もう一台のアストンマーティンも体制確定。ハート・オブ・レーシング、不動の3名でWEC LMGT3に挑む
ハート・オブ・レーシングは3月2日に開幕する2024年WEC世界耐久選手権に向け、アストンマーティンを代表するクルマ1台のドライバーラインアップを発表した。
チーム代表でありLMGT3クラスに必須となるブロンズドライバーであるイアン・ジェームスは、11月に公開された暫定エントリーリストに名前が載っていたため、チームにとって2シーズン目となる今季も、引き続きシリーズに参戦することが判明していた。
今回の発表では、ダニエル・マチネッリとアレックス・リベラスが、彼とともに改良型アストンマーティン・バンテージをシェアすることがアナウンスされている。
マンチネッリとリベラスの両名は、長年アストンマーティンでWECに参戦してきたジェントルマン・ドライバー、ポール・ダラ・ラナの引退をきっかけに、昨年ハート・オブ・レーシングがノースウエストAMRのGTE-Amエントリーを引き継いだ際にジェームスと合流した。
この3人のドライバーは、バーレーンで開催された2023年最終戦シーズン・フィナーレでクラス3位表彰台を獲得し、チーム初のWECキャンペーンを締めくくっている。なお、WECではシーズン途中での名称変更が認められていないため、チームはエントリーを引き継いだ後もハート・オブ・レーシングではなく、“ノースウエストAMR”のバナーの下で走り続けた。
「私たちは昨シーズンのやり方を続けるつもりだ」と語るのは、アメリカ籍のチームを率いるジェームス。
「アレックス(・リベラス)、ダニ(ダニエル・マンチネッリ)、そして僕の3人でいいチームを作っていると思う。昨年はWECで多くのことを学んだが、今季もそれを継続し、GT3クラスの導入で何が達成できるか見るのを楽しみにしている」
■WECとIMSAの衝突時は代役を起用
リベラスがWECのラインアップに加わったことで、ハート・オブ・レーシングは今シーズン、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のいくつかのイベントでラインアップの入れ替えを余儀なくされる。
スペイン人のリベラスはWEC・LMGT3へのコミットメントに加え、ロス・ガンとともにウェザーテック選手権にフル参戦するチームのGTDプロドライバーのひとりでもある。
WECのスパ・フランコルシャン6時間レース、サンパウロ6時間レースとそれぞれ重なるラグナ・セカとカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パーク(モスポート)で開催されるウェザーテック選手権では、チームはリベラスの代わりに“ミシュラン・エンデュランス・カップ”ドライバーのマリオ・ファーンバッハーを起用する予定だ。
リベラスは「僕はいつもWECでフルシーズンを戦うことを望んでいたから、まさに夢の実現だ」と語った。
「今回が初めてのことだから、その一員になれるのは光栄だし、特権でもある。ダニとイアンとは夢のようなラインアップだよ。僕は(開幕戦の)カタールで新しいクラスがどのように発展するか見るのを楽しみにしている」
「ライバルメーカーとの戦いを予想するのは本当に難しいけど、それはともかくとして、これは驚異的なプロジェクトであり、この新しい冒険にとって本当にエキサイティングなものだ」
GT3メーカー1社につき2台までのマシンを走らせることができる新設のLMGT3クラスにおいて、アストンマーティンは全9メーカーのうち唯一、異なる2チームが参戦するブランドとなっている。日本のDステーション・レーシングは、ハート・オブ・レーシングと並んで英国ブランドを代表する。
既報のとおり藤井誠暢がマネージングディレクターを務める同チームは、今シーズンに向けてマルコ・ソーレンセン、エルワン・バスタード、クレメント・マテウの3名を起用してWECに継続参戦することを発表済み。ル・マン24時間ではマテウに代わり、チームオーナーである星野敏がステアリングを握ることとなっている。
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