リオ・デ・ジャネイロ、F1ブラジルGP開催を断念。サーキット建設を見送り、環境保護を優先
リオ・デ・ジャネイロは、新しいサーキットを建設し、サンパウロからF1ブラジルGPを引き継いで開催するという夢を断念した。
この計画では、市の西部にあるカンボアタ森林に新しいサーキットを建設する予定で、ジャイール・ボルソナーロ大統領やリオ・デ・ジャネイロ前市長のマルセロ・クリベラ氏らがこれを支持していた。しかし環境団体からは森林伐採に対する反対の声が上がった。AFP通信によると、カンボアタ森林は何百種もの生物の生息地であり、そのなかには絶滅の恐れがある14種類の植物も含まれているという。
1月1日にリオの新市長に就任したエドゥアルド・パエス氏は、一連の環境保護に関するネガティブな報告を受けたが、すでに遅延していたこの計画を廃止するのが遅れてしまった。だがリオの市役所は、リオ・デ・ジャネイロ州環境研究所(Inea)に対してサーキット建設の許可プロセスを見送るよう指示したことを明らかにし、「我々は緑地を破壊するのではなく、取り戻すことを話し合う必要がある」と述べた。
今回の決定により、ブラジルGPを取り戻すためのリオ・デ・ジャネイロの努力はほとんどすべてが水の泡となった。市当局はAFP通信に対し、「このプロセスは市役所が主導した。そして我々は、これ以上追求しないことを正式に表明する」と語っている。
これはボルソナーロ大統領の宿敵であるサンパウロ州のジョアン・ドリア知事の勝利と受け取られ、故郷であるリオ・デ・ジャネイロにF1を呼ぶと話していた大統領にとっては打撃を受ける形になった。
昨年F1は、サンパウロのインテルラゴス・サーキットとの開催契約を2025年まで延長した。ブラジルでは、1972年にインテルラゴスで初めてF1が開催された(非選手権)。1978年、1981〜1989年はリオで開催され、1990年以降は再びサンパウロでグランプリを開催している。
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