ダカールラリー:アル-ラジが後半戦オープニング制す。二輪優勝争いは1秒差の超接近戦
1月10日、ダカールラリー2021は後半戦に突入した。競技7日目となるこの日は、ステージ8と合わせて“マラソンステージ”と呼ばれる山場のステージ7が行われ、オーバードライブ・トヨタのヤジード・アル-ラジ(ハイラックス・オーバードライブ)が通算2度目となるステージ優勝を飾った。
昨年に引き続きサウジアラビアを舞台に行われているダカールラリー。休息日明けのステージ7は、ハイルから北部のサカカに向かう全長453km、総走行距離737kmで争われた。
“マラソンステージ”と呼ばれるこの山場ステージは、フィニッシュ地のサカカでメカニックによる整備を受けることができない。選手たちは車両に搭載されているスペアタイヤと交換パーツのみを用いて翌日のステージ8のゴールであるネオムを目指さなくてはならないため、ふたつのステージをトラブルなく走破することが求められる。
そんなステージ7の序盤はXレイド・ミニ・JCWチームのカルロス・サインツ(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)がリードを奪うも、チームメイトのステファン・ペテランセル(ジョン・クーパー・ワークス・バギー)が前年王者を逆転してトップに立つ。
その後、中盤のポイントでもトップを維持したペテランセルがそのままステージ優勝を飾るかに思われたが、フランス人ドライバーは残り40km地点付近でタイヤを岩にヒットさせてしまう。このアクシデントで、ペテランセルはホイール交換を余儀なくされタイムロス。ステージ優勝を伏兵アル-ラジに譲ることとなった。
サウジアラビア人ドライバーは今ステージで終始トップ3につけ、サインツを交わした後、ペテランセルのトラブルに乗じてトップに躍り出ると2015年のチリ以来、自身通算2度目そして母国では初となるステージ優勝を掴み取った。
ペテランセルは48秒差のSS2番手でフィニッシュし、トップと1分15秒差の同3番手にはサインツが入った。パンクに見舞われたTOYOTA GAZOO Racingのナッサー・アル-アティヤ(トヨタ・ハイラックス)はステージ4番手。総合2番手につけるトヨタのエースと首位ペテランセルのギャップは7分53秒に拡大した。総合3番手のサインツはトップから41分の遅れをとっている。
トヨタのジニール・ドゥビリエ(トヨタ・ハイラックス)はステージ22番手で総合8番手、シャミア・バリアワ(トヨタ・ハイラックス)は15番手でフィニッシュし、総合では31番手となった。すでに優勝争いから脱落しているバーレーン・レイド・エクストリームのセバスチャン・ローブ(BRXハンター)はふたたび試練を受けた。フィニッシュ30km手前でハブトラブルに見舞われたWRC世界ラリー選手権元9連覇王者はステージ42番手/総合42番手に沈んでいる。
■“激戦区”二輪部門は首位と2番手の差がわずか1秒に
四輪市販車クラスで8連覇を狙うチームランドクルーザー・トヨタオートボデー勢は、この日も2台揃ってステージを完走。三浦昂(TLC VDJ200)はステージ45番手、僚友ロナルド・バソ(TLC VDJ200)が46番手に続いた。総合順位は三浦組が39番手(クラス首位)、バソ組は41番手(クラス2番手)だ。
トラック部門の排気量10L未満クラス11連覇中の日野チームスガワラ、菅原照仁(日野レンジャー)は競技7日目のステージを11番手でフィニッシュし、部門総合14番手/クラス首位につけている。
激戦が続く二輪部門ではリッキー・ブラベック(ホンダCRF450ラリー)と、ホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダCRF450ラリー)のモンスターエナジー・ホンダチーム勢がワン・ツー・フィニッシュを達成。トップと2分19秒差、2番手と12秒差のSS3番手にはBASダカール・KTMレーシングチームのスカイラー・ハウズ(KTM450ラリー・レプリカ)が続いた。
総合ではコルネホが3番手から首位に浮上したものの、わずか1秒差でレッドブル・KTM・ファクトリーチームのトビー・プライス(KTM 450ファクトリー)が迫る。総合3番手はプライスの僚友サム・サンダーランド(KTM 450ファクトリー)で、タイム差は2分11秒だ。
1月11日、競技8日目の“ステージ8”はサカカから西部のネオムに向かうアップダウンに富むコースだ。競技区間の走行距離は375km、リエゾン(移動区間)を含む総走行距離は709kmとなっている。
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