最下位シェフィールド・Uは今季すでに59失点…プレミアのシーズン最多失点記録を振り返る
サッカーキング2024年2月8日(木)19時4分
シェフィールド・ユナイテッド [写真]=Getty Images
シェフィールド・ユナイテッドが不名誉な記録を打ち立ててしまうかもしれない。
今季プレミアリーグで最下位に低迷するシェフィールド・ユナイテッドは、なかなか浮上のきっかけを掴めずにいる。昨季2部リーグで2位に入ってプレミア復帰を果たしたが、3シーズンぶりのトップリーグの舞台は茨の道となっている。開幕から勝てない日々が続き、第6節のニューカッスル戦ではホームで0-8の大敗。10試合を終えた時点で勝ち点1(0勝1分け9敗)の得失点差-22。1992年に発足したプレミアリーグにおける開幕10試合の最低成績の記録を打ち立ててしまった。
その後、一度は最下位を抜け出すも、再び苦戦が続いて監督交代に踏み切った。過去にもクラブを率いたことのあるOB、クリス・ワイルダーを招聘するも苦しい戦いが続いており、今月3日に行われたアストン・ヴィラ戦では0-5の大敗。23試合を終えて既に59失点を喫しており、このペースで行くとプレミア史上最多失点の恐れがある。それではプレミアリーグの「シーズン失点記録」のワースト5を見てみよう。
■ワースト5位:ノリッジ(2021-22) 84失点
1部と2部を行き来する“ヨーヨークラブ”として知られるノリッジは、2020-21シーズンに2部リーグで97ポイントも稼いで1年でプレミアリーグの舞台に返り咲いた。当時のノリッジは、ドイツ人のダニエル・ファルケ監督が繰り広げる「ファルケボール」と呼ばれるハイプレスサッカーで2部リーグでは敵なし。しかし、プレミアリーグは別世界だった。大型補強をしないチームは2019-20シーズンに最下位で降格しており、2021-22シーズンは開幕前に若い才能を集めるも、同じ結果となってしまう。
同情の余地はある。開幕4試合の相手がリヴァプール、マンチェスター・シティ、レスター、アーセナルと強豪ばかり。開幕2試合で計8失点を喫すると、そこからずるずる勝てない時間が続き、第9節のチェルシー戦では7失点。第11節のブレントフォード戦でシーズン初勝利を挙げるも、その数時間後にファルケ監督の解任が発表された。残留すべく、ディーン・スミス監督を招聘するも状況は好転せず、最終節はトッテナムに0-5で敗れて最下位で降格。「84失点」を喫して、2011-12シーズンのウルヴァーハンプトン(82失点)などを抜いてワースト5位にランクインしてしまった。
■ワースト4位:フルアム(2013-14) 85失点
4位は、13シーズン連続でプレミアリーグに在籍していたフルアムが降格の憂き目に遭ったシーズンだ。オランダ人のマルティン・ヨル監督の元、前年の2012-13シーズンには12位に入ったフルアムだが、徐々に綻びが生じ始めることに。2013-14シーズンの開幕戦こそ完封勝利を飾って幸先良いスタートを切ったが、シーズン途中から全く勝てずに6連敗で12月にヨル監督を解任。戦術眼に定評のあるレネ・ミューレンスティーンを後任に据えるも、わずか2カ月半で見切りをつけて、今度はドイツの鬼軍曹として知られるフェリックス・マガトを連れてきた。
マンチェスター・シティに5失点を喫するなど相変わらず失点を続けたが、それでも終盤まで何とか残留の望みを残していたが、37節にストークに1-4で敗れて万事休す。ファンから「お前らは、このユニフォームを着るに値しない」という痛烈なチャントを浴びて降格が決まった。11位に入ったクリスタル・パレスよりも7点も多くのゴールを奪いながら「85失点」を喫して19位で降格することに。今回のランキングでは唯一、最下位を免れたチームだが、そんなことは何の慰めにもならない・・・。
■ワースト3位:ダービー(2007-08) 89失点
1995-96シーズンにプレミアリーグが22チーム制から20チーム制に縮小して以降では最多となる失点を喫したのがダービー(2007-08シーズン)だ。前シーズンに2部のプレーオフを制して6年ぶりにプレミアの舞台に返り咲いたダービーだったが、苦しい戦いを強いられることに。当時はチャンピオンズリーグでプレミア勢が4チームも8強に勝ち上がるイングランド黄金期。準決勝にもマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リヴァプールの3チームが残り、決勝は史上初のイングランド勢決戦だった(ユナイテッドがPK戦でチェルシーに勝利)。
