レース中の装着タイヤが明確に。ミシュラン、ハイパーカー用タイヤに新しいマーキングを導入へ
WEC世界耐久選手権のトップカテゴリーにタイヤを単独供給しているミシュランは、チームのタイヤ戦略をより明確にするために、より目立つマーキングを追加する。
次戦、第2戦イモラからのデビューを予定している新しいマーキングは、サイドウォールの2箇所にホワイト、イエロー、レッドで彩られた帯が入り、それぞれソフト、ミディアム、ハードタイヤであることを示す。ウエットタイヤはブルーとなる。
従来のタイヤも同じカラーパターンで識別され、サイドウォールの1箇所に小さな識別マークが付いていた。今週ルサイル・インターナショナル・サーキットで行われている開幕戦カタール1812kmでもこれが踏襲され、前年の仕様よりはやや大きな識別サインが入っているが、次戦以降はより判別が容易になるはずだ。
ミシュランの耐久レース・プログラム・マネージャーであるピエール・アルベスは、「我々は他の選手権、とくにF1で見られるものとは正反対の色を選択した」と語った。
「ラバーコンパウンドの硬さよりも、タイヤが持つそれぞれの動作ウインドウに基づいて選択している」
●ホワイト(ソフト)
冬のような寒さを象徴。このコンパウンドはシリーズの中でもっとも柔らかく、気温の低いコンディションに適す。
●イエロー(ミディアム)
ミディアムコンパウンドにイエローを選んだのは、このコンパウンドが幅広い温度域をカバーすることを示している。
●赤(ハード)
熱と赤の結びつきから。路面温度が高いときには、もっとも硬いコンパウンドを使用するのが適している。
●青(レイン)
青は水を連想させるカラー。(他のシリーズの)GT3マシンのウエットタイヤにも採用されている。
ハイパーカークラスのチームは、WECの各イベントで2種類のスリック・コンパウンドから使用するタイヤを選ぶことができるが、ル・マン24時間だけは例外で、3種類すべてのコンパウンドが用意される。今週末のカタールではミディアムとハードが使用されている。
ミシュランは2024年も昨年と同じタイヤ構造を採用しているが、2025年に向けて新しいタイヤを開発中だ。
アルベスは、「どのレースでも、パートナーチームはミシュランの専任テクニカルアドバイザーによるサポートと専門的なアドバイスを受けることができる」と述べた。
「我々の耐久用タイヤは、2024年のカレンダーが決まるずっと前に開発されたもので、まだ未知の部分がたくさんある。いくつかのサーキットについては、タイヤに関してデータがない。そのためパートナーからの情報提供が必要になる」
「とはいえ、これまで走ったことのないサーキットでは、少なくともシミュレーションは実施している」
「テスト中に収集された情報をもとに、技術者は路面やマシン、天候によって異なる要求に対応するため、それぞれのタイヤに最適なウインドウを特定することができる」
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