スポーツ庁と浦和レッズが共鳴し合う、スポーツ界の未来への投資
サッカーキング2020年1月14日(火)15時45分
2019年12月初旬、都内のホールに、日本サッカー殿堂掲額者であり浦和レッズハートフルクラブのキャプテンを務める落合弘の姿があった。
そしてそこに集まった多くの人が見つめるステージ上のスクリーンには、笑顔を見せるさまざまな国の子どもたちの写真が映し出されていた。
この日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催国として日本政府が官民共同で推進する国際貢献プロジェクトの運営組織「スポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアム」の会員カンファレンスが行われ、鈴木大地スポーツ庁長官から落合キャプテンに感謝状が授与されたのだ。
浦和レッズは過去10年以上にわたり、アジア各国で「こころを育む」ことをテーマに「ハートフルサッカー in アジア」を継続的に実施している。この活動が、文部科学省が定めるスポーツ基本計画の目指す「クリーンでフェアな世界」の実現に貢献しているとして、スポーツ庁長官感謝状が浦和レッズに授与されることになった。
鈴木長官は、「サッカーを通じて子どもたちへフェアプレーの大切さを伝えていくことは、スポーツ界の未来を担う子どもたちにとって重要なメッセージだと思います。これまでの活動に深く感謝申し上げますとともに、引き続きスポーツの未来のため活動を続けていただけますよう願っています」とメッセージを送った。
タイで再会した子どもたちが浦和レッズのユニフォームを
「ハートフルサッカー in アジア」は、浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグに初めて出場した2007年に始まった。浦和レッズハートフルクラブのコーチングスタッフが、アウェイで行われる試合に先駆けて現地を訪れ、現地の子どもたちと「こころの交流」を図ったのが始まりだ。現在は、浦和レッズがACLに出場しないシーズンも含めて年に2回、アジア各国を訪問している。これまでアジアでは延べ16の国と地域を訪れ、33回のサッカー教室を開催してきた。
2019年4月、浦和レッズはタイで「ハートフルサッカー in アジア」を開催した。浦和レッズハートフルクラブのコーチ、スタッフは、タイ北部の都市チェンマイにある寺院を訪れて現地の文化に触れた後、子どもたちに向けたサッカー教室を行った。中には以前にもタイでの「ハートフルサッカー in アジア」に参加した経験を持つ子どもたちもいて、浦和レッズのユニフォームを着て楽しそうにボールを蹴る様子が見受けられた。
サッカー教室後には、HIVに母子感染した孤児たちが多く暮らす生活施設「バーンロムサイ」へ移動し、浦和レッズハートフルクラブによる同施設でのこれまでの支援活動が評価され、日本財団が主催する、社会の助けとなる活動を行うアスリートや団体を表彰する「HEROs AWARD」を、2018年に浦和レッズが受賞したことを直接報告した。
2019年9月には、浦和レッズハートフルクラブとして初めてネパールを訪れ、ネパールサッカー協会で浦和レッズハートフルクラブの活動説明や施設見学を行った。その翌日に訪れたカトマンズ近郊の街では盛大な歓迎を受け、音楽隊に先導されて市街地を練り歩いた後に向かった小中高一貫の公立学校では、校舎が震災による被害を受けて再建の途中だったが、やはり子どもたちは一生懸命にボールを追いかけ、走り回った。
浦和レッズハートフルクラブでは、日頃活動を行っている埼玉県内にとどまらず、復興支援で継続的に訪れている東日本大震災の被災地や海外など、訪れる地で必ず、落合キャプテンによる講話の時間を設けている。たとえ場所や対象が変わっても、伝える内容は決して変わらない。落合キャプテン自らの体験を元に、「一生懸命」、「楽しむ」、「おもいやり」という言葉を用いて子どもたちやその保護者に「こころ」の大切さを伝えている。浦和レッズハートフルクラブの活動において、落合キャプテンの講話もサッカーの実技も、「こころ」の大切さを伝える手段という位置付けなのだ。
SDGsを意識した取り組みを進める浦和レッズ
2015年、国連は2030年に向けて優先的に解決すべき社会的課題や今後のあるべき姿を17の目標から構成したSDGs(エスディージーズ/持続可能な開発目標)を発表した。
これらの目標を実現するためには、企業の果たす役割が重要になってくるが、浦和レッズも試合運営やホームタウン活動、総合スポーツ施設「レッズランド」の運営、埼玉スタジアムのアクセス改善など、様々な面で今まで以上にSDGsを意識した取り組みを進めている。
先述のスポーツ庁長官感謝状授与式では、浦和レッズによる「ハートフルサッカー in アジア」の活動が、SDGsの『5. ジェンダー平等を実現しよう』、『10. 人や国の不平等をなくそう』、『16. 平和と公正をすべての人に』に関連していることもスポーツ庁関係者から紹介された。
落合キャプテンは、「どこへ行っても我々は子どもたちに、『一生懸命やろうよ』『楽しもうよ』『おもいやりを持とうよ』と話して、自分でいろんなことを考え、行動するように促しています。これからも子どもたちには、こうしたことを愚直に伝え続けていきたいです」と意欲を見せる。
