NASCAR、2021年からの次世代カップカーでセンターロックホイールを採用。長年の5穴から脱却
NASCARは3月2日、2021年からカップシリーズで使用するために現在テストが進められている次世代マシン『NEXT Gen Car』で、センターロックの18インチアルミホイールが採用されると発表した。長年NASCARで使用されていた15インチスチール製ホイールから脱却することになる。
長年NASCARでは、15インチのスチールホイールが使用されてきた。アルミよりも軽量と言われているこのホイールは5穴で、ラグナットでマシンに装着される。レース時には、ピットウォール内側で待機したメカニックが飛び出し、ジャッキマンが車体を上げる間、5本のナットを猛烈なスピードで着け外しするシーンはNASCARの名物とも言える。
そんなNASCARのピットストップにも、変化が訪れそうだ。3月2〜3日にオートクラブ・スピードウェイで予定されている『NEXT Gen Car』のプロトタイプの4回目のオントラックテストで、新たにBBS製の18インチセンターロックホイールが使用されることになった。これまでの3回のテストでは、5穴のホイールを使用している。
NASCARのイノベーションおよびレース開発担当のジョン・プロブスト上級副社長は、15インチスチール製ホイールからの脱却は、18インチを備える現代の生産車との関連性を高めるための全体的な目標のひとつであると述べたが、一方で高速条件下で充分な強度が必要であると語っている。
「我々にとって、ホイールの観点からみれば、18インチのアルミホイールが必要だと思っていたんだ」とプロブスト。
「18インチアルミを導入することを決めたならば、次のステップはレースコンディションでの耐久性を得ることで、さらに次のステップは複数のレースを耐えることだ。そしてそのためには、シングルナットが唯一の選択肢だった」
ただ、シングルラグナットの18インチアルミホイールへ変更されるももの、シリーズとしての変化は少ないだろうとしている。プロブストは、5名の作業スタッフの人数は変わらず継続するとしている。
「ファンの観点からすれば、ピットストップの光景は変わらないと思う」とプロブスト。
「シングルラグナットといえば、多くのファンはオープンホイールのようなピットストップになってしまうことを恐れているだろう。ピットレーンでクルーがヒザをつき、マシンが来るのを待っているスタイルだ」とインディカーのような状況を例示した。
「まだウォールの奥から、最高のアスリートたちが飛び出してくる状況は変わらない。クルマの右側に行きタイヤを交換し、左側に行ってタイヤを換える。ピットストップの見た目は大きく変化しないだろう」
またプロブストは、シングルナットになることでよりトルクが必要になり、現在からピットストップのタイミングは劇的に変わらないとした。
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