F1 2024年シーズンに注目すべき10のこと(3)24戦開催を喜んでいるのはFOMだけ。関係者の疲労が深刻に
2024年F1に向け、GrandPrix.comの執筆陣が、来るシーズンに注目する10の項目をピックアップした。チームの運命、F1が抱える問題点、ドライバー市場など、多岐にわたるテーマを個別に紹介していく。
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2024年にはF1が24戦開催され、史上最長のシーズンとなる。2023年の22グランプリがカレンダーにとどまる一方で、中止された中国とエミリア・ロマーニャが今年は実施されるからだ。
1年に24戦開催することに何も問題はないと考えているのは、各グランプリ・プロモーターに最高5500万ドル(約79億円)を請求するF1組織、フォーミュラワン・マネジメントだけだ。その他のF1関係者は、24戦はあまりにも多すぎるという意見を持っている。
F1の10チームは、レース数が増えるほど、FOMからより多くの金を受け取ることができる。それでも彼らは、現在の過密スケジュールのレースカレンダーに反対している。彼らが問題視しているのは、従業員の極度の過労である。出張日数が増え、母国から遠く離れた国でのレースが加わり、高いプレッシャーがかかり続ける環境のもとで、彼らは働いている。
多くのF1関係者は、強い情熱に導かれて、今の仕事に就いた。だが、その情熱を維持できないほどの激務を担わされているのだ。2023年最終戦アブダビの週末、大勢の人々が体調を崩し、くしゃみ、咳、発熱などの症状に見舞われていた。たまたまそうなったわけでは、決してない。6週間に、異なる時差での海外レースを5回もこなさなければならず、疲労が蓄積し、免疫システムが機能しなくなってしまったせいなのだ。
数年前までは、F1の世界で働くことは、多くの人々にとって憧れだった。今でもそう思う若者は多いものの、せっかくこの世界に入ってきても、ほとんどの人々が、2、3年後にはここから出て行く。F1で働くことは本来は楽しいことのはずだが、年間22戦もあると、楽しいとは思えなくなってくるのだ。
さらに、多くの従業員に関しては、レース数が増えてもサラリーが上がらず、それもモチベーションに影響している。仕事のプレッシャーや出張日数が増加し続けているにもかかわらず、バジェットキャップにより、チームには従業員への給与を増やす余裕がないのだ。
こういった状況から、10チームは、今の過密スケジュールのカレンダーに反対している。彼らが優秀な従業員を見つけることは、年々難しくなってきている。
ドライバーたちも、レース数が多すぎると感じている。F1で働く人々のなかでは、ドライバーはさまざまな面で最も楽な環境にある。レースの合間にファクトリーを訪れる必要がなく、ファーストクラスかプライベートジェットで移動し、さらに多額のサラリーを得ている。それでもマックス・フェルスタッペンは、24戦は多すぎると言う。さらに、レーシングカーに誰よりも強い愛情を持つフェルナンド・アロンソですら、トリプルヘッダーがあることによって、F1から引退することになるかもしれないと示唆した。
多くのテレビ局は、F1の視聴者数の減少に悩んでいる。フェルスタッペンが勝ち続けたことや、ストリーミングサービスによる新たな視聴習慣も影響しているが、レース数の増加も大きな要素だろう。1年の週末の約半分をテレビの前で過ごせるのは、相当熱狂的なファンであり、しかも家族がいない人間に限られる。
レース回数、多大な仕事のプレッシャー、過度の露出は、2024年F1において重要なトピックになるだろう。繰り返しになるが、24戦は絶対に多すぎる。
【F1 2024年シーズンに注目すべき10のこと】
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