長島哲太「2021年はホンダといろいろな仕事をする」Moto2復帰を視野に入れた活動も
2020年にロードレース世界選手権のMoto2クラスにRed Bull KTM Ajoから参戦し、開幕戦カタールGPで優勝、第2戦スペインGPで2位を獲得した長島哲太。2020年12月31日には自身のSNSで、2021年はレース参戦をしないことを発表したが、今季レース活動をしないこととなった経緯やどのような活動をしていくのかについて聞いた。
Moto2クラスでRed Bull KTM Ajoに移籍後、第1戦カタールGPでキャリア初優勝を飾った長島は、続く第2戦スペインGPでも2位表彰台に上った。しかし、その後は第6戦スティリアGPの4位、第11戦アラゴンGPの9位のみシングルフィニッシュと成績を伸ばせず、Moto2クラスでのシートを失うこととなった。
「昨年の第9戦カタルーニャGP(9月下旬)の時にチームとKTMと話をして、2021年シーズンも継続参戦するという形で契約をしました。もともと2020年の契約書の中に2021年はオプションで付いていたので、2021年も一緒に戦う話で決まっていたのですが、それが第11戦アラゴンGP(10月中旬)の段階で急に契約を破棄されてしまいました」と長島。
「どちらかというと(チームではなく)KTMの判断だったので、アキ・アジョ(Red Bull KTM Ajoチーム代表)さんには僕がチームに残留できるように必死でKTMを説得したり、他チームに声をかけてくださったりなどヘルプしていただきました。しかし、アラゴンGPの際に2021年のエントリーが締め切られる段階だったので、他に空いているチームもなくMoto2での道はそこで閉ざされてしまったという形です」
その後、長島はスーパーバイク世界選手権(SBK)やスーパースポーツ世界選手権(WSS)、全日本ロードレース選手権などに参戦する15チームほどと2021年の契約について話をしたというが、「自分はMotoGPが好きでレースを始めて、世界一を夢見て歩いてきたので、やっぱりMotoGPバイクに乗るという夢は諦めきれなかったです。まだ他のカテゴリーに行くのは早いし、もう少し頑張ってからでも良いのではないかなと思いました」という理由で契約締結には至らなかったという。
そのため、2021年はレースに参戦しないこととなった長島は、目標であるMotoGPクラス参戦を目指し、今季は2022年にロードレース世界選手権の舞台に復帰できるような活動に取り組んでいくと語った。
「GPに復帰するというのが一番理想的な形ですが、そんなに簡単な話ではないというのはもちろんわかっているつもりです。今年一年でいろいろな経験を積んで、来年に目標としているところにたどり着けるように頑張りたいです」
「そのなかで2021年に何をするか考え、自分からホンダさんに相談させていただきました。自分に何かできる仕事はないかお話をさせていただいたなかで、“一緒にやりましょう”と回答をいただけたので、今シーズンに関してはホンダさんと一緒にいろいろな仕事をこなしていきながら2022年に繋げていけるようなことをしていきます」
ホンダと仕事をすると述べた長島だが、今回の取材で具体的な活動内容を明かすことはなかった。とはいえ、ホンダが世界最高峰の選手権で戦っていた長島をバイクに乗せないというのは考えにくい。
長島は「仕事を始めるタイミングでみんなが知るんじゃないですかね」とも話しているため、活動内容は何かアクションがあり公になるまで待ちたい。
そのほか、若手育成にも取り組み「ボケバイやミニバイクに乗っている子たちが(ステップアップできる)上に行くための近道を提示できるような育成ができれば良いなと思っています」とコメントした。
長島は最後に、ファンに向けて以下のようなメッセージを送った。
「昨年カタールGPで優勝した後にたくさんの方からメッセージや応援の言葉をいただいて、それがすごく嬉しかったですし、その後のモチベーションにもなりました。後半戦はガタガタしてしまい、2021年に出場しないとなった後にも温かいメッセージをたくさんいただけました」
「自分のなかで今年どうしよう……レーシングライダーとして一戦を退いて諦めるかなと考えた時ももちろんあるのですが、SNSでメッセージをくださったファンの方々のおかげで踏み留まれて、モチベーションをさらに上げることができたので皆さんに感謝しかないですね」
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