんをはじめ、いろいろな場を提供していただいたり、応援していただいた方のおかげで、“星稜らしい”戦いが見せられたと思います」
能登半島地震の最初の発生から24時間も経たないうちに行われた3回戦だったが、試合を通して、クリーンで力強い球際の攻防が繰り広げられた。難しい状況の中で全力を尽くした両校の選手、そして、選手をサポートしたすべての人々に、感謝と敬意を表したい。
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