当然、プレミア上位勢と昇格組の格差は大きく、ダービーはリヴァプールに0-6、アーセナルに0-5、チェルシーに1-6と大敗を喫することに。結局、終わってみればダービーが勝利したのは第6節のニューカッスル戦だけ。38試合を戦って、1勝8分け29敗、20得点89失点、勝ち点11。歴代最少勝ち点、最少勝利数など様々なワースト記録を打ち立てて降格。以降、ダービーはプレミアの舞台から遠ざかっており、現在は3部リーグで過ごしている。
■ワースト2位:イプスウィッチ(1994-95) 93失点
22チーム制最後のシーズンは、翌年から20チーム制に縮小するため下位4チームが降格という厳しいシーズンだった。そんなシーズンでイプスウィッチは最悪のスタートを切ってしまう。開幕15試合で11敗という直近31年間で最悪の出来。シーズン途中に監督が辞任し、クラブの英雄であるジョージ・バーリーを招聘することに。のちにチームをプレミアで5位に導いてUEFAカップ出場権まで獲得するバーリー監督だが、就任1年目はチームを救うことができず。
1995年3月のマンチェスター・ユナイテッド戦ではFWアンディ・コールに5ゴールを許し、プレミア最多得点差記録となる0-9の大敗。最終的に42試合で「93失点」を喫して最下位で降格の憂き目に遭った。
■ワースト1位:スウィンドン(1993-94) 100失点
プレミアリーグのシーズン最多失点記録を持つのはスウィンドンだ。1993年にグレン・ホドル選手兼監督の元、2部リーグのプレーオフを制してクラブ史上初のトップリーグ昇格を決めたスウィンドンだが、すぐにプレミアリーグの洗礼を浴びることに。昇格が決まった数日後、チームの主軸であり指揮官のホドルがチェルシーに引き抜かれてしまったのだ。
結局、ホドルのアシスタントを務めていたジョン・ゴーマンが後任としてスウィンドンを率いたが、チームは初のトップリーグで勝てない日々を送った。11月末のQPR戦に勝利するまで、開幕から15試合も勝つことができず。リヴァプールに0-5、ニューカッスルに1-7で敗れるなど、シーズン42試合で無失点は4回だけ。最終節もリーズに0-5で敗れ、ぴったり「100失点」を喫して最下位で降格。これがプレミアリーグにおける1シーズン最多失点であり、1試合平均「2.38失点」も歴代ワーストとなっている。
(記事/Footmedia)
今季プレミアリーグで最下位に低迷するシェフィールド・ユナイテッドは、なかなか浮上のきっかけを掴めずにいる。昨季2部リーグで2位に入ってプレミア復帰を果たしたが、3シーズンぶりのトップリーグの舞台は茨の道となっている。開幕から勝てない日々が続き、第6節のニューカッスル戦ではホームで0-8の大敗。10試合を終えた時点で勝ち点1(0勝1分け9敗)の得失点差-22。1992年に発足したプレミアリーグにおける開幕10試合の最低成績の記録を打ち立ててしまった。
その後、一度は最下位を抜け出すも、再び苦戦が続いて監督交代に踏み切った。過去にもクラブを率いたことのあるOB、クリス・ワイルダーを招聘するも苦しい戦いが続いており、今月3日に行われたアストン・ヴィラ戦では0-5の大敗。23試合を終えて既に59失点を喫しており、このペースで行くとプレミア史上最多失点の恐れがある。それではプレミアリーグの「シーズン失点記録」のワースト5を見てみよう。
■ワースト5位:ノリッジ(2021-22) 84失点
1部と2部を行き来する“ヨーヨークラブ”として知られるノリッジは、2020-21シーズンに2部リーグで97ポイントも稼いで1年でプレミアリーグの舞台に返り咲いた。当時のノリッジは、ドイツ人のダニエル・ファルケ監督が繰り広げる「ファルケボール」と呼ばれるハイプレスサッカーで2部リーグでは敵なし。しかし、プレミアリーグは別世界だった。大型補強をしないチームは2019-20シーズンに最下位で降格しており、2021-22シーズンは開幕前に若い才能を集めるも、同じ結果となってしまう。
同情の余地はある。開幕4試合の相手がリヴァプール、マンチェスター・シティ、レスター、アーセナルと強豪ばかり。開幕2試合で計8失点を喫すると、そこからずるずる勝てない時間が続き、第9節のチェルシー戦では7失点。第11節のブレントフォード戦でシーズン初勝利を挙げるも、その数時間後にファルケ監督の解任が発表された。残留すべく、ディーン・スミス監督を招聘するも状況は好転せず、最終節はトッテナムに0-5で敗れて最下位で降格。「84失点」を喫して、2011-12シーズンのウルヴァーハンプトン(82失点)などを抜いてワースト5位にランクインしてしまった。
