RBの「戦略べた」は今季も続く…角田裕毅は汚名返上の走りで”遺恨”を消したい
角田裕毅はピットストップの度に順位を落としていったⓒRedBull Content Pool
F1開幕戦バーレーンGPが日本時間3月3日未明に開催され、唯一の日本人として活躍が期待されるRBの角田裕毅は14位に沈み、入賞することができなかった。レース中にはチームメートのダニエル・リカルド(オーストラリア)に先を譲るようにチーム側から指示され、「内紛騒動」として各メディアが報じる事態にもなった。
【画像】角田裕毅が駆るRBのマシン
角田は11番グリッドからスタートし、一時は入賞圏内の10位を走行するなど快調で、リカルドよりも先を走っていたが、タイヤ交換のタイミングが悪く、終盤には13位にまで後退。14位のリカルドに追走される形となった。
するとチームの無線で順位を入れ替えるように指示があった。リカルドのペースが速く、10位入賞が届く可能性もあったからとされるが、よもやのチームオーダーに角田は「冗談を言っているの?」と不快感を示した。その後に渋々と道を譲ったが、「皆ありがとう。感謝しているよ」と皮肉を交えた。
ところが、リカルドのペースが上がらなかったことから「全然、速くないよ」と怒り心頭に発している様子だった。チェッカーフラッグを受けた後もピットに戻るクールダウンラップで、タイヤをロックさせた後にリカルドのマシンに急接近。あわや接触しそうになる事態になり、リカルドからも「何だ、あのひどいヘルメット野郎は?」など、放送禁止用語を含む無線のやりとりがピットとの間であった。
F1公式サイトによると、リカルドはレース後に「私は分別のある状態にあるが、これは未熟と呼ばれることだよ」と改めて非難。「チームオーダーが出たことを彼は不満に思っているだろうが、現実的になろう。これはレース前に話をしていたことなんだ」とも話した。
F1ドライバーはレース中にテンションが高まるケースが多い。特に角田は気が短く、無線を通じて汚い言葉を吐くこともある。これはデビューイヤーの2021年から変わらず、本人も心のコントロールが必要であることは自覚している。
角田もチームを通じたコメントとして「レース後の分析で全てを見つめ直す必要がある」としたが、同情は禁じ得ない。10位を走行していたが、タイヤ交換のタイミングでライバルチームに先行され、ポジションをダウン。アルファタウリからチーム名称が変わった今季も「戦略べた」が出てしまった。順調にタイヤ交換をこなせば、楽々と入賞できるシナリオも描くことはできた。
だとしても、いきなり開幕戦でチームメートやチームとの間で遺恨を残すことは得策ではない。2週連続開催となる第2戦サウジアラビアGPで汚名返上の走りが求められる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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