スポーツ庁と浦和レッズはこれからも共鳴し合い、スポーツ界の未来に投資をし続ける。未来を担う子どもたちのために、変わらぬ信念で「こころ」を育んでいく。
そしてそこに集まった多くの人が見つめるステージ上のスクリーンには、笑顔を見せるさまざまな国の子どもたちの写真が映し出されていた。
この日、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催国として日本政府が官民共同で推進する国際貢献プロジェクトの運営組織「スポーツ・フォー・トゥモロー・コンソーシアム」の会員カンファレンスが行われ、鈴木大地スポーツ庁長官から落合キャプテンに感謝状が授与されたのだ。
浦和レッズは過去10年以上にわたり、アジア各国で「こころを育む」ことをテーマに「ハートフルサッカー in アジア」を継続的に実施している。この活動が、文部科学省が定めるスポーツ基本計画の目指す「クリーンでフェアな世界」の実現に貢献しているとして、スポーツ庁長官感謝状が浦和レッズに授与されることになった。
鈴木長官は、「サッカーを通じて子どもたちへフェアプレーの大切さを伝えていくことは、スポーツ界の未来を担う子どもたちにとって重要なメッセージだと思います。これまでの活動に深く感謝申し上げますとともに、引き続きスポーツの未来のため活動を続けていただけますよう願っています」とメッセージを送った。
タイで再会した子どもたちが浦和レッズのユニフォームを
「ハートフルサッカー in アジア」は、浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグに初めて出場した2007年に始まった。浦和レッズハートフルクラブのコーチングスタッフが、アウェイで行われる試合に先駆けて現地を訪れ、現地の子どもたちと「こころの交流」を図ったのが始まりだ。現在は、浦和レッズがACLに出場しないシーズンも含めて年に2回、アジア各国を訪問している。これまでアジアでは延べ16の国と地域を訪れ、33回のサッカー教室を開催してきた。
2019年4月、浦和レッズはタイで「ハートフルサッカー in アジア」を開催した。浦和レッズハートフルクラブのコーチ、スタッフは、タイ北部の都市チェンマイにある寺院を訪れて現地の文化に触れた後、子どもたちに向けたサッカー教室を行った。中には以前にもタイでの「ハートフルサッカー in アジア」に参加した経験を持つ子どもたちもいて、浦和レッズのユニフォームを着て楽しそうにボールを蹴る様子が見受けられた。
サッカー教室後には、HIVに母子感染した孤児たちが多く暮らす生活施設「バーンロムサイ」へ移動し、浦和レッズハートフルクラブによる同施設でのこれまでの支援活動が評価され、日本財団が主催する、社会の助けとなる活動を行うアスリートや団体を表彰する「HEROs AWARD」を、2018年に浦和レッズが受賞したことを直接報告した。
2019年9月には、浦和レッズハートフルクラブとして初めてネパールを訪れ、ネパールサッカー協会で浦和レッズハートフルクラブの活動説明や施設見学を行った。その翌日に訪れたカトマンズ近郊の街では盛大な歓迎を受け、音楽隊に先導されて市街地を練り歩いた後に向かった小中高一貫の公立学校では、校舎が震災による被害を受けて再建の途中だったが、やはり子どもたちは一生懸命にボールを追いかけ、走り回った。
浦和レッズハートフルクラブでは、日頃活動を行っている埼玉県内にとどまらず、復興支援で継続的に訪れている東日本大震災の被災地や海外など、訪れる地で必ず、落合キャプテンによる講話の時間を設けている。たとえ場所や対象が変わっても、伝える内容は決して変わらない。落合キャプテン自らの体験を元に、「一生懸命」、「楽しむ」、「おもいやり」という言葉を用いて子どもたちやその保護者に「こころ」の大切さを伝えている。浦和レッズハートフルクラブの活動において、落合キャプテンの講話もサッカーの実技も、「こころ」の大切さを伝える手段という位置付けなのだ。
SDGsを意識した取り組みを進める浦和レッズ
2015年、国連は2030年に向けて優先的に解決すべき社会的課題や今後のあるべき姿を17の目標から構成したSDGs(エスディージーズ/持続可能な開発目標)を発表した。
これらの目標を実現するためには、企業の果たす役割が重要になってくるが、浦和レッズも試合運営やホームタウン活動、総合スポーツ施設「レッズランド」の運営、埼玉スタジアムのアクセス改善など、様々な面で今まで以上にSDGsを意識した取り組みを進めている。
先述のスポーツ庁長官感謝状授与式では、浦和レッズによる「ハートフルサッカー in アジア」の活動が、SDGsの『5. ジェンダー平等を実現しよう』、『10. 人や国の不平等をなくそう』、『16. 平和と公正をすべての人に』に関連していることもスポーツ庁関係者から紹介された。
落合キャプテンは、「どこへ行っても我々は子どもたちに、『一生懸命やろうよ』『楽しもうよ』『おもいやりを持とうよ』と話して、自分でいろんなことを考え、行動するように促しています。これからも子どもたちには、こうしたことを愚直に伝え続けていきたいです」と意欲を見せる。
スポーツ庁と浦和レッズはこれからも共鳴し合い、スポーツ界の未来に投資をし続ける。未来を担う子どもたちのために、変わらぬ信念で「こころ」を育んでいく。
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