■ワースト4位:フルアム(2013-14) 85失点
4位は、13シーズン連続でプレミアリーグに在籍していたフルアムが降格の憂き目に遭ったシーズンだ。オランダ人のマルティン・ヨル監督の元、前年の2012-13シーズンには12位に入ったフルアムだが、徐々に綻びが生じ始めることに。2013-14シーズンの開幕戦こそ完封勝利を飾って幸先良いスタートを切ったが、シーズン途中から全く勝てずに6連敗で12月にヨル監督を解任。戦術眼に定評のあるレネ・ミューレンスティーンを後任に据えるも、わずか2カ月半で見切りをつけて、今度はドイツの鬼軍曹として知られるフェリックス・マガトを連れてきた。
マンチェスター・シティに5失点を喫するなど相変わらず失点を続けたが、それでも終盤まで何とか残留の望みを残していたが、37節にストークに1-4で敗れて万事休す。ファンから「お前らは、このユニフォームを着るに値しない」という痛烈なチャントを浴びて降格が決まった。11位に入ったクリスタル・パレスよりも7点も多くのゴールを奪いながら「85失点」を喫して19位で降格することに。今回のランキングでは唯一、最下位を免れたチームだが、そんなことは何の慰めにもならない・・・。
■ワースト3位:ダービー(2007-08) 89失点
1995-96シーズンにプレミアリーグが22チーム制から20チーム制に縮小して以降では最多となる失点を喫したのがダービー(2007-08シーズン)だ。前シーズンに2部のプレーオフを制して6年ぶりにプレミアの舞台に返り咲いたダービーだったが、苦しい戦いを強いられることに。当時はチャンピオンズリーグでプレミア勢が4チームも8強に勝ち上がるイングランド黄金期。準決勝にもマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リヴァプールの3チームが残り、決勝は史上初のイングランド勢決戦だった(ユナイテッドがPK戦でチェルシーに勝利)。
当然、プレミア上位勢と昇格組の格差は大きく、ダービーはリヴァプールに0-6、アーセナルに0-5、チェルシーに1-6と大敗を喫することに。結局、終わってみればダービーが勝利したのは第6節のニューカッスル戦だけ。38試合を戦って、1勝8分け29敗、20得点89失点、勝ち点11。歴代最少勝ち点、最少勝利数など様々なワースト記録を打ち立てて降格。以降、ダービーはプレミアの舞台から遠ざかっており、現在は3部リーグで過ごしている。
■ワースト2位:イプスウィッチ(1994-95) 93失点
22チーム制最後のシーズンは、翌年から20チーム制に縮小するため下位4チームが降格という厳しいシーズンだった。そんなシーズンでイプスウィッチは最悪のスタートを切ってしまう。開幕15試合で11敗という直近31年間で最悪の出来。シーズン途中に監督が辞任し、クラブの英雄であるジョージ・バーリーを招聘することに。のちにチームをプレミアで5位に導いてUEFAカップ出場権まで獲得するバーリー監督だが、就任1年目はチームを救うことができず。
1995年3月のマンチェスター・ユナイテッド戦ではFWアンディ・コールに5ゴールを許し、プレミア最多得点差記録となる0-9の大敗。最終的に42試合で「93失点」を喫して最下位で降格の憂き目に遭った。
■ワースト1位:スウィンドン(1993-94) 100失点
プレミアリーグのシーズン最多失点記録を持つのはスウィンドンだ。1993年にグレン・ホドル選手兼監督の元、2部リーグのプレーオフを制してクラブ史上初のトップリーグ昇格を決めたスウィンドンだが、すぐにプレミアリーグの洗礼を浴びることに。昇格が決まった数日後、チームの主軸であり指揮官のホドルがチェルシーに引き抜かれてしまったのだ。
結局、ホドルのアシスタントを務めていたジョン・ゴーマンが後任としてスウィンドンを率いたが、チームは初のトップリーグで勝てない日々を送った。11月末のQPR戦に勝利するまで、開幕から15試合も勝つことができず。リヴァプールに0-5、ニューカッスルに1-7で敗れるなど、シーズン42試合で無失点は4回だけ。最終節もリーズに0-5で敗れ、ぴったり「100失点」を喫して最下位で降格。これがプレミアリーグにおける1シーズン最多失点であり、1試合平均「2.38失点」も歴代ワーストとなっている。
(記事/Footmedia)
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